奥野誠亮の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○奥野委員 本委員会に付託されております法案、さらに政治改革ということで、若干これをはみ出してお尋ねさせていただきたいと思います。
 総理は、学生時代から海外も体験しておられますし、昭和二十六年のサンフランシスコ講和会議には政府随員として出席されて、それから今日まで四十年の長い国会議員としての経歴、しかもその中で国の枢機に参画されてきたことが非常に多かったと思います。そういう意味で、私は、日本にとって貴重な存在だと思っております。その体験からお考えになっていることを率直にお聞かせいただきたい、こう思います。
 最初にお尋ねしたいのは、これからの日米関係をどう構築していこうと考えておられるかということでございます。
 こんなことをお尋ねしようとしますのは、昭和二十年の敗戦直後のアメリカの日本に対する姿勢には厳しいものがございました。やがてヨーロッパで米ソの対決が始まりました。アジアでは朝鮮戦争が起こりました。自来、アメリカは日本に対して庇護者の立場に変わったと思っております。そして、順次日本はその保護のもとに経済成長を遂げてまいりました。その東西冷戦が終わったわけでございます。終わったわけでございますし、戦後四十八年でございますから、今さら戦勝国、戦敗国でもないのじゃないか。そうしますと、アメリカの姿勢も変わっていくだろうし、日本の姿勢も変わってしかるべきじゃないか。そう考えますと、やはりこれからの日米関係をどうするかということは国民にも知っておいていただかなければならないんじゃないかな、こう思いますので、総理の考え方を伺いたいわけでございます。
 一つの例をとって申し上げますと、昭和二十一年二月に、マッカーサーはホイットニー准将に命じまして、三原則を示して、日本国の憲法を部下に作成を求めたわけでございました。その中には、主権の発動である戦争は放棄する、国際紛争解決のための手段としての戦争も、自国の安全を守るためのそれをも放棄するとうたわれているわけであります。全く独立を認めないようなことでございますけれども、それをそのとおりの表現で憲法を書くわけにもいきませんので、今のような憲法の字句になったと思います。
 また、あの憲法制定の国会論議におきましても、吉田総理が、しばしば自衛のための戦争だと言って戦争に出かけていっているというような表現を使われたことに対しまして、その後、芦田さんとの問答で、いや、そんなことを言うた覚えはないとか、多少吉田総理も、総司令部の顔も見なければならないし、日本国民の顔も見なければならないわけでございますから、あいまいなままで過ぎたと思います。やがて独立いたしましてからは、独立国である以上は自分の国の独立を守るのは当然だという姿勢になってきているわけでございますけれども、この憲法を解釈するにつきましては、国論にはいろいろな違いがあるわけでございます。
 そういうことを考えてまいりまして、この間日米首脳会談を終えて帰られた。新聞の報道を見ていますと、クリントン大統領は、特に貿易の黒字のことだろうと思うのでございますけれども、日本側に対して無遠慮な強い要求をしたと書いてありました。これに対しまして総理は、管理貿易的な手法あるいは一方的な行動のおどかしによっては貿易不均衡の是正の実現はできないよと答えておられる。私は、我が意を得たような感じを持ちまして、心強く思わせていただきました。
 なぜ心強く思わせていただいたかといいますと、日本の経済がだんだん復興していく、その過程で日本の品物がどんどんアメリカに入っていく、アメリカの関係の産業が脅かされるということで日本に改善を迫ってくる。そんなことから、最初は繊維製品の自主規制だったじゃないかと思います。それから鉄鋼、自動車、工作機械、半導体と大変な自主規制をやっているわけでございます。これが世界から日本が大変批判を受ける原因になっているのじゃないかな、こう私は思うわけでございまして、特にヨーロッパなどでは、日本はアメリカの言いなりになっているじゃないか、そして日米、二国間だけで管理貿易をしているじゃないか、こういう不信の気持ちが強いようでございます。もっともなことだと私も思うわけでございます。
 前大統領のブッシュ氏は日米戦争に参加した人でございますから、やはり戦勝国と敗戦国という関係は身にしみついているのじゃないかなと思います。ですから、しばしば彼は日本に対する庇護者のような立場に立つ、ある場合には日本に対して恫喝的な態度をとるようなことがあったように私には見受けられているわけでございます。クリントン大統領は戦後生まれの方で、戦争を知りませんし、アーカンソー州知事の時代には企業誘致を求めて日本に来たりもしているわけでございます。だから、新しい立場でお互いに話し合える時代をそういう意味でも迎えたんじゃないかなと思っているわけでございます。
 事実、新聞を見ていますと、クリントン大統領は共同記者会見の冒頭で、冷戦時代の日米関係は終えんした、こう言っている。そのとおりだと思うのでございます。でございますから、これから日米関係をどう持っていくかということは大変に難しいけれども、相当な度胸を持って日本も当たっていって、国際的にも信用される日本になっていかなければならないんじゃないかな、こんな思いを私は持っているわけでございます。
 したがいまして、日米お互いに言いたいことはどんどん言い合ったらいいんじゃないかなと思うのでございます。国内でもあるいは国外でも、とかく日本はアメリカ一辺倒ではないかという批判を受けております。まさにそういう面があったと思います。こういう感じも払拭していきたいな、私はこう思っているわけでございまして、しかし、基本的には日米関係は大事だと思います。したがいまして、ただアメリカについていくんじゃなくて、日本が進んでアメリカに協力していくんだという姿勢が出てくるなら一番好ましいんじゃないかな、こう思っております。
 アメリカ側が日本に基地を持っております。この基地も、基本的にはアメリカの世界戦略上前方展開していく、日本に基地を求めることが必要だったわけでございますけれども、今やアメリカにどれだけ必要なんだろうか。しかし、日本やアジアにとっては必要じゃないか、こういうふうに私には考えられるわけでございます。
 そういういろいろなこともございますので、ひとつ率直な総理の意見をお聞かせいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 奥野誠亮

speaker_id: 25784

日付: 1993-04-21

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会