羽田孜の発言 (本会議)
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○国務大臣(羽田孜君) 池田議員にお答えを申し上げたいと思います。
まず最初に、租税特別措置について、早急に整理合理化のプログラムをつくるべきじゃないかということでございますけれども、租税特別措置は、特定の政策目的に資するため、公平、中立、簡素といった税制の基本原則を犠牲にしている面があるという指摘もあるところでございます。したがいまして、個々の政策目的と税負担の公平性等の調和を図る見地から、常にそのあり方について吟味を行う必要があろうと思っております。
このような考え方に基づきまして、企業関係租税特別措置につきましては、特に昭和五十一年度以降、連年にわたりまして厳しい見直しを行ってきておりまして、平成四年度の税制改正におきましても、各種の租税特別措置について所要の見直しを行うことといたしております。今後とも、税負担の公平確保の観点から、社会経済情勢の変化に即応しながら適宜見直しを進めてまいりたいと考えます。
なお、法人の含み益を開示させるとともに、配当を時価基準で行うなどの配当をふやす政策が必要じゃないかという御指摘でございますけれども、資産の含み益につきましては、一般的に申し上げますと、当該含み益算定の前提となる時価情報に関しまして、合理的かつ客観的に算定可能であり、一般に公正妥当と認められる価格を前提としているものにつきましては、時価とともに含み益を開示していくことが適当と考えられます。これに対しまして、必ずしもそのような価格の算定方法が確立しているとは言いがたい資産につきましては、含み益を開示することは投資者の判断を誤らせるおそれもあるというふうに認識をいたします。
このような観点から、先物・オプション取引のほか、証券取引法上の有価証券のうち、一般に公表されております価格、気配等により時価を合理的に算定できる有価証券につきましては、債券を除き、既に平成三年三月決算より含み益の開示を義務づけております。時価の合理的な算定方法等の検討を行っていた債券についても、平成四年三月決算より含み益の開示を行わせることといたしたところでございます。
一方、配当の問題につきましては、従来我が国企業の配当政策は、額面に対して何%という考え方にとらわれた配当決定方式を指向する傾向がございました。他方で、企業は、時価を基準として市場から資金を調達しており、この結果、企業が調達した資金に比べて配当が十分ではない状況となっているという指摘も実はあるところでございます。
これに対しまして、企業による株主への利益配分のあり方といたしましては、額面にとらわれた方式に固執することなく、時価を基準に調達した資金を活用して生じた利益のうち、どの程度の配当を行うかといった考え方に基づき、株主への配当を増加させていく必要があろうと考えております。
私どもといたしましては、以上のような考え方に基づきまして、従来より企業に対し配当の増加について要望するとともに、証券業界に対しても企業への働きかけを要請しているところでございまして、この点につきましては、与党の方からもそういった御指摘もございます。私どもは、これを踏まえながら話し合いをしてまいりたいと思っております。
また、法人税を強める一方で、内部留保を促進するような諸制度を見直すべきじゃないかという御指摘があったわけでありますけれども、この御提案につきましては、一つの考え方であるというふうに私どもも評価しながら拝聴させていただきたいと思います。
法人税につきましては、昭和六十三年の抜本改革におきまして、国際的に調和のとれた法人税制を確立する観点から税率の引き下げ等を行い、実施に移してきたところでございますけれども、平成四年度税制改正におきましては、財政の現状にかんがみまして、法人特別税の創設をお願いを申し上げたところでございます。
種々の観点からとられております企業関係租税特別措置につきましては、必ずしもすべてが内部留保を充実することを目的とするものではありませんけれども、先ほども申し上げましたとおり、連年にわたりまして厳しい見直しを行っているということを申し上げておきたいと存じます。
なお、地価税廃止の声があるということでございますけれども、この地価税は、先般の土地税制改革の重要な柱として、土地に対する適正公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減するという観点から創設され、本年一月一日から施行されておるところでございます。
ここのところ、地価の鎮静化傾向というものは、これは確かに見られます。これはいわゆる金融面の措置に加えまして、地価税を含む土地税制改革のアナウンスメント、これの効果があったということで、所期の効果を上げ始めたものというふうに私どもも認識しております。
ただし、地価水準は依然として、これは大都市圏では、いわゆる地価の高騰前のまだ二倍、これは一部の地域でありますけれども、二倍にもまだあるというような現状もございます。土地問題の解決は、依然として我が国経済社会にとって重要な課題であることに変わりはないというふうに認識をしたいと思います。先般の土地税制改革、とりわけ地価税を円滑に実施し、着実に定着させることが重要でありまして、これにより一層の地価の抑制、低下、土地の有効利用の促進を図っていくことが必要であろうと思っております。
いずれにいたしましても、地価税につきましては広範な議論を経まして創設されたものであることを踏まえまして、土地神話を打破して、二度と地価高騰を生じさせないためにも、大切にこれははぐくんでいく必要があるんじゃないのかというふうに思っております。
なお、相続税の負担調整を行うことになったことや、小規模宅地については、負担調整の範囲を超えて減税になったんじゃないかという御指摘であります。
これは、今回の相続税法の改正は、平成四年から土地税制改革の一環として土地の相続税評価の適正化が行われることに伴いまして、相続税の負担調整等を行うものでございます。平成四年分の土地相続税評価から、評価時点、従来の前年七月一日の時点を地価公示価格の評価時点、当年の一月一日時点でございますけれども、これに合わせるとともに、評価割合を地価公示価格水準の八〇%に引き上げ、土地の相続税評価の適正化を行うことといたしております。これは、土地が金融資産等地の資産に比べて有利となるという相続税課税上のゆがみを是正することに目的がございまして、相続税の増収を意図するものではないことから、土地評価の適正化に伴いまして、総体として相続税負担が実質的に増加することのないよう、制度面において、課税最低限の引き上げ等によりまして相続税の負担調整を行うことといたしたものでございます。
なお、小規模宅地等につきましては、相続税の課税の特例につきまして、今回、その減額割合の引き上げを行うことといたしておりますが、これは近年、大変地価が高騰したということでございまして、大都市圏を中心とした小規模な居住用等の宅地について相続税負担が過重となっておるというおそれがございますし、そういう指摘もございます。相続税負担が過重とならないように、また国民生活というものが安定をするようにという見地から、土地の相続税評価の適正化に伴う相続税の負担調整に際して、本特例の拡充を行うことが適当であるというふうに考えてやった措置でございまして、これはあくまでも小規模のものに対してやるということでございまして、決して、これによって利益を得る、特別な人たちが、大きな企業なんかが利益を得るというものではないということであろうと思っております。
以上であります。(拍手)
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