佐藤敬夫の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐藤敬夫君 私は、自由民主党を代表して、ただいまの「モザンビーク国際平和協力業務実施計画」等の発言につきまして、総理大臣並びに関係の大臣に質問を行い、その御所見を伺いたいと存します。政府発言の質問に入る前に、最近の国際情勢の一観点から、日米、日ロの二点についてお伺いいたします。
 まず、日米関係についてですが、先般の日米首脳会談は、冷戦後の新時代において自由と民主主義を共有し、世界のGNPの約四〇%を占める日米両国が、新たな平和と繁栄の秩序の構築に向け、いかに協力していくべきかを話し合う機会として、非常に重要な意義を持つものであったと考えます。
 戦後四十七年がたち、日米も、世界も大きく変わりました。両国の首脳が通訳なしでフランク、フェア、オネストを基調に話し合いができたことは、さぞかし内容のある密度の濃い意見交換ができたものと、私も高く高く評価をする一人であります。
 しかし、日本のマスコミの現地での共同記者会見あるいは帰国をしてからの報道でも、宮澤・クリントン会談は、経済、貿易だけの会談であったと受けとめたくなるような報道ばかりであります。総理、会談の内容は、世界情勢に基づく政治、安全保障及び世界的な協力についても十分なる協議が当然のことながら行われたものと思いますが、いかがでしょうか。
 日米の首脳がお互いに信頼をし、評価をし合えるということは、相手の要求に対してイエスの数をいかに多くするかということではなく、それぞれの主張を明確にし、相違点を浮き彫りにし、率直なるやりとりを繰り返す中で、その結果、共通の利益を求める道が存在することを確認し合うことがお互いの信頼をつくり出すものと考えます。
 しかるに、今回の日米首脳会談については、我が国が十分に我が国の立場を説明でき得なかったのではないかとの指摘が一部にありました。また、首脳会談後のクリントン大統領の発言により、円高傾向に向かったことをとらえ、成果についての疑問を持つ論調もございました。
 この際、総理から、会談の内容は実際どうであったのかを率直にお伺いしたいと思います。次に、日ロ関係について質問いたします。
 ロシアについては、エリツィン大統領の指導のもと、過去の全体主義から決別し、市場経済、民主主義及び法と正義の原則に基づく外交の実現に向けて改革が推進されています。G7諸国は、かかる改革努力に対して、先般の対日支援G7閣僚合同会合において、エリツィン大統領の指導のもとで推進されているロシアの改革を一致して支援していくとの姿勢を明らかにし、総額四百三十四億ドルに上る対日支援策を発表いたしました。
 さらに我が国は、G7の議長国として、エリツィン大統領を来る東京サミットに招待することを決定するとともに、G7閣僚合同会合に際して、新たに十八億二千万ドルという多額の新規支援策を発表いたしました。
 他方、我が国とロシアとの間には、未解決の北方領土問題という厳然たる事実の前に戦後四十七年が過ぎ、いまだに平和条約すら締結されていないという不自然な状態が続いております。昨日の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、武藤外務大臣から、七月の東京サミットでは領土問題は取り上げないとの発言があったそうですが、それは何ゆえなのでしょうか。多くの我が国国民の中には、昨年のエリツィン大統領の突然の訪日中止や領土問題に関する発言等により、依然として釈然としないものが残っていることも事実であります。
 政府は、従来、対ロ外交を進めるに当たって、領土問題において進展のない限り経済面における進展もないという意味で、政経不可分という基本的な考え方に従ってきたと承知をいたしております。これも昨日の沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、今後、政経不可分は表現として使わないと答弁されたと聞いていますが、政府は、このような考え方を変更したのでありましょうか。また、拡大均衡という考え方と政経不可分の考え方はいかなる関係にあるのでしょうか。総理の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、国連モザンビーク活動への我が国の要員派遣についてお伺いいたします。
 総理、昨今の世界情勢は、その対応について、総理の瞬時の判断、瞬時の判断がしばしば要求されます。総理の決断は極めて重いものでもあります。なぜなら、その決断は、まさにその国の将来を、あるいは運命を決定づけるものであるからであります。
 昨日、閣議において、ONUMOZへの要員の派遣に関する実施計画が決定されました。今回のモザンビークヘの要員派遣は、事前に政府調査団を派遣し現地の事情を調査させるなど、十分な検討を慎重に行った上で、平和協力本部長たる総理が政治判断として決定されたものと承知しておりますが、まず、決定に至るまでの総理の考えを率直にお聞かせいただきたいと思います。そして、我が国がONUMOZに参加する意義をどのように考えているのか、お伺いをいたしたいと思います。
 今回の実施計画の閣議決定を受けて、今後国連側とも調整しつつ、要員の派遣のための具体的な準備がさらに続けられるものと承知いたしておりますが、このような準備は十分に行われなければなりません。しかも、慎重に行われなければなりません。
 そこで、今後派遣までの具体的なスケジュールはどうなっているのか、そして我が国の要員の派遣時期はいつに、どのくらいになるのかについて御説明をお願いしたいと思います。
 他方、モザンビークは地理的に我が国よりはるか遠く離れており、マスコミ等を通じて入ってくる情報もカンボジアと比べて極めて少ないと考えられます。また、現地に大使館の実館がないことも承知をいたしております。
 そこで、モザンビーク政府、ONUMOZとの連絡、調整、関連情報の収集、派遣要員に対する支援等を行うために、現地の体制を整備する必要があると同時に、ジンバブエ、南アフリカ共和国や隣国等の協力も必要と考えますが、政府としては、現地の支援体制はどのようなものを考えているのか、御説明をいただきたいと思います。
 最後に、カンボジアのPKOに関する問題についてお伺いをいたします。
 カンボジアにおける永久的和平をパリ和平協定に基づいて実現する上で、総選挙、新憲法制定、新政府の樹立という重大な局面を迎えております。長年の戦乱に苦しんできたカンボジアの人々にとって、UNTACによる総選挙は、みずからの手でみずからの国家を再建するための第一歩であります。
 我が国もカンボジア和平実現のための国際的支援に積極的に関与してきましたが、これはカンボジアのみならず近隣諸国や世界じゅうから高い評価を受けてまいりました。私は、このことを喜ぶとともに、国際平和協力法を制定し、UNTACに要員を派遣できたことは極めて正しい選択であったと確信をいたします。
 今後、選挙妨害等も予想されますが、困難を乗り越えてカンボジアの将来のために引き続き積極的に貢献することが必要だと考えていますが、政府の決意を改めてお伺いいたします。
 しかし、先般、国連ボランティアの中田厚仁君がお亡くなりになるという事件があり、まことに悲しみにたえません。そして、この事件が今後PKO派遣に対しさまざまな問題を投げかけることは間違いありません。
 このような事態が再び起こることのないように、特に要員の安全対策の措置を図らなければならないことは重要な課題であります。今回新たに派遣される選挙要員を含め、UNTACの活動に従事されている皆さんの安全を確保するために、UNTACにおいてどのような具体策がとられようとしているのか、政府のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣宮澤喜一君登壇〕

発言情報

speech_id: 112605254X02419930428_013

発言者: 佐藤敬夫

speaker_id: 30433

日付: 1993-04-28

院: 衆議院

会議名: 本会議