山村新治郎の発言 (本会議)
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○山村新治郎君 ただいま議題となりました平成四年度一般会計予算外二案につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
この予算三案は、去る一月二十四日本委員会に付託され、同月三十日羽田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、二月三日から質疑に入り、公聴会、分科会を行い、本三月十三日討論、採決をいたしたものでございます。
まず、予算の概要について申し上げます。
平成四年度一般会計予算の規模は七十二兆二千百八十億円であり、前年度当初予算に対し二・七%の増加となっております。
歳出のうち、国債費及び地方交付税交付金等を除いた、一般歳出の規模は三十八兆六千九百八十八億円であり、前年度当初予算に対し四・五%の増加となっております。
歳入のうち、租税及び印紙収入は六十二兆五千四十億円が見込まれており、前年度当初予算に対し一・二%の増加となっております。また、公債の発行額は、前年度当初予算より一兆九千三百七十億円増の七兆二千八百億円の発行を予定いたしております。この結果、公債依存度は一〇・一%となっております。
特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、財源の重点的、効率的配分を行い、事業の適切な運営を図ることとしており、その数は、それぞれ三十八及び十一で、ともに前年度と変わりありません。
なお、財政投融資計画の規模は四十兆八千二十二億円であり、前年度当初計画に対し一〇・九%の増加となっております。
次に、質疑について申し上げます。
質疑は、国政の全般にわたって行われたのでございますが、その主なものについて申し上げます。
第一に、政治改革について、「最近の政界における一連の不祥事に、国民の政治不信は高まっている。今、政治改革という場合、個別問題ではなく、日本の政治のあり方、全体像として政治をどうするかについて、大胆に提起されなければならない時期である。総理は政治改革をどのように進めようとしているのか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相かけ、「一連の不祥事は、基本的には政治家一人一人の倫理の問題であり、政治腐敗をいかに防ぐかはモラルの問題である。しかし、それをさらに具体化していくとなると、事は緊急を要する課題であるが、同時に将来に向かって大変大きな影響を持つ問題である。したがって、緊急な中にも慎重に政治改革の実を上げていかなければならない。私は、私どもの党に対して、全体的な大きな政治改革を頭に置きながら、そういう背景のもとに当面する課題である定数是正、政治資金、政治倫理、国会改革について、党内の意見集約を要請している。その上で各党協議会を開いていただき、速やかに合意を図って、今国会で立法化するものは立法化してもらいたいと考えている」旨の答弁がありました。
なお、政治改革、政治倫理の確立をめぐって、いわゆる共和問題、佐川急便問題等が取り上げられ、特に、共和問題について、二月二十五日、証人から証言を求め、また、参考人から意見を聴取いたしました。
第二に、防衛問題について、まず、「ソ連邦の解体など世界情勢が激変している中で、それに対応した新しい防衛の哲学が必要ではないか。昭和五十一年にできた防衛計画の大綱の見直しは当然ではないか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相及び宮下防衛庁長官から、「防衛計画の大綱は、我が国は仮想敵国ということを考えず、一つの国として、最小限、基盤的防衛力整備をどの程度にすべきかということで作成され、そういう思想が今日の防衛計画、中期防まで貫かれている。大綱のこの基本的な考え方は保持すべきものと考える。なお、将来の定員、人員の確保等との関連で、防衛計画の大綱に定めている別表について、時間をかけて検討する必要がある」旨の答弁がありました。
次に、「中期防衛力整備計画について、総理は施政方針演説において、平和憲法下、軍事大国とならないという基本理念に従って、中期防の修正について前広に所要の検討を行っていくと述べているが、どういう方向で見直そうとしているのか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相から、「現在の中期防には、三年後に見直すという規定がある。しかし、昨今の国際情勢の大きな変化の中で、従来予定していた時期より早い時期から検討することが適当ではないかということで、防衛庁長官と相談の上、安全保障会議で方針を決定し、防衛庁では既にその検討作業を開始しているところである。その際、見直しというのは、減額修正するということと考える」旨の答弁がありました。
第三に、景気対策について、「現在の我が国経済は、在庫が増加し、企業収益は総じて減少している。また、企業の業況判断には減速感が広まっている。この際、公定歩合の引き下げ、公共事業の前倒し等機動的な金融・財政政策が必要である。我が国の経済の現状と今後の見通しについて、総理はどう考えるか」との趣旨の質疑があり、これに対し宮澤首相、羽田蔵相及び野田経済企画庁長官から、「今、一つの難しい局面にあるが、中長期的には、我が国経済は、基本的にすぐれた潜在成長力を持っている。新しい世界平和の秩序の構築に当たって、我が国が果たすべき役割に非常に大きな期待が持たれており、それにこたえるためにも、いい意味の成長をできるだけ続けていかなければならない。そのために、今回の予算においても景気に配慮した予算編成を行っている。公定歩合の引き下げは、昨年三次にわたり行ってきたが、その効果が広く行き渡っているかどうかの見きわめが大切である。予算の前倒しについては、景気にはマインドというものがあるということを考えると、予算が年度内に成立することが大切で、その執行面に当たっては適切に執行できるように準備をしている」旨の答弁がありました。
以上申し述べましたほか、政治資金のあり方、政治腐敗防止法の制定、国連のあり方と我が国の果たすべき役割、国際協力のあり方、日朝交渉とアジア外交のあり方、北方領土問題とロシアとの平和条約締結、旧ソ連邦地域への支援、日米自動車摩擦、独占禁止政策、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉、財政政策のあり方、地方財政、生活大国の実現、社会資本整備と公共投資基本計画、労働時間短縮、学校の週休二日制、高齢化社会への対応、看護婦不足対策、地球環境保全、雲仙・普賢岳噴火対策、従軍慰安婦問題、パート労働者の非課税限度額の引き上げ等について質疑が行われましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。
かくて、本日質疑終了後、日本共産党から平成四年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨の説明が行われました。
次いで、予算三案及び動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党から政府原案に賛成、動議に反対、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合から、それぞれ政府原案及び動議に反対、日本共産党から動議に賛成、政府原案に反対の意見が述べられました。
討論終局後、採決の結果、日本共産党提出の動議は否決され、平成四年度予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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