渡部一郎の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○渡部一郎君 私は、公明党・国民会議、日本社会党・護憲民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました日本社会党・護憲民主連合、公明党・国民会議共同提出の政治資金規正法の一部を改正する法律案及び政党交付金の交付に関する法律案及び政治倫理法案並びに国会法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 同僚議員の諸君、まず、日本国民の政治家不信、政党不信が今日ほど高まったことはかってなかったと思うのであります。議会制民主主義の破滅と言っても過言ではありません。私どもは今、その全国民の怒りと絶望に直面して、何らかの回答を示さなければならない立場にあることを深刻に認識したいと存じます。
 戦後の我が国の政治を振り返ってみましても、残念ながら、数々の疑獄や疑惑を生むたびに、言葉だけの反省の弁が横行してまいりました。「政治改革」「抜本的な改革」「血を流す改革」などもう聞く方の国民はただただあきれ返っているわけであります。
 その中にありまして、一九八八年六月にリクルート事件が発覚して以来、共和、佐川と大規模な政治スキャンダルが相次ぎ、さらにこのたびは、権力の中枢にあられた金丸元副総理が政治資金を資金源とした巨額の脱税事件によって逮捕されるという未曾有の構造汚職が明らかにされ、まさに金権腐敗まみれの日本の政治はここにきわまれりというべき異常事態に立ち至っているのであります。
 この期に及んで根本的な政治改革を断行しなければ、我が国の議会制民主主義の崩壊を意味することは申すまでもありません。今、議会人として国会に籍を置く私どもが、現状を深刻に受けとめ、腐敗政治と決別し、活力のある議会制民主主義を再構築することが歴史的な使命と責任であると思うのであります。少なくとも、時間を引き延ばせばやがて国民の非難は静まるだろうなどというような悪質な態度があってはならないのであります。(拍手)
 かかる認識から、我が党としての回答を出すべく、多年にわたり法律、制度の改正案を用意してまいりましたが、このたび日本社会党・護憲民主連合との協議が調い、先ほど趣旨説明のございました衆議院の選挙制度の改革などの二法案とあわせ、共同で政治改革六法案を国会に提出するに至ったのであります。
 この際、これらの法律の制定、改正を行い、民主主義の原点に立ち返り、透明で清潔な政治を実現し、国民の政治に対する信頼を取り戻し、真の議会制民主主義を確立することが緊急な課題であります。
 まず、政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 第一に、従来、腐敗政治の温床となってきた法人、団体の政治活動に関する寄附は禁止することにし、法人、団体が負担する党費、会費は寄附とみなし、同様に禁止することにいたしております。
 第二に、政治家個人に対する政治活動に関する寄附は、政党がするものを除いて禁止し、これに伴って、現行の指定団体及び保有金制度は直ちに廃止いたします。
 第三に、政治活動に関する寄附の量的制限を厳しくし、個人の寄附であっても、政党及び政治資金団体に対するものは年間で一千万円を超えることができないものとし、その他のものに対する政治活動に関する寄附は年間五百万円を超えることはできないことといたしました。
 第四に、政治資金の透明度を高めることは至上命題であります。政治資金の入りと出の公開基準を大幅に引き下げることにいたします。同一の者からの寄附に対しましては、一律に年間一万円を超える場合、氏名、住所、金額等を公開することとし、支出は一件当たり三万円以上のものは公開することといたしました。
 第五に、政治資金規正法の違反により禁錮刑及び罰金刑に処せられた者に対しましては、公民権を一定期間停止して選挙に関与をさせないことといたしまして、また、罰金額の引き上げ等を行うことにいたしました。
 このほか、不明朗のうわさの高い政治資金パーティーの対価の支払いは政治活動に関する寄附とみなすこと、政党交付金にかかわる収支は他の政治資金と収入、支出を別の帳簿に記載すること、法人、団体による寄附への関与の禁止、株式等による寄附の禁止、政党の定義の改正、政党等の名称の保護を定めております。
 次に、政党交付金の交付に関する法律案について御説明申し上げます。
 この法律は、政党が議会制民主主義において重要な機能を果たすものであり、その健全な発達が国民の利益に資するものであることにかんがみまして、選挙を通じてあらわされた国民の意思を反映した政党に対する公的助成としての政党交付金制度を創設することを目的とし、国は、この法律の定めるところに従って、政党に対して政党交付金を交付することといたしております。そのための政党の要件、政党の届け出、その他必要な手続等を定めることをその内容といたしております。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、政党の定義につきましては、政治資金規正法第三条第一項に規定する政治団体で、次のいずれかに該当するものといたしております。
 その一つは、総選挙または通常選挙の結果、所属する議員を三人以上有することであります。二つには、所属議員を有するもので、直近の総選挙でその政治団体が一%以上の記載総数があるか、またはその政治団体に所属する候補者の記載総数の合計数が各候補者の記載総数の合計数の一%以上であるものです。三つには、所属議員を有し、直近の通常選挙の比例代表選挙または選挙区選挙でその政治団体が有効投票の一%以上の得票総数を得ているものとしております。また、政治資金規正法第六条第一項の規定により政党である旨の届け出がなされていないものは、この法律に言う政党ではないものといたしております。政党要件は、いわゆる自民党案よりも大幅に緩和し、政治参加への道を閉ざすことのないように配慮をいたしております。
 第二に、政党の届け出に関する事項として、名称、主たる事務所の所在地、代表者、会計責任者、所属議員の氏名等、政党の綱領、規約などを届け出ることを定めております。
 第三に、政党交付金の算定等につきましては、毎年分の交付金の総額は、一月一日現在における、直近の国勢調査人口に二百五十円を乗じた額を基準として予算で定めるものといたしております。また、毎年分として各政党に対し交付すべき政党交付金の額の算定方法を定めております。
 このほか、政党が交付を受ける際の請求の手続、各政党に対する政党交付金の額の通知及び告示、政党交付金の使途の報告に関する事項及び報告書の公表、さらには政党交付金の返還に関する事項、この法律の違反に対する罰則及び違反者に対する公民権停止その他の事項について定めております。
 次に、政治倫理法案について御説明を申し上げます。
 今ほど政治倫理の確立が求められているときはありません。国会議員が国政に関し国民の厳粛な信託を受けた特別の地位にあることにかんがみ、その職務の廉潔と公正を確保するために、政治倫理の基本理念を明らかにし、国会議員の行為規範、資産・所得・兼業の報告公開措置を定め、国会の自浄能力を高めようとするものであります。既に国会議員の資産等の公開に関する法律は実施されておりますが、その条項を本法に繰り込み、本法の制定に伴って廃止するものといたします。
 この法律は、ロッキード事件を契機として設立されました政治倫理審査会が事実上機能不全に陥っており、それを改めようとするものであります。すなわち、各議院に常任委員会として政治倫理委員会を設置することとし、この委員会におきましては、国会議員の行為規範の違反、資産・所得・兼業等の報告書の不提出または虚偽の記載、各議院の議長が定める法令の違反について審査することとしております。衆議院においては四十人、参議院においては二十人以上の賛成で審査を請求することができることとし、審査請求に対しては、政治倫理委員会で審査するようにいたしております。審査に当たっては証人喚問もできるようにし、違反等をした議員に対する措置として、国会議員の辞職勧告、一定期間の登院自粛勧告などを行うようにいたしております。
 政治倫理法の制定に伴いまして、国会法の一部を改正する法律案をあわせて提出をいたしております。
 なお、政党交付金の交付に関する法律は、衆議院議員の小選挙区に関する法律の公布の日の属する年の翌年の一月一日から施行することとし、政治資金規正法の一部改正は、政党交付金の交付に関する法律の施行の日から施行することといたしております。また、政治倫理法並びに国会法の一部改正につきましては、第百二十七国会の召集の日から施行することといたしております。
 最後に、本法律案の審議につきましては、格別のお計らいをもちまして、ぜひとも国民の多年にわたる宿願にこたえ、世界の目に恥ずかしからぬ日本の政治を確立いたしますためにも、今国会で必ず御可決いただきますよう心からお願いを申し上げまして、趣旨の説明とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
     ————◇—————
 公職選挙法の一部を改正する法律案(梶山静六君外二十三名提出)、衆議院議員選挙区画定委員会設置法案(梶山静六君外二十三名提出)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(梶山静六君外二十三名提出)及び政党助成法案(梶山静六君外二十三名提出)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)、衆議院議員小選挙区画定等審議会設置法案(佐藤観樹君外二十四名提出)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(佐藤観樹君外二、十四名提出)、政党交付金の交付に関する法律案(佐藤観樹君外二十四名提出)、政治倫理法案(佐藤観樹君外十八名提出)及び国会法の一部を改正する法律案(佐藤観樹君外十八名提出)の趣旨説明に対する質疑

発言情報

speech_id: 112605254X01919930413_007

発言者: 渡部一郎

speaker_id: 28576

日付: 1993-04-13

院: 衆議院

会議名: 本会議