寺崎昭久の発言 (本会議)

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○寺崎昭久君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表して、ただいま議題となっている平成四年度予算三案について反対討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、省庁の縄張り、与党の権益優先の予算となっており、我々が求めてきた生活先進国型の予算編成にほど遠いものであるだけでなく、宮澤内閣の生活大国の公約にも違反する内容となっていることであります。
 特に、公共投資の固定的、硬直的配分を根本的に改めることなく、生活関連枠の継承、新たな別枠の設置という小手先の施策にとどまり、サラリーマンなどの生活向上に不可欠な住宅関連等の社会資本整備に重点配分していないことはまことに残念であります。
 また、国立大学授業料の引き上げが盛り込まれ、文化・スポーツ施設などの拡充が軽視されていることは、文化先進国建設を進める上でも問題があります。
 さらに、看護婦確保対策、救急医療など福祉政策においても我々の提言に十分こたえたものとはなっておりません。
 我々が予算修正の最重点としたパート・内職者減税、家賃控除などの政策減税を見送ったことは重大な失政であります。かかる減税措置はまじめに働く勤労者が切に望むものであり、これを拒否したことは国民に対するたちの悪い挑戦と言わざるを得ません。
 反対の第二の理由は、景気対策が不十分なものとなっていることであります。
 政府が非現実的かつ甘い経済分析を続け、景気対策を後手後手に回し、経済を著しく悪化させた責任は極めて重いと言わざるを得ません。宮澤内閣は、三月三十一日、公共事業の前倒し発注などを柱とした緊急経済対策を決定しました。また、日本銀行は、翌日、公定歩合を三・七五%に引き下げました。しかし、これら対策の妥当性、有効性には疑義があり、政府公約の平成四年度実質三・五%の経済成長を実現するには不十分なものと言わざるを得ません。バブルを再燃させないためにも、金融偏重は避け、財政出動を伴ったバランスある経済対策を実現すべきであります。
 我々は、政策減税及び公共住宅、都市公園、都市駐車場、下水道等の生活関連公共投資などを柱とした大型補正予算を編成し、早期に成立させるよう提唱いたします。
 反対の第三の理由は、安易な増税措置が盛り込まれていることであります。
 法人特別税、普通・小型乗用車の消費税の割り増し税率などの増税に反対いたします。かかる措置は、平成三年度限りで撤廃すべき措置を事実上延長したものであり、公約違反を犯し、国民を欺くものであること、また景気をさらに悪化させることを強調しておきます。
 反対の第四の理由は、行財政改革が不十分なものとなっていることであります。
 行革をないがしろにし、増税などで国民にツケを回すことは言語道断と批判せざるを得ません。今日の最重要課題は、中央集権体制の打破、総合調整や国民生活に視点を置いた省庁の再編、地方の権限強化・自主財源の確立、国際情勢に即応できるシステムづくりなど、日本の行政機構を根底から見直す行政改革五カ年計画の策定、実施であり、この断行を政府に強く求めます。
 反対の第五の理由は、地球環境保全や経済支援など国際協力の面でも不満足な内容となっていることであります。
 ODAについても、単に予算を増額すればいいというのではなく、諸外国の人々の生活向上に直結するものとなるようその内容を厳しく吟味すべきだと考えます。
 また、地球環境保全のため日本はさらなる努力をすべきであります。地球は人間のためにだけあるのではありません。動物、植物、自然と共存する経済社会建設のための新たな哲学の確立が問われております。
 今、日本にとって一番大切なのは、政府による国際協力もさることながら、日常生活において国民一人一人が世界の人々のために温かい手を差し伸べることではないでしょうか。これまで、日本は世界の文化を柔軟に吸収してきましたが、外国人自身を受け入れることを拒絶してきました。今日、同じ星の下の同胞として、人種、肌の色、宗教を超えて人間を尊重し、共生、共栄の道を歩むことが求められています。一八五四年、江戸幕府が日米和親条約を締結した以降もなお日本人は心の鎖国を続けてきました。今こそ第二次開国を行う時期ではないでしょうか。
 防衛費については、防衛大綱、中期防を見直し、これを聖域化せず、効率化を図り、これを極力抑制すべきであり、五カ年の防衛費削減計画を策定し、平成五年度予算に反映させることを政府に切に求めます。
 さて、宮澤内閣が発足して以来五カ月が過ぎました。この間、内閣に対する国民の支持率が漸減してきたことは改めて指摘するまでもありません。なぜでしょうか。一言で言えば、それは、顔の見えない内閣、事なかれ主義政治に対する不満やいら立ちではないでしょうか。
 言うまでもなく、我が国の繁栄は世界平和と通商の自由に依存して築かれたものであり、このことは今後も変わらないでしょう。とすれば、諸情勢の変化を踏まえ、我が風が国際社会の中で担うべき役割や政策目標、そして方法を国内外に明示しつつ理解と協力を求めることは不可欠な要件であり、また、国民が総理に、政治改革や国連の平和維持回復活動への参加問題、ガット・ウルグアイ・ラウンド問題を初めとする諸課題について強いリーダーシップを発揮してほしい、最高指導者として英断を下してほしいと願うのは当然であります。
 総理は、だれからも好かれようとして、結局はだれからも嫌われる政治を行っていないでしょうか。予算は時の総理の鏡であり、めり張りなき平成四年度予算案は宮澤総理の分身だと言っても過言ではないでしょう。あえて苦言を呈する次第であります。
 以上、予算案には反対ではありますが、我々の提言により、本院が良識を発揮し、国民生活及び経済に与える影響に配慮し粛々と審議を行い予算の早期成立の道筋をつくることができたことは一歩前進であるということを付言し、私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

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発言者: 寺崎昭久

speaker_id: 28284

日付: 1992-04-09

院: 参議院

会議名: 本会議