池田維の発言 (予算委員会)
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○池田政府委員 お答え申し上げます。
最初に、どうして武装解除ができなかったかという点でございますが、昨日のこの予算委員会の場でも幾つかの御論議がございましたけれども、やはりポル・ポト派を含めて四派が武装解除を行うという本来のパリ協定の規定どおりに行おうという決意は、ポル・ポト派を除きますカンボジア各派、それから主要関係国すべてにあったわけでございますけれども、ただ残念ながら、ポル・ポト派は特に三つの理由を挙げてそれができないということを言ったわけでございます。
一つは、SNCの権限が強くないということでありますし、もう一つは、プノンペン政権の五つの省庁に対する監督が必ずしも十分でない、三つ目は、ベトナム軍が存在するということでございました。しかし、この三つの条件のうち、特に二つの条件につきましては、国際社会は、もしそれがパリ協定の枠内で解決できるのであれば妥協点があり得るのではないかということで全力を挙げて対処したわけでございまして、その間に、日本もタイと一緒になりましてポル・ポト派のキュー・サムファン議長と会談を行いました。私も四回のうち三回に参加いたしました。ただ残念ながら、特にベトナムの問題があったためにこの問題は具体的な成果を見なかったわけであります。これはベトナム軍の存在というものをいかに検証するかという関係にかかわっているわけでございますけれども、ベトナム軍がいるかどうかということは、UNTACが最終的に決定すべき権限を持っております。今までのところ、UNTACがベトナム軍が存在したといって実証して挙げた例は八人でございます。このことを見ましても、ポル・ポト派の主張にはそれを裏づける根拠はないということは申し上げていいと思います。それは国際的にそういうように認められたわけでございます。
したがいまして、我々としては、パリ和平協定が当初考えていたような理想の形とは違うということはございましたけれども、やはりカンボジアの多数の国民が、これだけ長い間戦争で荒廃し、しかも和平を本当に心から待ち望んでいるという現状を踏まえましたときに、一つの派の主張のみによってすべての和平のプロセスをおくらせることはできないということでございまして、これはカンボジアのポル・ポト派を除く各派の指導者、それから主要関係国、UNTAC、すべてが結論を出しまして、ポル・ポト派に対しては門戸はあけておくけれども選挙は行う、そうしてその選挙を行うことをことしの一月に北京で決めたわけでございまして、このときにはポル・ポト派もこれについては異論を唱えなかったという状況がございます。
それから次に、SNCがどのような状況であったかという御質問でございますが、このSNCといいますのは、カンボジアの四派が構成するメンバーでございまして、これがパリ和平協定上は主権の源泉でございますけれども、このSNCは十二人のメンバーのうち六人がプノンペン政権の側、それからあとの六人が三派側から二人ずつというようになっているわけでございまして、常にカンボジアの和平の重要なプロセスにおきましては、SNCが会合を開いてその都度決定を下してきたというわけでございます。そうして、国際社会はこのSNCの決めたことを認知していくという格好をとってきております。
それから三番目に、このSNCと協力関係に立っ主要関係国の動きでございますが、これは先ほども申し上げました。大臣からもお話がございましたとおり、日本といたしましては、この主要関係国のうちの一つとして、パリ和平協定が結ばれますずっと前からこのカンボジアの和平のために外交的努力を払ってきたわけでございまして、その一つの日本の努力の大きな結果というのが九〇年の六月の東京で開かれたカンボジア和平に関する閣僚会議でございます。今問題になっておりますこのSNCのメンバーの構成をどうするかということを決めましたのは、実はこの東京の会議であったわけでございまして、このときも実は日本政府がカンボジアの各派と十分に協議をしながら今のSNCの構成を決める案を提出したわけでございまして、そうしてこれが結局カンボジア各派、それから世界の主要国によって受け入れられたということがございます。
その他につきましては、その後も節目節目に関係国は集まってカンボジア和平のために努力してきておりますし、日本としてもその中でできるだけの努力をしてきたし、今後とも続けていきたいと考えているわけでございます。