中川昭一の発言 (予算委員会)
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○中川委員 おはようございます。
本日は、PKOの集中質疑ということで、今世界が注目し、また我が国でもマスコミでも大きく連日取り上げられておりますカンボジアの問題について質問いたします。
既に本委員会でも大いに議論されておるところでありますけれども、これだけ大きな関心を呼んでいるのは、私なりに整理をさせていただきますと、一つは、同じアジアの、しかも長い日本との関係を持つカンボジアが、十数年間にわたり悲惨な戦争、内乱あるいは殺りくというものの中から停戦が成立し、そして今復興に向けて、国連の暫定統治のもとで、みずからの意思でみずからの選挙を、そして政権をつくろうとしておるということを注目したいと思います。
そしてまた、それに対して我が国が貢献、協力をしておるわけでありますけれども、我が国にとりましては初めての新しい形の国際貢献、私は国際貢献という言葉を使わずに国際協力という言葉にさせていただきますけれども、新たな形の国際協力と人的協力を今カンボジアに対してやっておるということがやはり注目を呼ぶ大きなポイントだろうと思います。
そして、第三点には、大変残念なことでありますけれども、我が国の二人の邦人、UNVの中田さん、文民警察の高田さん、お二人を初め十数人の、このカンボジアの平和のために頑張っておられるとうとい人命が失われた。そしてまた、日本の四人の方を含め多くの方がけがを負われた。こういう事故、あるいは亡くなられた方々、大変残念なことである、こういうことの中で、このカンボジア問題について質問をさせていただきたいと思います。
私は、今までの議論のように、このいわゆるPKO法の何条何項にこれが当たるのか当たらないのかとか、あるいは計画や要領とこの実際とが合うのか合わないのかというような法制上の制約を前提にした議論ではなくて、初めて現実に行われておりますカンボジアにおけるPKO活動の現実というものを私は真正面からとらえながら議論を進めさせていただきたいと思います。
それでは、現在、まさに今行われておりますこの選挙、この選挙についてまず御質問をさせていただきます。
九一年の十月、パリ和平協定が調印され、昨年の三月十五日にUNTAC本部が設置をされて以来、大変な苦労の中で、いよいよ最大の大事なプロセス生言えます選挙がおとといから始まったわけであります。八百八十万カンボジア国民は、数十年間にわたる混乱や、親族あるいはまた親戚の大勢が殺されたというこの悲しい状況の中から、真の平和と民主化に対しての強い希望を持ってこの選挙を期待をしておるわけであります。現実に、三十五万人の難民の方々が本国に戻られるとか、あるいは九割以上の人々が選挙登録をされるとかあるいは復興後のことを期待をして一生懸命英語を勉強されるとか、そういうような、カンボジア国民にとって大変希望を与える選挙であるわけであります。
この選挙に当たりましては、幾つかの不安材料があったわけでありますけれども、今のところは非常に順調にいっておると新聞等で報道をされておるわけであります。特に、第一日目、第二日目と、新聞報道等によりますと、もう投票率が七割近くまでいっておる。九割以上の登録の中で、もう七割までいっているということになりますと、十八歳以上の、いわゆる有権者の六割以上の人が国民のみずからの意思表示をされたということでありますから、これはまさに、この選挙の正当性というものがまさしく裏打ちがされつつある、もうされたと言ってもいいのではないかというふうに思うわけであります。
しかし、今後、これからあと一日間の投票、残り三日間いわゆる移動投票というものが行われるわけでありまして、その中で、例えばこの移動投票における危険性の問題でありますとか、最終投票率がどのぐらいになるんだろうかとか、あるいは選挙に対する妨害、現実に二日間、多少の妨害があったようでありますけれども、こういう妨害の問題。あるいは各派の組み合わせ、どういう形の政権が獲得ができるんだろうかということによって、新しい政権がどういうふうになっていくのだろうか。あるいは、もう既に選挙をボイコットしておりますいわゆるクメール・ルージュ、ポル・ポト派がこの制憲議会の外にいるわけでありますから、この動向というものが、新聞等でもきょうもいろいろ報道されておりますけれども、逆に投票を指示したのではないかとか、あるいはいわゆるラナリット派と組むのではないかとか、いろいろ憶測を呼んでおるわけでありますけれども、こういう動向等を今後も、二十八日の投票終了まで注意深く見守っていかなければならないと思っております。
そういう中で、いずれにしても、二大勢力と言われておりますプノンペン政権それからラナリット派、そして政権の外にいるクメール・ルージュ、特にこのクメール・ルージュは過去において大変な恐怖政治をやってきた。自国民を百万人以上と言われているぐらいに虐殺をしておる。しかも、その思想の原点が、いわゆる毛沢東主義と言われる共産主義であるということが厳然としてある事実であります。プノンペン政権側は、これはベトナムの後押してできた政権でありまして、これもまた社会主義政権、世界でも今数少ない社会主義政権であるという現状。そしてまた、ラナリットさんのお父さんであるシアヌークさんという方は、果たしてどういう政治的スタンスを持っている人なんだろうか。果たして腰がきちっと定まって、国民のために一貫して頑張っていると言えるのだろうかという不安があるわけであります。
いずれにしましても、やっと国民の念願がかなって、公正で自由な選挙が今一応行われつつあるという状況の中でありますけれども、今後のカンボジアの政局については、まだまだ不安定要素あるいは不安があるというふうに私は認識をしておりますけれども、この現状について、外務省、そして今まで私が申し上げたこと、特にカンボジアの今後の行方について、現時点での総理の御所感をお伺いしたいと存じます。