西山登紀子の発言 (本会議)

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○西山登紀子君 私は、日本共産党を代表して、九三年度予算案に反対の討論を行います。
 佐川・暴力団事件に続いて、金丸巨額脱税事件が判明し、今国民の怒りは頂点に達しています。しかも、金丸脱税の原資の主役が、みずからが自民党政権の中枢として強力に推進してきた大型プロジェクトと、その事業で大もうけを保証された大企業のやみ献金であったことが日々明らかにされつつあります。全く言語道断であり、許すことができません。
 言うまでもなく、政府予算案は宮澤自民党政権の推進する政策を財政的に裏づけるものであり、今日明らかになりつつある政官財の醜悪な金権腐敗体質に徹底的にメスを入れることなく、大企業中心の施策を推進し、その予算化を図ることは国民の立場から絶対に許せません。日本共産党は、事件の幕引きを図り、問題を選挙制度の改革、しかも単純小選挙区制にすりかえようとする自民党政権の策動を許さず、引き続き真相究明に取り組み、企業団体献金の禁止、議員定数の抜本是正のため全力を尽くすことをまず表明いたします。
 政府提出の九三年度予算案に反対する第一の理由は、深刻な不況の影響から中小企業や勤労者とその家族、そして国民の暮らしを守るための抜本的な対策がとられていないことです。
 不況対策で重要なのは、従来型の大企業を優遇し国民におこぼれという発想を大胆に切りかえ、不況で深刻な影響を受けている圧倒的多数の国民に対して直接救済の手を差し伸べることです。しかし、政府は、日本経済の土台を担う中小企業に対して、関連予算は前年度より削減し、一般会計に占める割合を〇・二七%と過去最低の水準に抑えています。我が党は、中小企業対策費を倍加すること、中小企業向け低利融資を増額すること、国民生活密着の公共投資をふやして中小企業向け官公需の発注をふやすことなど、抜本的な対策を強く要求いたします。
 政府は減税の要求も無視し続けています。消費税の廃止に耳をかさないばかりか、自民党も一度は公約した消費税の食料品非課税についてさえ実現しようとしません。国民の懐を豊かにするためには、我が党が既に要求した二兆円規模の所得税、住民税の減税を赤字国債の発行抜きで行うことがますます必要になっています。
 不況を口実にした大企業の横暴はまた目に余るものがあります。実質九千人の首切りを行う日産座間工場の閉鎖計画は、労働者はもちろん、地元自治体や地域経済に深刻な打撃を与えるものです。政府が経済構造調整の名のもとに大企業の海外進出を助け、製品輸入促進税制の延長など大企業優遇の税制を温存している責任は重大です。
 反対の第二の理由は、政府が生活大国を看板にしながら臨調行革路線に基づいて福祉、教育予算を本格的に切り捨て、地方への負担を増大していることです。
 四年連続して生活保護費を減らし、保健所の保健婦、薬剤師の人件費や自治体立の看護婦養成所への国庫負担を削減しています。国民健康保険でも、低所得者保険料軽減分などの国庫負担を削減しました。政府は、国保が高くて払えないとの国民の声に耳を傾け.国庫負担率をもとに戻すなど責任ある対策を講ずるべきです。
 また、高い教育費に苦しむ学生とその父母の願いを無視して国立大学の入学金と授業料を九四年度から値上げすることを決め、私学に対しても国庫負担を実質削減することなどは、私学助成を求める父母や教職員の願いを踏みにじるものであり認めるわけにはまいりません。
 また、子育て支援を強化すると言いながら児童手当を百五十一億円も減額し、保育所、学童保育対策も、女性の社会進出と安心して子供を産み育てる環境づくりからはほど遠い内容となっています。
 米輸入自由化を目指した農業新政策が強行されるなら、九割以上の中小農家で営農が困難になります。農業つぶしの新政策を撤回し、米自由化反対を断固貫くべきです。
 反対の第三の理由は、世界の緊張緩和が大きく進み、日本国憲法の平和条項が世界の平和と軍縮にとって大きく貢献する新しい情勢が開けているにもかかわらず、政府はこの世界の流れに逆行して、依然として軍事費の拡大を図っていることです。
 中期防衛力整備計画を修正したと言いますが、今後三年間、毎年二%以上の軍備拡大の計画に衣がえしたにすぎません。また、首都圏を含め百五十以上の米軍基地は、世界の大勢とは逆に基地機能を強化しています。この世界戦略を支えるための在日米軍への思いやり予算が一五%増となっております。大型輸送艦船や一機五百七十億円を超えるAWACSなどの最新鋭兵器が増強されているのは、世界平和に逆行するものと言わざるを得ません。我が党は、軍事費の大幅削減を要求いたします。
 また、ODA予算も大企業の進出にあわせてアメリカの世界戦略を支える性格が濃厚であり、食糧援助や生活基盤整備など世界の平和と開発途上国の経済的自立に役立つ方向に転換されるべきです。
 憲法にもPKO法にも違反する自衛隊のカンボジア派兵部隊の即時撤収とあわせて、モザンビークヘの派兵拡大をしないことを強く要求するものです。
 最後に、本予算案審議についてです。
 予算委員会での実質審議はわずか十日間でした。これは、自然成立のときを除けば国会史上で二番目に短い審議時間であり、政府・自民党がロッキード事件の真相究明を妨害し衆参で長期間にわたり予算審議が空転したロッキード国会に次ぐものです。国民の期待に背き、参議院での予算審議権のじゅうりんとも言うべきこのような事態を招いた原因は、何としても証人喚問を避けるために一週間にわたって審議拒否を続けた自民党と遠藤予算委員長の責任であることを、この際厳しく指摘するものです。
 日本共産党は、国民本位の不況対策の実現、国民の福祉と暮らしの充実、金権疑惑の解明と企業献金の禁止、憲法の改悪阻止のために引き続き奮闘する決意を述べて、反対討論を終わります。(拍手)

発言情報

speech_id: 112615254X00819930331_012

発言者: 西山登紀子

speaker_id: 7729

日付: 1993-03-31

院: 参議院

会議名: 本会議