奥野誠亮の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○奥野委員 日米関係が世界各国から評価されるようなあり方を求めていきたいなという願いも込めて伺ったわけでございまして、おっしゃったこと、全く私もそのとおりだ、こう思っております。
 今の日本の国際的な地位というのは、私は、さま変わりしてきたな、それだけ政府の対外折衝も広範にわたっている。そうすると、政府そのものが安定した基盤に支えられる政府でなければならないなと。今の衆議院の中選挙区制は旧憲法時代のものでございまして、必ずしも新憲法に沿うた選挙制度であるかどうかについては、やはり議論があってしかるべきじゃないかな、こう思っておるわけでございます。
 自分のことを言って恐縮でございますが、私が初めてアメリカを訪れたのは昭和二十五年でございますから、もう四十三年前でございました。外務省が開店休業でございますので、外務省の河崎一郎さんが一緒に行ってくれまして、通訳の労をとってくれました。そのときに、この河崎さんは戦前のアメリカを知っている方でございました。第二次世界大戦後初めてアメリカヘ来て、アメリカという国は偉大な国になりましたよ、アメリカ国民は世界じゅうの問題を全部自分たちの問題だと考えるような国民になっていますよと驚いて語っておったことが、いまだに私の脳裏から消えません。
 当時私は、日本とアメリカを百万長者とこじきの違いがあると言うたものでございまして、物にも書きました。今はもう全く同じように話し合っていける。大変な変化だなと思うのでございまして、私は軍用機に乗って、アメリカで三月ほどいろいろ教えてもらって、軍用船で、北周りで横浜の港に着きました。横浜の港から横浜の町を見ますと、焼け野原に見えたものでございました。鉄筋の建物があるかなと探しまして、やっと見つけたのが黒ずんだ神奈川県庁の建物でございました。アメリカは何十階のビルが当時から既に林立しておったわけでございますから、私がそういう思いを持ったのも当然かなと、こう思ったりしているわけでございます。
 自来、長年の経過とともに日本やアメリカの経済力が伸びる。相対的にアメリカの経済力が落ちてきておるわけでございますけれども、やはりアメリカの基本的な姿勢というものは、みずから世界戦略を行っていく、国連をてこにして世界戦略を行う、私はこの姿勢は変わらないだろうと思いますし、また、その気概は持ってもらってしかるべきじゃないかなという気持ちもするわけでございます。したがいまして、経済力が伴いませんから、日本やドイツに協力を求めながら世界戦略を行うということにならざるを得ないんじゃないかなと、こんな思いがするわけでございます。
 当時は、日本が国連への加盟さえ許されませんでした。今は国連の重要な一員になっております。国連経費の一番の負担者がアメリカで、総経費の二五%、日本は二番目でございます。一二・四五%。したがいまして、日本はこれまで国連中心主義、国連中心主義と言ってまいりましたけれども、国連中心主義という言葉は私は否定しませんけれども、国連の意思決定に日本が参加していく、それに影響を与える存在であることを国際社会は求める時代になっているんじゃないかなと、こう思うわけでございます。国際社会にも積極的に日本が出ていきませんと、やはり世界の期待にはこたえられない状態になってきているんじゃないかなと、こう思います。
 そういうふうに日本の役割が大変大きく必要になってきておりますことが、今の日本に振り返ってみますと、こんな日本の政治不信のままでは、世界からも不信の目を持って見られる、これで日本が十分な活動ができるんだろうかなという不安が一つございます。やはりこれまで以上に強力な基盤に支えられた政府を一層つくっていくことが必要になっているんじゃないかなと考えるわけであります。
 そんなこともあってであろうと私は思うのですけれども、首相公選制を唱える方もございます。やはり同じような気持ちを抱いておられるんだなと、こう思っておるわけでございます。現在の日本の憲法では、衆議院で総選挙が行われたら内閣は総辞職をして、選挙後直ちに内閣総理大臣を選ぶことになっているわけであります。衆議院と参議院の議決が異なりますと、最終的には衆議院の議決をもって国会の議決とすることがうたわれているわけであります。さらに、条約や予算については、衆議院の優位性もうたわれているわけでございます。こういう規定から類推してまいりますと、やはり衆議院の選挙というものは、どういう内閣をつくるか、それに即した、その目的にかなった選挙制度であるべきではないだろうかなと思えるわけでございます。
 同時に、参議院には、国民の間にはいろいろな意見があるわけでございますから、その多様な意見を議席に反映させて、いろいろな角度から国政のあり方を議論していく、そして日本の政治の過ちなきを期するということを期待されていると考えてしかるべきじゃないかな、私はこう思います。
 そうなりますと、私は、野党が衆議院で比例代表制を言っておられる、参議院でも比例代表制をとっている。同じことをやっておったんじゃ、せっかく二院制をとっている二院制の使命が十分果たされないじゃないかなという心配を持つわけでございます。現実には、私は、参議院に比例選挙がとられた結果、一層参議院の政党化に拍車をかけたと思います。これはいいことじゃないのであって、私は残念な方向に行っているんだ、こう思っているわけでございます。衆議院と参議院が同じょうなことをやっていろんなら一院でいいわけでございまして、だから、悪口を言う人は、参議院は衆議院のコピーだなんというような失礼なことを言う方もおられるわけでございます。
 かつて参議院に緑風会というものがございまして、緑風会というものは、議員それぞれが党議に拘束されない、それぞれ自己の判断で決めていくんだ、こういう姿勢を貫いてこられたように思うわけでございます。総理は参議院にも議席を置いておられたわけでございますだけに、いろいろなお考えを自分の体験を通じてお持ちだろうと思うのでございます。
 私たちは政治改革をねらっているわけでございますから、党のためを考えているわけじゃないのでございまして、日本国のためを考えているわけでございますから、日本国のためを考えるなら、この憲法の規定に沿って、あるべき国会の姿、どうお考えになっているかということをちょっとここでお述べをいただきますと、参考になるんじゃないかなと思います。

発言情報

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発言者: 奥野誠亮

speaker_id: 25784

日付: 1993-04-21

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会