石原慎太郎の発言 (法務委員会)
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○石原(慎)委員 そんな木で鼻をくくったみたいな答弁をしてもしようがない。要するに、政府のする補償だって国民の血税ですよ。常識的に魚が一匹もいない海が埋め立てられるときに、それを一応チャージしている、管轄しているという漁協が出てきて金を払えと言われて、今言った経緯で、どういうのかわからぬけれども、金が払われるわけだ。それはやはり航空運賃だとか空港の利用税とか、そういったものに全部かぶせられてきて、結局最後は、私たちから見ればどうも理不尽でしかないと思う。漁民が全部とは言いませんよ。しかし、一部の漁民のそういうエゴというものを国民が負担する現象というのはいまだにどんどん続いているわけだ。
例えば、武士の情けだから具体的に名前は言わないけれども、私の非常に親しい千葉県のある友人、代議士が、私がその油壺の第三セクターの話をしたら、なるほどな、千葉も東京から近いし、東京湾もどんどん開拓され、いろいろな形で変わってきているから、私の関係している漁協を向けるので、それをぜひ参考に視察させてほしいということでやってきた。漁協がかんでいないから、ほかに幾つかの代表的な、相模湾というとヨットとかボーティングのメッカですから、日本の代表的なマリーナが幾つかありますし、それを見学させて、特に三崎のボートサービスをやっている漁協の人たちと会って話をして、帰ったそうです。
どうだったと言ったら、彼が頭をかいて、いや参ったと。要するに、私の選挙区の漁民の意見は、あんな面倒くさいことをするよりも、何かできるのだったらごねて金を取った方がずっと楽だということが結論だそうです。彼は政治家として頭をかいていましたが、今日こういう現象がもう枚挙にいとまがない。
今まではプレファス、序言でありまして、一番肝心なことを実はお聞きしたいのですけれども、昭和三十七年に、農水省ですか水産庁ですか、それと運輸省の事務次官の了解事項があって、これが都道府県通達されて、それを受けてでしょう、三十八年の水産庁の通達をさらに受けて都道府県漁業調整規則というのができたのです。その第六十条に「定置漁業その他知事が必要と認め別に定める漁業を営む者は、漁具の敷設中、昼間にあっては別記様式第十三号による漁具の標識を当該漁具の見易い場所に水面一・五メートル以上の高さに設置し、夜間にあっては電燈その他の照明による漁具の標識を当該漁具に設置しなければならない。」とある。
もう一つ、その了解事項の方を見ますと、1の(ニ)に「都道府県知事は、定置漁業及び特定の第二種共同漁業については、漁業調整規則又は漁業権の条件制限による漁具の標識(二海里以上の距離において視認できるもの)の設置を厳格に励行させるものとする。」とあります。
これは当たり前のことですが、これが日本の海ではほとんど実行されていない。そして、事故が絶え間ない。不思議なことに、お上に奨励されて海へ出ていくけれども、漁民もお上か何か知らぬがおっかなくて、網にひっかかって、網を切ってほうほうのていで脱出する人たちが、被害者意識じゃなしに加害者意識で、漁民に見つからぬだけよかった、見つかれば見つかっただけ法外な補償を取られる。
しかし、不思議なことに、沿岸の漁民は余りしけたときは海に出ない。私たちは時間の都合もありますし、夜も走ります。国際レースなどは遠くから走ってくるから、昼着く船もあるし夜着く船もある。まして、初めてその域を走る外国人というのは本当に危険な状況の中で走らされているわけだけれども、つまりこの通達あるいは都道府県の規制というものがほとんど実現されてない。
特に夜間の灯火がついている定置網というのは、私の知る限りでは、私が漁業組合と訴訟するしないでかけ合って実現した本当に一、二カ所であって、定置網で明かりのついているものはないですね。この現況を海上の航行安全というものを監督するまた保障する海上保安庁は認識しておられますか。