石原慎太郎の発言 (法務委員会)

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○石原(慎)委員 そんなことを聞いているんじゃない。今の現況を国民が満足していると思うか思わないかということなんです。
 もう少し言いますと、つまり海洋レジャー先進国ではあり得ないような事象というのは日本では枚挙にいとまがないのですよ。それは通産省の責任というのは後から言いますけれども、運輸省なり法務省になるのか農水省になるのか、とにかくもろもろの役所の権限の及ぶところでそれが及んでいない。そういう不整備があるわけで、あなたは書かれたものを読んでいるだけだろうけれども、国民は満足していませんよ。言われるままに船を買ってみたけれども、買ったはいいけれども一体どうして使ったらいいのか、安全に使えるのかどうか、その他いろいろ問題がある。皆さんにレクチャーするのは釈迦に説法かもしれないけれども、日本の周辺の海というのは世界で最も危険な海なんです。
 昔ハリウッドの映画に「紅の翼」とか「脱出」とかというなかなかおもしろい映画があった。この原作者はアーネスト・ガンという人で、一九五〇年代までノースウエストのパイロットで、戦争中は軍のパイロットで飛んでいた本当のベテランの飛行士ですけれども、その人のエッセーの中に、世界じゅうの海を飛んできた、空を飛んできた、大西洋というのは非常に危険な空域だけれども太平洋は非常に女性的でおとなしい、ただ一つ日本の周辺の空域、海域というのは非常に危険で怖いということが書かれている。それくらいそうなんです。
 昔、遣随使と遣唐使というのは随分犠牲を払って行って、菅原道真が天皇に建言して、もう日本も大分文化的に成熟したから、犠牲が多いからやめようというくらい、あのシナ海を渡るだけでも大変な労苦だったわけです。きょうも実は太平洋と日本海を二つ低気圧が通過してこのようなストーミーな天候になっているけれども、これは日本では当たり前のことで、外国人がストームと呼ぶ低気圧が年平均一日三つぐらい日本の海を通過している。こういう海は世界じゅう眺めると、地勢的にもマダガスカル周辺しかないのです。そういうところで、政府に督励されて国民の皆さんが海洋レジャーもいいじゃないかと出ていくのですが、そこの状況というものは人為的に調整され得るものがいまだに調整されずに非常に危険なまま放置されているわけです。
 今大臣がいろいろ海洋関係の法律に従事されたということですけれども、そういう御経験を踏まえて、なお海洋に関する、海面に関する所有権というのはじかにないでしょうけれども、つまり海を利用する、漁業に利用する人もいるでしょう、レジャーに利用する人もいるでしょうが、国民が海に対して持っている一種の水利権というのでしょうか、それの優先順位というのはあるんですか、ないんですか。もう少し詳しく聞くと、幾つかの権利、国民がそれぞれの職業、ホビーに応じて海を使うときの優先順位が何らかって、漁業権は、漁民が海を使って生活するんだからそれは最優先されるべきであるというふうな解釈はあるのですか、ないのですか。

発言情報

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発言者: 石原慎太郎

speaker_id: 28341

日付: 1992-12-08

院: 衆議院

会議名: 法務委員会