葉梨信行の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○葉梨委員 政治改革の論議が大分進んでまいりましたが、私は、今まで前国会における政治改革の議論、そしてまた今回皆様が展開していらっしゃる議論を伺いながら、自分なりの考え方を少し申し上げてみたいと思います。
 発端はリクルート事件でございました。そして、それに対します自民党の対応、野党の皆さんの対応、そしてまた選挙制度第八次審議会の発足、結論、答申が出まして、そして海部内閣のときに法案が出ましたが廃案になり、またさきの通常国会末期におきまして、宮澤内閣時代に二度の提案がされましたが、これも廃案になった。こういう状況を経て今日に至っているわけでございます。
 政治腐敗に対して、いかに政治の側が対応して改革を行っていくかということであろうと思います。一つは、政治腐敗を除去する方法は一体何だろうか、あるいは抑制する方法は何であろうか。もう一つは、この二十一世紀を控えまして転換期にあります国際情勢、それから国内の社会経済情勢に適切に対応できるような政治のリーダーシップを回復しなければいけない、こういう要請があるわけでございます。
 そこで、今までの議論の中で、私なりに幾つか考えていることを申し上げたいと思います。
 議論の中で、一つは、長期政権は腐敗する、だから政権交代をしなければならない、こういう議論がございました。これにつきましては、歴史をひもといてみますと、イギリスなどでは政権交代がしばしば行われましたけれども、頻繁に腐敗行為が行われた。スウェーデンにおきましては、今世紀に入りましてからですが、三十年近く長期にわたりまして腐敗行為が出現しなかった、こういうようなことで、長短に関係がない、こういうことが言えると思います。
 第二には、この関連から申しまして、中選挙区制を我が国は現在とっておりますけれども、政権交代が不可能である、だから中選挙区制を改めることが必要である、こういう御意見がございました。これは、今度の総選挙後の国会におきまして細川内閣が出現しまして、実際問題として中選挙区制でも政権交代が行われるということが実証されたわけでございます。
 我が党が長く政権をお預かりしてまいりました。これが腐敗のもとであるとかあるいは何かけしからぬことであるというような、一部に御批判もございますけれども、私は、これは与党と野党があって国会が機能するわけで、野党、とりわけ、恐縮でございますけれども、第一党であります社会党が長く非現実的な政策を掲げ続けてこられたということ、有権者にとりましては自民党にかわる選択肢がなかったということ、これが長期政権が続いた一つの原因であろうと思います。
 西ドイツでは社会民主党が、皆様御存じのように一九五〇年代にマルクス主義からの脱却をいたしまして、政策を現実化し、また大連合というのを組んで現実政党として再生をいたしました。そういうことがあれば自民党も長期に存続することはできなかったであろう、とっくに下野して政権交代が行われていたであろうと思うのでございます。
 そういうことで、自民党長期政権が存続した、だから政治腐敗が頻発したということは、全然関係がないとは申しませんけれども、まあ必ずしもそうではないのではないだろうか。とすれば、中選挙区制をそのために廃止せよという議論は、これは保留せざるを得ないのではないかと思うのでございます。
 第三には、中選挙区制が同一選挙区内で、野党との戦いはもちろん行っておりますけれども、同一政党内の競争、いわゆる同士打ちが起こりまして、金権選挙に走る誘因となっている、そこで小選挙区制にすれば金のかからぬ選挙制度が実現する、こういうことが言われておるわけでございます。個人の争いでなくて、小選挙区制は定員一名でございますから、各党から公認候補が出まして政党間の政策による争いになる、今の金権選挙から出てくるいろいろな弊害は除かれる、こういうテーゼでございます。
 私は、これは二つ誤りがあると思います。
 一つは、現実にアメリカ、韓国などは小選挙区制でございますが、政策論争も活発なわけではないし、同一政党の同士打ちもある程度ございます。ただ私ども、それじゃ全く今の中選挙区制度で同一政党内の同僚議員と、あるいは新人との行き過ぎた競争がないかといえば、これはあるわけでございまして、これについてはできるだけ抑制的に、政策によって競争をする、それぞれの議員の得意とする分野で選挙民に訴え、また選挙民に実績を報告して、そして評価をしてもらうというような、そういう改革が必要であろうと思うのでございます。
 ただ、行き過ぎた競争、同士打ちということにつきましては、公職選挙法ではこれはどういう取り扱いになっているか。自治省ちょっと、大臣ですか、同士打ちについて公選法ではこれをどう取り扱っているか、御見解をちょっと伺いたいと思います。

発言情報

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発言者: 葉梨信行

speaker_id: 14748

日付: 1993-10-27

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会