中川昭一の発言 (予算委員会)

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○中川委員 ここで国連、UNTACとカンボジアの関係についてちょっと御質問をしたいのですけれども、いわゆるPKOというのは国連憲章上に出てきていない、戦後の冷戦構造の中でみんなの知恵ででき上がってきたいわゆる憲章六章半と言われておる、自然発生的にといいましょうか必然的に出てきた知恵の結果だと思います。これ自体はもう既に世界じゅうで、何十カ所で六十万人、七十万人という人が参加をして有効に機能をしている部分が多いわけでありますけれども、この国連そのものができ上がってからもう五十年近くたつ間に、当初の国連の想定していた事態と大きく世界は変わってきた。例えばこの国連憲章が署名されたのは戦争がまだ終局する前の時点でありますから、そういう体制の中で、現世界の情勢というものは、国連憲章、あるいは国連の基本的な当初の考え方と合わない部分が幾つか出てきたんじゃないかと思います。
 そういう中で、国連というのはネーションがユナイトされた組織でありますから、国単位の紛争、国際関係というものを調整して、世界平和を実現をしていこうという組織であるわけでありますけれども、そういう意味で、今までPKOはスエズの兵力引き離しですとか、あるいはイラク・クウエート間の、あの国対国のああいう行動を国連として制裁をするということをやってきたわけでありますけれども、最近、このカンボジアが一番典型的でありますけれども、国内に対して国連がいわゆる人道的な観点から介入をしていく。ソマリアとかモザンビークでもそうでありますけれども、特にこのカンボジアの場合には国内に介入をしていって、しかも暫定統治のもとで新しい国づくりまでしていく、自由で公正な国家をつくっていく、これは国連憲章上どうしても読むことができないのですね。むしろ係国連憲章二条でしたか、内政干渉をやっちゃいけませんよという条項はありますけれども、こういう場合には国内に干渉、介入してもいいのですよという発想は当時なかった。もちろん私はこれを、今のUNTACを否定するものではありませんけれども、このやり方が、ともすれば西欧主義的な民主主義をこのカンボジアで、今総理おっしゃったように、初めての民主的な選挙の上にぽんと民主的な、西欧的な選挙制度を持ってくるということに若干の不自然あるいは違和感、もっと言いますと、クメール民族にとって考え方が、我々が善意だと思ってやっていることも果たして向こうから見たらそういうふうに受け取ってもらえるだろうか。私は、中田さんの悲劇はそこに一つ原因があったという報道もあるわけでありますけれども、そういう、ともすればやっていることが相手から見れば受けとめ方が違うということにもなりかねないという危惧がある。
 そういう観点から、国内に介入をしていく、人道的に介入をしていくことと、国連の成り立ちあるいは現行の国連憲章との間にどうしても私にはずっと関連性というものが結びつかないわけでありますけれども、もちろん、繰り返しますけれども、やっていることについては我々は評価をし、応援をしていくわけでありますけれども、その辺は政府の解釈としてはどういう理屈づけでされておるのでしょうか。

発言情報

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発言者: 中川昭一

speaker_id: 18912

日付: 1993-05-25

院: 衆議院

会議名: 予算委員会