山本正和の発言 (平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会)

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○山本正和君 参議院側が平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件を賛成少数で否決した議決の趣旨を申し上げます。
 否決の第一の理由は、所得税の減税について、平成四年度補正予算の参議院通過の委員長報告で要請されており、さらに五年度当初予算の委員会審査のまとめとして、同趣旨の委員長見解が最終段階で述べられております。
 国権の最高機関の一院である参議院における所得税減税の要請を政府は真摯かつ重く受けとめい最優先の政策課題として実行すべきで、三権分立に立つ議会制民主主義の原点でもあります。
 本予算では所得税減税が実施されず、政治の原点すら忘れられていることであります。
 政府は景気の回復を強調しておりますが、雇用情勢や個人消費等は一層悪化の傾向にあり、景気の先行きは予断を許しません。加えで、急激な円高は天井知らずで、景気回復の大きな障害となって立ちはだかってきております。
 こうした状況のもとで、景気回復と国民生活に即効性のある所得税減税は不可欠であり、かつ、勤労所得税偏重の税収構造を是正する意味でも避けて通れません。
 さきの当初予算審議の段階で、野党側の所得税減税要求に対し、梶山自民党幹事長は誠意を持って前向きに検討すると言明されましたが、その約束は全く放置されており、到底賛成できません。
 否決の第二の理由は、史上最大規模をうたう総合経済対策を実施する本補正の公共事業費が、生活の質的充実とは裏腹に、その配分が相変わらず固定化されていることであります。
 十三兆二千億円の総合経済対策実施の中心的役割を担う一般公共事業関係費は、本予算で一兆二千億円の追加が行われておりますが、生活の質的向上に配慮したとの政府の説明にもかかわらず、事業別、省庁別の配分比率はほとんど変化が見られません。
 とりわけ住宅や下水道、環境整備などの生活関連社会資本整備の事業費の割合は当初予算の配分比率に比べ○・二%の変化にとどまっており、従来型の道路、港湾といった大規模公共事業優先の配分構造は改められでおりません。
 これでは、宮澤内閣の生活大国づくりに疑問を覚えざるを得ず、反対せざるを得ません。
 否決の第三の理由は、財政法第二十九条の補正予算編成要件から遊離した政策経費中心の追加補正となっており、政府の補正予算編成が恣意的に過ぎることであります。
 財政法第二十九条は、予算編成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の追加及び追加以外の経費の変更を補正予算の編成要件として明定しておりますが、今回の補正は、当初予算の執行が本格化しない第一・四半期内での公共事業の大型追加補正であり、補正予算編成要件から問題なしといたしません。既に当初予算審議段階において景気への力不足の指摘がなされたように、本来、当初予算の修正で対応すべきものであります。
 また、本補正では、概算要求基準によって当初予算の計上から外れた政策経費を補正予算において優先計上する面が見受けられるなど、補正予算編成における政府の恣意的な財政運営は看過できず、賛成できません。
 このほか否決の理由は広範多岐にわたりますが、両院協議会としましては、参議院側が指摘した平成五年度補正予算三案に反対する諸事項を除去することによって、平成五年度補正予算三案が成立できるよう、御協力、御賛同いただきたくお願い申し上げる次第であります。
 以上であります。

発言情報

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発言者: 山本正和

speaker_id: 17315

日付: 1993-06-08

院: 両院

会議名: 平成五年度一般会計補正予算(第1号)外二件両院協議会