中西績介の発言 (本会議)

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○中西績介君 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となりました一九九三年度予算案に対して反対の討論を行います。(拍手)
 まず申し上げなければならないのは、今国会では、昨年に引き続き、東京佐川急便事件に関係する疑惑の徹底的な究明が求められているということであります。
 今国会における予算委員会で、我々野党の一致した要求によって、竹下元総理と小沢一郎君の証人喚問が実現しましたが、疑惑はいまだに解明されるどころか、ますます深まっています。これで佐川問題の幕引きをするわけにはまいりません。
 とりわけ問題なのは、自民党の派閥領袖で政権中枢にあった国会議員と暴力団との関係が取りざたされ、しかも内閣誕生に暴力団が深く関係した事実があり、少なくとも事後には総理大臣在任中に知りながら、責任を一切回避して政治的延命を企てる竹下元総理の不見識きわまる態度であります。
 我々が竹下元総理の議員辞職勧告決議案を提出したのは、国際的にも日本の民主主義が問われており、議会制民主主義の最大危機であると思うからであります。したがって、この決議案は本院で直ちに決議すべきであります。(拍手)
 さらに、竹下元総理が種々の疑惑を持たれ、暴力団との関係が明らかになっているにもかかわらず、宮澤総理はこの議員辞職問題にさえ積極的な態度表明はせず、知らぬふりを決め込んでいるのは総理の見識を疑うものであり、毅然とした対応が見られないのも残念のきわみであります。このような宮澤総理の政治姿勢では、国民の政治不信はますます募るばかりであります。
 さて、一九九三年度予算案は、バブル経済の崩壊後、高度成長以後最悪と言われるまで急激に景気が落ち込む中で、それにどう対応するのかが問われた予算であります。しかし残念ながら、今年度予算の公共事業の七五%前倒し、十兆七千億円の今年度補正予算の追加によっても景気の改復傾向はいまだに見られておらず、九三年度予算案も景気を下支えするものとしてさえも不十分と言わざるを得ません。
 第一に、我々が予算修正要求を提示し、強く迫った所得税減税や福祉一時金の支給、住宅、中小企業対策の拡充などのための予算修正が行われなかったことであります。我々の要求は、不況に苦しむ方々に対する必要不可欠の施策であり、景気対策として差し迫ったものに限定しておりました。現在の段階でそれが実現されていないのは極めて遺憾であります。
 とりわけ所得税減税は、税制の側面からも、景気対策の面からも不可欠であります。景気停滞の影響は個人消費にも重大な影響を及ぼしており、現在の不況が国民総支出の六〇%を占める個人消費が冷え切っていることを考えれば、景気対策として欠くことができませんし、そしてまた、公平な税負担を実現するためにも必要なことであります。消費税導入以来無視されている、相当規模の所得税減税を実施すべきであります。所得税減税は景気回復に余り効果がない、あわせて財源難を理由に、所得税減税を回避しようとする政府・自民党の態度は、不況の実態を理解せず、的確な対策を持っていない無策と言わざるを得ません。(拍手)
 第二の理由は、予算全体を見ても、景気対策の面からは言うに及ばず、生活充実策としても不十分であり、政府の経済見通しの達成は困難であるということであります。
 経済の現状は、昨年から公共事業拡大と住宅建設に若干回復の兆しが見られる以外、悪化の一途をたどっています。九二年度の後半には完了すると政府が見込んでいた在庫調整も、減退が激しいためなかなか終わらず、そのため需給ギャップ拡大から鉱工業生産は対前年比でマイナス幅を拡大している状況であります。
 企業倒産も負債額が過去最高額を記録するまでに増大し、個人消費も昨年半ばから対前年比でマイナスを示すようになりました。最も重要な雇用状況も急速に悪化し始め、有効求人倍率は九二年十月についに一%を割り込み、十一月には〇・九三%を記録をいたしましたが、これは円高不況期の八七年度以来のことであります。しかも、採用内定取り消しなど雇用調整が拡大されています。
 こうした経済状況から、九二年度の当初の政府経済見通しては三・五%の実質成長が見込まれていましたが、九二年末の実績見込みで一・六%と半分以下に引き下げられました。これは全く異例のことであり、まさに異常事態であります。
 九三年度の政府経済見通しは、実質成長で三・三%を見込んでいますが、民間調査機関と比較して昨年以上にその突出が際立っています。その達成に向け九三年度予算が大きな役割を担っていると思うのでありますが、経済見通しの達成は困難と断ぜざるを得ません。政府は、経済の現状認識を誤り、政策対応をおくらせる失敗を繰り返そうとしています。
 一般会計予算を見る限り、対前年度当初比で〇・二%増、政策経費である一般歳出でも三・一%増と、ほとんど景気対策予算になっておりません。また、景気対策の柱である公共事業も、国の一般会計では対前年度当初比で四・八%増としたとされておりますが、今年度補正後と比へれば大幅次減額であり、これだけでは対策としての効果は見込めません。また生活充実策の観点から見ても、昨年度の国民健康保険の事務費への国庫負担削減に続き、保険基盤安定制度による国庫補助率を削減するなど、社会保障関係費は八八年度以来の低い伸びとなっております。
 また、公立小中学校教職員の人件費のうち、退職者向け共済年金支給額への国庫補助打ち切りが繰り上げ実施され地方負担とされるなど、国の財政のつじつま合わせを目的に安易に地方に負担を転嫁する措置がとられております。
 その上、地方交付税交付金の減額措置を継続したことは、国の財政破綻のツケを生活の基点である地方財政に転嫁するものであり、生活重視に逆行していると言わざるを得ません。景気対策として増額された公共事業費も、その配分は硬直的であり、生活重視の観点からの洗い直しも不十分であります。時に問題なのは、不況の深刻化で大きなダメージを受けているのは、中小企業であり、失業した人たちであるにもかかわらず、中小企業対策費も、失業対策費も削減されています。これでは景気対策に配慮した予算とは到底言えないのであります。(拍手)
 第三に、生活関連の予算が抑制される一方、依然として防衛費が増額される予算案が継続されています。
 中期防衛力整備計画の見直し、縮小も不十分であり、冷戦崩壊という情勢の歴史的変化を看過していると言わなければなりません。防衛関係費は対前年比一・九五%増の四兆六千四百六億円と低い伸びとはいえ増額されており、軍縮を率先して実行すべき我が国の立場からして全くの時代錯誤であります。
 平和と軍縮推進は日本の世界に果たす使命であり、中期防衛力整備計画は若干削減するだけにとどまらず抜本的に見直し、軍縮計画を明らかにするとともに、来年度防衛関係費についてはAWACS、イージス艦など不要な兵器の購入、開発の中止などを行い、前年度を下回る規模に抑制すべきであります。
 反対の第四の理由としては、国債依存度を九五年度で五%以内とする政府の財政目標の実現が困難になり、政府の財政運営の唯一の基本目標は国債発行にかかわるもので、それが破綻したということは、政府の財政運営の破綻を意味するのであります。
 九三年度予算案では、八兆一千三百億円の国債が新規財源債として発行されることとなっております。それに伴い、一般会計に占める新規財源債の収入金比率を示す公債依存度は、九二年度当初の一〇・一%から一一・二%に上昇しています。経済情勢が劇的に好転するなどよほどのことがない限り、九五年度までに公債依存度を五%未満にするという財政運営の目標の達成は極めて困難な情勢であります。九四年度、九五年度と二兆二千五百億円ずつ建設国債の発行を減額しなければ目標を達成することはできませんが、新規施策等に充てる予備枠を含めれば、八兆一千五百億円の要調整額が出ることとなっており、財政目標の達成はだれが見ても絶望的なのであります。
 会計上の処理で国民生活に関係なく、特例国債のように野方図に累積することもないなどと言って隠れ借金などを繰り返すことはやめ、財政の現状を国民の前に公表した上で、国債発行問題を再検討すべきであります。減税や歳出増のため必要であれば、厳格な償還計画とセットで特例国債を発行し、逆に建設国債に余裕を持たせることも検討されてしかるべきであります。
 最後に^政治疑惑の徹底究明と政治腐敗の根絶に向けた宮澤総理の断固たる決意と、国民生活、不況対策に向けた施策の拡充を強く求め、一九九三年度予算案に対する私の反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 112605254X01019930306_008

発言者: 中西績介

speaker_id: 27361

日付: 1993-03-06

院: 衆議院

会議名: 本会議