前田武志の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)
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○前田委員 山梨県及び長野県に派遣された委員を代表して、私から概要を御報告申し上げます。
派遣委員は、北川正恭君、白川勝彦君、中川秀直君、額賀福志郎君、大畠章宏君、太田昭宏君、前原誠司君と私、前田武志の八名でありました。このほか、山梨県においては堀内光雄議員、長野県においては若林正俊議員が現地参加されました。
山梨県における会議は、十一月十日午後一時より甲府市内の甲府富士屋ホテルにおいて開催いたしました。まず私からあいさつ、会議運営の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介を行い、次いで意見陳述者から意見を聞き、その後これに対する各委員からの質疑が行われました。
意見陳述者は、山梨県労働者福祉協会会長大木敏夫君、八田村村長齋藤公夫君、山梨学院大学法学部教授茂野隆晴君、山梨県議会議員白倉政司君、公認会計士風間徹君及び元山梨県立日川高等学校校長齋藤左文吾君の六名でありました。
意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
まず、大木敏夫君からは、政治改革は単に制度を改革するだけで実現できるのではなく、政治倫理の確立と国民のモラルの向上が優先されなければならないが、政治改革関連法案が早急に成立し、真の政治改革が前進することを強く願うとともに、選挙の実態が直ちに政党・政策本位とならないことが考えられるので投票の方法は二票制が妥当であること、一票の格差は一対二未満を実現するよう努力すること、企業・団体献金は早期に廃止の方向に向かうこと等の意見が述べられました。
次に、齋藤公夫君からは、政治改革の実現はすべての国民が期待を寄せていると指摘しつつ、衆議院議員の総定数は公職選挙法本則の四百七十一に戻すことが適正であり、政権の選択や各地域の代表の選出等の観点から選挙制度については自民党案に賛成、戸別訪問の解禁は不正行為が行われやすく実質的公平が害されやすいので反対、政治資金については、政府案は国会議員が優遇され地方議員等が軽視される不公平な制度となっているので賛成できないとの意見が述べられました。
茂野隆晴君からは、政治改革関連法案を早急に処理し、不況の克服等当面する政治課題に本腰を入れるべきだと指摘しつつ、並立制の導入により政党は有能な人材の発掘の努力をすること、政治改革関連法案の成立のためには与野党の歩み寄り以外にはないこと、総定数五百は諸外国と比べても多くはないこと、比例代表選挙の区域はブロック単位が適当であること、戸別訪問の解禁により政治への親しみが倍加すると考えられること、選挙権年齢の十八歳以上への引き下げを検討すること、政治資金について無所属の地方議員等への配慮が必要であること等の意見が述べられました。
白倉政司君からは、政治改革を早急に実現すべきだという立場に立って、衆議院議員の選挙は政権選択の選挙であるので小選挙区定数の比率を高めて民意の集約を図るべきであること、比例代表選挙の区域は有権者に身近な都道府県単位とすること、政治資金と政党助成について政府案では地方議員等の政治資金について配慮されていないこと、透明性の向上や罰則の強化等のもとに企業・団体献金を一定の限度で認めるべきであること、地方公聴会で述べられた意見が国会での論議に大きく反映されることを期待すること等の意見が述べられました。
風間徹君からは、衆議院議員の総定数については政治コストの圧縮の観点から四百七十一が望ましいこと、比例代表選挙の区域は全国、投票の方法は二票制、戸別訪問は買収等への厳罰を前提として解禁に賛成、いずれにせよ政治改革関連法案の早期成立と施行を念願するとの意見が述べられました。
最後に齋藤左文吾君からは、並立制を導入することを前提として、衆議院議員の総定数は公職選挙法本則の四百七十一、小選挙区にウエートを置くべきであること、比例代表選挙の区域は参議院とは異なる都道府県単位、投票の方法は一票制、戸別訪問の解禁には反対、政治資金については企業・団体も法人格を有しており適正な政治活動は認められるべきであること、政党助成はできる限り低く抑えるべきであること等の意見が述べられました。
次いで、各委員から、小選挙区の区割りにおける格差、贈答文化と言われる我が国における有権者の意識改革、衆議院と参議院との関係、選挙制度改革と地方分権、小選挙区における戸別訪問の解禁の意味、中選挙区制に対する国民の認識、企業・団体献金についての考え方、政党交付金の使途の報告、地方議員等の政治資金の確保など多岐にわたる質疑が行われました。
次に、長野県における会議は、十一月十一日午前九時三十分より長野市内の長野ロイヤルホテルにおいて開催いたしました。会議の次第は、山梨県における会議の次第と同様であります。
意見陳述者は、日本労働組合総連合会長野県連合会長松田章一君、長野県議会議員清水重幸君、上田商工会議所会頭・全国青果卸売市場協会会長堀謙三君、長野市議会議員鈴木清君、農業小林信夫君及び長野県中小企業団体中央会会長和田守也君の六名でありました。
意見陳述者の意見について、簡単にその要旨を御報告申し上げます。
まず、松田章一君からは、政権交代可能な選挙制度と腐敗防止の徹底は国民の声であり、今国会で政治改革関連法案の一括成立を図り、景気回復の審議に入るべきだと指摘しつつ、選挙制度については民意を反映する比例代表制を基本とする制度が望ましいとの立場から政府案に賛成、戸別訪問の解禁には賛成、企業・団体献金は早期に禁止すべきであること、公的助成については政府案も自民党案もともに地方議員等への提起がないが、選挙公営の拡大と公的助成を図るべきであること、国民の信頼回復への政党の自己努力が必要であること等の意見が述べられました。
次に、清水重幸君からは、選挙制度は候補者の顔が見えて民意を集約する点で小選挙区制がよいとの認識のもとに、並立制を採用するに当たっては、自民党案に賛成するとともに、政治資金及び政党助成については、無所属の者の多い地方議員等の政治活動に要する資金への配慮がされていないこと、戸別訪問の解禁は新しい選挙制度の定着を見て検討すべき課題であること、与野党とも譲るべきは譲ってこの問題に決着をつけ、景気対策等に取り組むべきであること等の意見が述べられました。
堀謙三君からは、政治改革関連法案は与野党ともに歩み寄って今国会で一括成立を見るべきだと指摘しつつ、衆議院議員の総定数は五百、定数配分はこだわらない、比例代表選挙の区域は全国あるいはブロック、投票の方法は二票制、小選挙区画定委員会は総理府に設置すべきである、戸別訪問は現時点では解禁せず小選挙区になれた時点で自由化、政党助成は民主主義を守るためのコストとして賛成、企業・団体献金は透明性を高めた上で現行どおりとし、五年後に見直すこと等の意見が述べられました。
鈴木清君からは、政治改革についての国民各層の声を取り入れることを考えるべきだと指摘しつつ、中選挙区制と比較して、小選挙区制における候補者選定手続や議員活動が地域エゴに振り回されるおそれ等の問題があるのではないか、政治資金については企業献金が政党に一元化されて大多数の地方議員は全く顧みられない、さらに政党助成では無所属議員や地方議員等について全く配慮されていない等の意見が述べられました。
小林信夫君からは、今日の政治不信の事態は国民と政治家の双方で解決しなければならない問題であると指摘しつつ、政治改革の最後のチャンスであり、政治改革関連法案は話し合いの上年内に成立させて、その他の内外に山積する諸課題に着手すべきであること、並立制の特徴を生かすためにはそれぞれの制度に投票する二票制が望ましいこと、戸別訪問はルールにのっとったものならよいのではないか、政党助成の使途については透明性を確保すること、政治不信の払拭は、制度がすべてでなく、国民と政治家が断固とした決意で政治理念を守ることが必要であること等の意見が述べられました。
最後に、和田守也君からは、地方公聴会の意義について指摘するとともに、安定した政策遂行能力を備えた政権の確立と、国民の信頼にこたえ得る政治の実現のためには小選挙区制に比例代表制を加味した並立制の導入が必要であり、このような観点から自民党案に賛成であり、政治資金については、企業・団体献金を政党に限定すると地方政治を支えている政治家の政治活動に及ぼす影響は極めて大きいこと。さらに政党助成も無所属の地方議員等には及ばないこと等の意見が述べられました。
次いで、各委員から、二大政党制あるいは穏健な多党制等将来の政界の姿、政治資金の抜け道、無所属の地方議員等への配慮、地方分権のあるべき姿、納税段階における政党、政治家へのチェックオフ、国民の意識改革、比例代表選挙の区域を都道府県単位とした場合の一票の格差と死票、政治家個人に対する企業・団体献金の禁止に伴う地方議員の自由な政治活動の担保、地方政治のあり方と地方議員のあり方など多岐にわたる質疑が行われました。
以上が概要でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれにより御承知願いたいと思います。速記録は本日の会議録に参考として掲載されますようお取り計らいをお願いいたします。
なお、会議の開催に当たりましては、地元の関係者初め多数の方々に御協力をいただきました。ここに深く謝意を表しまして、御報告といたします。(拍手)