森喜朗の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(森喜朗君) 現下の経済動向をどういうふうに見ておるのかということについて、先ほど経企庁長官からお話がございました。ちょうど私がアメリカに船田長官とともに行っておりましたときに、帰った日の朝刊でございましたか新聞に底入れ宣言というのが出ておりまして、ファクスで見てびっくりしたわけでございます。
一つには、やはりそういう、次第次第にいい方向に行っておりますよ、経済というのは産業社会におきます一つの心理的なものが非常に大きいわけでございますからそういう方向を示唆するということは大事かと思いますが、現実はもう少し要注意をした方がいいというふうに私は実は見ております。前もこの委員会で申し上げたと思いますが、二月、三月というのはどうしても決算対策ということでいろんな数字がよく出てまいりますけれども、四月、五月になりますと、またこれは反動で必ず下がってまいります。確かに在庫調整は進展はいたしております。普通、在庫調整が進展しておりますと当然生産活動の動きが出てこなければいけないわけでありますが、そこのところがいま一つというのが正直なところでございまして、そこがいろんな原因があるんだろう。
先ほど申し上げました心理的なものもございますが、もう一つは、今松浦委員御指摘ございました円高の問題が非常にやはり企業に対する心理的なものを与えているのではないかというふうに私ども見ておりまして、確かに一部に回復の兆しを示す動きが徐々にあらわれてきておりますものの、基調としてはまだ予断を許さない状況にある、このように見ております。
このような状況の中で今回のような円高が進むということは輸出関連企業の円ベースでの手取り収入を減少させますし、収益の悪化を招くだけでございませんで、いわゆるすそ野の広い加工組み立て産業を通じまして直接的に円高に関係のない産業までにもやはり悪影響を及ぼしてくるということになりますので、国内景気を冷やしていくのではないかということが私どものやはり懸念材料でございます。
今回、主要企業を対象に円高に関する調査をいたしてみますと、今回の円高が企業経営に与える影響については、約五割の企業は経営が苦しくなるというふうに回答をいたしております。特に輸出比率の高い自動車、電機等の業種では影響が深刻である、このように見ているわけです。また、特に影響はないとした企業は約三割ほどございますが、しかし、そのうちのまた約四割は為替リスクをヘッジしていることを理由として挙げているためでございまして、円高がさらに継続していった場合にはこれらの企業の収益にもやはり影響を及ぼすということが予想されるわけでございます。
円高が及ぼすこのような悪影響に対しましては、先ほど総理御答弁ございましたように、内需拡大を図って国内景気の早期回復を図るということは、これは総理のお言葉をかりると、王道とおっしゃったと思いますが、まさに私は基本的にはそこだろう、こう思っておりまして、そういう面で、今般の新総合経済対策の早期実施を通じまして景気の一日も早い回復が実現されることを期待いたしておりますし、こうして予算委員会の諸先生方に今回の補正予算の早期成立をぜひ私からもお願いを申し上げたい、このように思う次第であります。
なお、今回の経済対策におきましては、最近の急激な円高により影響を受けております中小企業者に特に配慮いたしまして、都道府県と国が協力しまして実施しておりますいわゆる緊急経営支援貸付制度を拡充いたしました。最近の円高による輸出減等の影響を受けて経営に不安定が生じております中小企業者に対する特別枠を実は創設しておりまして、これが今御審議をいただいておりますこの予算の中にも組み込まれておりますので、ぜひ一日も早いひとつ御可決をお願いしたいと重ねてお願いを申し上げる次第でございます。