木島日出夫の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○木島委員 私は、現在のこの政治改革論議をめぐる最大の特徴は何かというと、いわゆる一括処理論が破綻をしたということだと思います。
 その前に、先ほど田並委員から、一括処理論が当委員会の合意であるという発言がありましたが、そんなことはありません。私は一貫してこの一括処理論は間違いであるということを言ってまいりました。
 どういう点で破綻をしたか、二つ挙げたいと思います。一つは、その一括処理論がまず国民の支持を完全に失っているということであります。
 既に私、指摘をいたしましたが、審議が始まった役とられた毎日新聞の四月十九日付アンケートの世論調査の結果であります。「政治腐敗防止のための制度確立」をやれというのが五三、「政治資金の規制」が二三、合わせて七六%、そして「選挙制度の改革」をやれというのが一九%しかない。そして、さらに審議が進んで、連休にとられた朝日新聞の五月三日付世論調査の結果によりますと、「政治腐敗防止のための罰則強化」が四九、「政治資金の規制強化」が二三、合わせて七二%が政治と金の問題、政治腐敗の問題にまずメスを入れるという国民の声であります。「選挙制度の改革」をやれというのは一六%にすぎない。
 そして、それだけでありません。有識者がそういう発言を、当委員会の論議が進むほど大きく出てきております。あの金丸事件の金丸に対する呼び出し抜きの略式命令に対して厳しい批判をした札幌高検の佐藤道夫検事長が、週刊朝日の四月三十日号ではっきり言っています。
  選挙区制をどう設定するかは、政治の腐敗防止とは関係のないことである。主権者で ある国民の意思、つまり民意をいかにすれば最も正確に把握することができるか、それ が選挙区制をどう定めるかの問題である。にもかかわらず、小選挙区制が政界浄化の最 後の切り札としてもてはやされているところに事態の異常さがある。
当委員会の論議が金と政治の問題ではなくて、中心的な論議が選挙制度をどうするかというところにあることに対して、「事態の異常さ」という言葉まで使われているわけであります。(発言する者あり)ちょっと聞いてください。
 五月十一日、昨日の毎日新聞の記事で、高畠通敏立教大学教授、冒頭、
  現在、政治改革は、引き続く政界腐敗の根を絶ち、国民の政治不信に応える急務だと、 政党やマスコミの論調はいう。しかし、その意味での政治改革が真に急がれるとしたら、 与野党の対立がいつまでもつづく選挙制度の改革をあとまわしにして、与野党が一致で きる政治資金規正法の改正、英国にならう政治腐敗防止法の制定、職務権限の壁を取り 払う刑法の収賄罪規定の改正など、手近で直接的な改革からなぜ着手しようとしないの か。
 そして、昨日の午前中、当委員会が参考人としてお呼びした共同通信の梶原参考人が明確にその旨を述べられました。
 そして、それは単に国民や有識者の声だけではありません。一括処理論にこだわっているのかどうかわかりませんが、自民党、そして社会党の中枢部からそういう意見が噴き出してきているわけであります。自民党の最高顧問である元総理の中曽根氏の発言、そして社会党の国会対策の中心にいる村山国対委員長の発言。先ほど田並委員や自民党の方からも、出先でまとめなきゃいかぬということをおっしゃられましたけれども、大本営たるところでそういう出先と違うような発言がぼんぼん出てきていると、これは後ろから鉄砲玉を皆さん方は撃たれているのじゃないかと思うわけであります。
 私は最初から、一括処理論は、小選挙区制導入を認めなければ金と政治の問題に手をつけないという意味で、これはワースト・オア・ナッシングで間違いなんだということを言いました。今、中曽根氏の発言や村山国対委員長の発言は、これはオール・オア・ナッシングだと思うのですね。そういう面じゃ、まあちょっと違うのですけれども、結局のところ、一括論は間違いだという点では共通していると思うわけでありまして、そういう国民の声や提案者の本部の方から出てきているその問題について、虚心坦懐に、提案者はどういう状況にあるのかをやっぱり出していただかなければいけないのではないか。
 改めて、優先課題は政治と金の問題だ、腐敗防止だ、企業・団体献金の禁止を中心とする腐敗防止だということを私は主張したいと思います。

発言情報

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発言者: 木島日出夫

speaker_id: 3656

日付: 1993-05-12

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会