宮澤喜一の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほどから御所論を承っておりました。
この三、四年を回顧いたしますと、確かにいわゆる証券・金融の問題あるいは土地をめぐるバブルの問題、それから暴力団、また静穏保持等々いろいろな問題を、我々お互いにそれなりの対応を一生懸命やってきた。確かに後遺症というものはやはり相当ございますけれども、ともかく対応してまいった。その中で、政治についての改革というのはいろんな努力がなされてきたけれども、国民の目から見て必ずしも十分ではなかった、おくれてきたのではないかと、そういう御指摘であったと思います。
私は、石川委員のまさに言われるとおりであると思いますが、確かに政治改革について申しましても、最初に打ち出されました一つはいわゆる冠婚葬祭等について非常な出費がある。これは冠婚葬祭そのものの出費と申しますよりは、冠婚葬祭についての対応を万全にやろうとしますとたくさんの秘書を雇わなければならないという衆議院の方々には深刻な悩みがあります。その実は人件費の問題が大きかったと思いますけれども、これにつきましてはかなりの改善が見られるに至りました。
それから、その後、殊に今先ほど御指摘がありましたように、自民党の党内では政治改革についての非常に熱心な討議が重ねられてまいりましていわゆる三つの法案になったという経緯がございます。
ただ、これらの中で、やはりおっしゃいますように資金関係、倫理関係のほかにどうしても選挙区制度というものに触れざるを得ないということがございまして、選挙区制度の問題というのはこれ議会主義、民主主義の一番基本になる与野党の間のいわば土俵の問題でございますから、これについては各党がもう本当に熱心に議論をされるということはこれは当然のことで、それが民主主義というものだと思いますが、そういう経緯もございまして三法案そのものは審議未了という形になったわけでございます。
ちょうどその段階で、私、ちょうど一年余り前ですが、自民党の総裁を仰せつかりまして、まずこの一とんざした政治改革をもう一度やり直さなければならないということで、やはり抜本的に処理すべき問題と緊急に処理をしなきゃならない問題があると考えましたので、今年の二月に党の中にできておりました政治改革本部に対しまして、さしずめ三月ごろまでに緊急改革についての答申をしてほしい、抜本改革については十一月の末ごろということを政治改革本部に私から要請をいたしました。
緊急改革の方は予定どおり案が出てまいりまして、そこで、かねて国会にございました各党協議会に付議をして御討議を願って、実務者会議も何度か開かれました。その結果、先ほどお話しになられましたようないわゆる十八項目等の改正案が共産党を除く各党でほぼ合意ができた。
したがいまして、それは前国会において成立をさせていただく期待を持っておったわけでございますが、前国会の終末に衆議院におきましていろいろな御事情がありましてそれがおくれました。おくれました分がただいま本院において御審議をいただいております衆議院を通過いたしました分で、十八項目が二十一項目になってまいったと。これはその間に起こりましたことを各党が御勘案になって十八に付加されたわけでございます。そのほかに十減九増といういわば一票の価値についての緊急是正を御審議を願っておる。
でございますから、幸いにしてこれらについての御審議を終了していただきますと、成立をするならばここで緊急改革分は成立をするわけでございます。
考えてみますと、先ほど言われました証券とか土地とかあるいは静穏保持とかいうものと違いまして、やはりこの政治改革というのは、当然のことですが、民主主義の一番根幹に当たる部分でございますから、当然各党の利害というものは必ずしも一致しない。それは当たり前のことでございます。その利害を調整した上でなお改革を行っていただくというのが国会における御審議の結果であったわけで、そのような御審議を経まして成立するならば、これは比較的早い。三法案が流れましてはぼ一年余りでございますから、大変に御熱心に御審議をいただいたと申し上げることができるんではないか。
ただ、それは後に抜本改革を残しておるわけでございまして、これは私が十一月未と申しました期限は大体実は守られておりまして、ほぼ私どもの党内では答申の準備がもう一両日中ぐらいということになっておりますから、これはかなり大きな問題を含んだ答申になってまいると思います。私どもの中でまず党の態度を決めました後、従来の経緯から申しますと、もう一度各党協議にお願いをして、また各党においても恐らく改革の案をお持ちでございましょうから、それらの中から合意を発見していただくならば、次の国会にその合意の結果が提案されまして、成案になることを期待をいたしておる。
抜本改正でございますから、緊急是正よりはさらに実は各党の御意見というものは距離があることは承知をいたしておりますが、その中からしかし合意を得て国民の期待にこたえなければならない。政府といたしましても、自由民主党といたしましても、そういう努力をぜひここでいたさなければならない、それが抜本改革の問題と心得ております。