濱邦久の発言 (法務委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○濱政府委員 今回の東京佐川急便事件の捜査の過程におきましては、検察の捜査内容や捜査方針に言及したと思われるマスコミ報道が連日のごとくなされたところでございまして、今委員が御指摘になられました、例えば渡邉供述による十数人の政治家に対する多額の献金に関する報道もその一例であることはそのとおりでございます。
 ところで、これらの報道を通覧いたしますと、その多くは、例えば東京地検特捜部はだれだれからこういう供述を得た模様であるとか、あるいは地検特捜部はこれこれの事実を把握している模様であるというような書きぶりのものでございまして、その上これらの記事は同時期のものでありましてもその内容が区々に別れていることもございまして、マスコミ側の推測を報じるにとどまっているものというふうに理解されるわけでございます。
 マスコミ報道につきましては、これは法務当局といたしまして、その出所、由来あるいは真偽のほどを確認できる立場にはもちろんないわけでございますけれども、検察が意図的に捜査情報を流すことがないということは、このようなマスコミ報道の書きぶりからも御理解いただけるのではないかというふうに考えているわけでございます。
 そもそも捜査の過程で収集いたしました情報、資料等、捜査の内容にかかわる事柄がかりそめにも外部に明らかになりまするというと、申すまでもなく関係者による口裏合わせやその他の罪証隠滅工作のきっかけを与えることになるわけでございますし、捜査の遂行が極めて困難になるばかりでなく、事件を起訴できなければ、検察はどうしてやらないのかというような非難を招くことにもなりかねないわけでございます。
 また、捜査のために協力して情報を提供した側からいたしますると、それが捜査、公判の目的以外に使用されることは心外なことであるはずでございまして、そのため将来の捜査、公判の遂行に必要な国民一般の信頼と協力を得がたくすることとなるわけでございます。したがいまして、いわゆる巷間言われておりますリークというようなことは捜査機関にとってみずからの首を絞めるに等しいものでございます。そのようなことは、そういう意味で、ないものと確信しているわけでございます。
 検察の捜査内容等に関するマスコミ報道がなされました場合に、それがいわゆるリークによるものでないことを明らかにする方法といたしましては、例えばその内容が実際の捜査内容と異なるときなどに、その捜査内容を明らかにすることによってそれが誤りで、誤報であるということのゆえんを明確にするということが一つ考えられるわけでございますけれども、その場合には本来秘匿しなければならない捜査内容を公表しなければならないというジレンマがあるわけでございまして、検察がいわゆるリークをしたものでないことを証明することは、そういう意味では非常に困難であるわけでございます。
 ただ、御理解をいただきたいと思いますのは、いわゆるリークが検察にとって大きなマイナスにこそなれ何のプラスにもならないということ、それから、検察における捜査に従事する職員は、これは捜査上の秘密保持の厳守がその職責遂行上の基本的な心構えの一つであるわけでございまして、これに違背することが国家公務員法上の懲戒事由等に該当する場合があるということも十分承知しているわけでございます。
 また、報道機関各社におかれては、これは東京佐川急便問題に限ったことではないわけでございますけれども、今回の事件についても、特に熾烈な取材競争のもとに多数の記者を動員して、関係各方面に広くかつ深く独自の取材活動を展開され、場合によっては関係者等に直当たりをされるというようなこともあり得るわけでございましょうから、検察が捜査によって把握し得る事柄は同時に報道機関におかれても独自に把握し得る事柄であるという場合も少なくないわけでございます。
 そういうようなことを考えまして、私どもは検察が捜査内容あるいは捜査情報をリークするということは絶対にないというふうに確信しておるわけでございまして、その辺のところをひとつ十分御理解をいただきたいと思うわけでございます。

発言情報

speech_id: 112505206X00219921208_007

発言者: 濱邦久

speaker_id: 19189

日付: 1992-12-08

院: 衆議院

会議名: 法務委員会