田辺広雄の発言 (法務委員会)

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○田辺(広)委員 おはようございます。自民党の田辺広雄でございます。
 早速、お許しをいただきまして、いろいろ東京佐川急便の問題につきまして御質問を申し上げます。もう既にそれぞれの予算委員会等々、また昨日は竹下登元首相の参議院における証人喚問など引き続いて行われましたので、やや質問が重複する点もあろうと思いますが、まずもってお許しをいただきたいと思います。
 今申し上げましたように、東京佐川急便、九百五十二億円に達する渡邉廣康元社長に対する特別背任による告訴に端を発しまして、金丸信氏への五億円の献金が明らかになり、そして再三にわたる検察当局による事情聴取にも応じないで、上申書により政治資金規正法の量的規制違反により罰金が二十万円で結審をいたしました。その後、竹下内閣成立のときにおける褒め殺しの問題、それをまたとめようとするために暴力団を利用して褒め殺しが終わった。その後、稲本氏の代理人大島氏の供述調書に七人の国会議員の名が一般公開をされました。裏づけのとれていない人々の名まで発表されたことによりまして、その検事調書に対する多くの議論が続出をしております。
 ある新聞社の世論調査によりますと、佐川急便の巨額献金問題についてこれが問題だというのをそれぞれ皆さん方から意見を聞きましたところが、一番多いのが罰金二十万円での決着、これが問題五七%、二番目には暴力団の関与五三%、三番目には五億円の行方がうやむやであるというのが三六%、四番目が上申書で略式起訴三四%で、それぞれ上位を占めていると書かれておりました。
 このような本件の流れの中から、当初段階、捜査段階におけるリークへの疑い、略式結審による検察への不信、日本の総理が暴力団の力をかりて成立した、でき上がった、自民党事件による供述調書により裏づけのない国会議員の氏名が発表され、それぞれの人々の名を傷つけたということとなり、五億円の行方はいまだに不明であります。
 今回の事件で言えますことは、国民一般の考えている罪に対する刑罰と法の決定とが余りにも食い違っている。端的に言えば、五億円の献金を行って、一度も調べられないで上申書を出すことによって二十万円の罰金が決まった、そういう罪、刑罰に対する憤りというものが大きいと私は思います。
 二番目には、リークを初めとするマスコミの情報過多、及び札幌高検検事長の新聞社に対する投書にもありましたように、検察官が格別の理由もないのに、国民の知りたいそして聞きたいと思っていることについて尋問をしないのは重大な任務背反になると指摘されております。しかし、一方においては、他の新聞を見ますと、刑事訴訟法で五十万円までの罰金を取る場合には被疑者の異議がなければ書面でもってそれは終わるとも言われております。
 こういうようないろいろな情報の中から、一般の国民の皆さん方は真実は何かということがつかみ得なかった。そして、多くのマスコミの毎日の情報というものがいよいよこの事件をわからなくしていきました。同時に、考えておりました事件以上に大きな事件を期待し、そしてそれが検事への期待となってあらわれてきた。そういう中から、先回根來事務次官の文芸春秋への投稿、またテレビなどでも元検事総長とかいろいろな人々が出て発言をされております。したがって、国民は、この問題については非常に内容が不明瞭である、混乱をしておるということをまず思ってみえるであろうと思います。
 三番目には、世論に追い回されて態度を右往左往させる検事への不信が政治不信へと増幅して国民の理解が得られなくなってしまった、そこから発生する怒りであります。私どもは、国民の前に法は平等であると言いながらも、法の理解者以外の一般の国民がこの事件を理解しようとしましてもなかなか理解ができない。私自身がそうなんです。「五億もらって二十万」がわかりにくい。しかし、聞けばなるほどとわかりますが、わかったころにはそれ以上にその法のあり方について憤りを感じてきて、それが各県会また地方自治体の多くの方々の意見書となってあらわれてくる、または二万何千人の方々がそれぞれこの問題について告訴をするというような事態に発展をしてきたと私は思います。
 そこで、まず第一には、東京佐川急便事件のこれまでの捜査の処理状況の概要についてお尋ねをいたしたいと思います。
 背任額が九百五十二億円に達する本件は、これまでに検察が訴追した同種事件に比べてその規模や悪質性においては群を抜いておる事案と思われますが、その特徴や捜査の困難性等についてお聞かせをいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 田辺広雄

speaker_id: 3124

日付: 1992-12-08

院: 衆議院

会議名: 法務委員会