上山和人の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○上山和人君 私は日本社会党・護憲民主連合の上山和人でございます。鹿児島選挙区から御選出いただきました一年生でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私は、ただいま議題となりました国の補助金等の整理及び合理化等に関する法律案につきまして、日本社会党・護憲民主連合を代表して御質問いたします。
 本法律案は補助金一括法案とも言われておりまして、三十四本の法律が一くくりにされているのでございます。今、趣旨御説明がございましたけれども、公共事業等の補助金の補助率の恒久化、そして義務教育費国庫負担金の一部一般財源化及び公的保険における事務費の一般会計からの繰り入れ停止を内容とするものでありまして、全く性格を異にする異質の法律が改正案として一括されております上に、先ほど申し上げましたように三十四本もの法律が一くくりにされているのでございます。
 補助率が昭和五十七年度から十一年間にもわたって暫定措置が続いていることを考えますと、補助率が恒久化されることは、国と地方公共団体との財政関係を安定させるものとして一定の評価をすることができるものであります。しかしながら、補助率を恒久化するに当たっては、事務事業の機能分担、施策の効率性等の観点からも十分検討されなければならないことであります。にもかかわらず、各事業法が個別に改正案として提案されないで、別個に一括して提案されていることは大変遺憾でありまして、国会審議のあり方の面でも大きな問題ではないでしょうか。
 しかも、同じように補助率の改正を含んでいる道路整備緊急措置法や奥地等産業開発道路整備臨時措置法改正案は別個に提案され、この一括法案に盛り込まれていないのでございまして、法律案
の取り扱いが著しく均衡を欠き、一貫性を欠いているのでございます。この法律案の提案の仕方について、総理に、国会審議のあり方との関係で納得のいく御説明をお願いしたいのでございます。
 第二の問題は、公共事業等の補助金の補助率に対する政府の考え方についてお尋ねいたしたいのでございます。
 国の直轄事業の補助率は三分の二、補助事業の補助率は二分の一を基本として恒久化されようといたしておりますが、それぞれ、三分の二、二分の一の根拠を明らかにしていただきたいのでございます。
 直轄事業は、国の責任において国民のナショナルミニマムを保障するためのものでありますから、基本的には地方公共団体に負担を強いてはならないものだと思うのであります。補助金は一定程度の行政水準の維持と特定施策の奨励等のためにあるものでありますけれども、一方では、細部にわたる国の過剰な干渉により陳情行政等の弊害を招いていることや、地方公共団体において補助金待ちの姿勢を生み自主性が阻害されていることなどの問題が指摘されているのであります。
 しかも、補助金等の見直しは行政領域の見直しになるのでありますから、補助率を恒久化するに当たりましては国と地方公共団体との間で十分協議が進められるべきものと思うのでありますが、それらの協議がどのように進められたかについてもお尋ねいたしたいのでございます。
 さらに、類似目的の補助金等については、国の縦割り行政の弊害を取り除いて資金の効率的な使用と地方公共団体における総合的な運用が図られるように、統合・メニュー化をさらに進めなければならないと思うのでございますが、その点についてどのようにお考えか。
 以上、第二の問題につきましては自治大臣と大蔵大臣にお答えいただきたいのでございます。
 第三の問題は、地方公共団体の負担増の問題でございます。
 本法律案が成立し施行されることになりますと、これに伴い地方公共団体の負担増は、昭和五十九年度水準に比較すると約六千九百億円程度に達するとされているのでございます。平成五年度においてはこの負担の増加分については公共事業等臨時特例債で充当し、自後、元利償還金を地方交付税で手当てすることとなっております。これでは補助金の交付税化にほかならないと思うのでございます。
 問題は、補助金が地方交付税に振りかえられたときにそれに見合う地方財源が確保されるかどうかにあると思うのでございます。このための地方財源の確保がほとんどゼロに等しいことが大きな問題ではないでしょうか。これまでも同じような措置がとられてまいりましたので、長い間のこれらの措置によりまして地方交付税には大きな食い込みが生じているのではないかと思うのであります。これらの措置分については、当然、国が責任を持って国の財源で手当てが行われるべきものと思うのでありますが、どのようにお考えか、これも自治大臣と大蔵大臣にお答えいただきたいのでございます。
 第四に、国の地方財政対策についてお尋ねいたしたいのでございます。
 国の地方財政対策を見ておりますと、地方公共団体は財政に余裕があるとの認識にお立ちになっているように思えてならないのでありますけれども、果たしてそういう状態でしょうか。今、政府の経済情勢の判断ミスによりまして深刻な不況が長引いております。景気回復のために、今回、国は地方公共団体に前年度比一二%増の過大な単独事業を割り当て、その財源は地方債の増発にゆだねているのであります。しかも、地方債の依存度を見ると、平成四年度六・九%から平成五年度は八・一%にもなるような借金体質を国は地方公共団体に強要しているのでございます。
 申し上げるまでもありませんが、これから地方公共団体にとりましては、高齢化社会に対応する地域福祉システムの整備など多くの問題を抱えておりまして、財政負担はますます重くなる一方だと思うのであります。そういう状態の中で、景気浮揚のために、国の負担は少なくし地方に負担を転嫁しながら公共事業の事業量を確保するといった手法などは厳に戒められなければならないのではないでしょうか。
 特に、地方公共団体においては補助対象や補助単価が実態に合わないことにより多大な超過負担を強いられ、それが地方財政を圧迫する大きな要因になっていることは広く知られていることであります。例えば、平成四年度の指定都市における小中学校校舎建設費、保育所の建設費、ごみ処理施設の整備費など、主な補助対象事業だけでも事業費総額は二千七百四十七億円に上っているのであります。そのうち実に六百二十四億円が超過負担になっているのであります。超過負担の実態を関係省庁を交えて調査し、超過負担の完全解消に努めるべきだと思うのでありますが、その点についてどのようにお考えか、これも自治大臣と大蔵大臣からお答えいただきたいのでございます。
 五番目に、義務教育費国庫負担金のうち共済費追加費用等の一般財源化について、簡単にお尋ねいたします。
 共済費追加費用等については、平成四年度の改正において、平成四年度から六年度まで三年間にわたって段階的に一般財源化することとされておりましたけれども、今回の改正案では一年前倒しをして、平成五年度から全額地方公共団体の負担とすることになっております。なぜそのように変更されたのか、その理由をお尋ねいたしたいのでございます。
 最後に、以上、私は、本法律案が内包する多くの諸問題を見ながら、国と地方公共団体との関係を改革することなしに政治改革を実現することはできないという認識を一層強くさせられているのであります。
 今、古くて新しいテーマになっております地方分権の必要性は、政界だけでなくて各界で叫ばれているのであります。私たち日本社会党も、昨年の夏、地方分権推進法を提唱し、国の行政は根幹行政に限定して、住民生活にかかわる行政は地方公共団体で行うことを主軸にした考えをお示しいたしております。これは、財政の効率性や行政における地域性などを重視して、住民福祉を向上することを目的にしているものであります。
 同時にまた、ロッキード、リクルート、共和、佐川など一連の汚職事件は権限が中央に集中し政官財癒着を生んでいることから発生していることにかんがみ、政治と金の関係を断ち切るためには、利権構造を持つ中央集権体制を改めて地方公共団体に権限を委譲する必要があると考えている
からであります。もともと、政治改革は、単に選挙制度や政治資金規制の改革で済むものではなく、政官財癒着の分断の手だても含めて広い視野で断行されるべきものであると思うのであります。
 総理は、施政方針演説に対する我が党の質問にお答えになって、現在国民の政治不信はかつて経験したことのない深刻なものであるとお答えになっていらっしゃいます。どうぞこれから、政治改革を展望して、新たに地方分権のために精いっぱい強力な指導性を発揮されますように心から総理に要請しつつ、この点に関する総理の御見解をお伺いし、私の御質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 112615254X00519930301_006

発言者: 上山和人

speaker_id: 29673

日付: 1993-03-01

院: 参議院

会議名: 本会議