下稲葉耕吉の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○下稲葉耕吉君 本格的質疑に入ります前に、私の意見を申し上げまして総理の御見解をただしたい、このように思います。
総理は、御就任以来四カ月を過ぎました。本当に御苦労さまであると思います。
きょうの新聞を読みますと、政治改革法案の審議というものが前面に出ているために外交関係の日程等が組めなくて対外的に大変問題を起こしている、特に対米関係においてそうであるというふうなことが報ぜられております。
国内的にだけ問題を取り上げてみましても、南九州を中心とする大水害がございました。百年ぶりとも言われているわけでございます。私も現地に参りましていろいろ拝見させていただきましたが、国は国としていろいろ対策をとっておられるのはよくわかるわけでございますけれども、被害をこうむった方々のお一人お一人のところまでなかなか手が届かない。やはり、もう自分のことは自分でと。余り頼れない。橋だとか道路だとかそういうものはできますけれども、自分の生活の身近に被害をこうむったことの回復というのはやっぱり自分でやらなくちゃならない、大変だというふうな認識が強いわけでございます。
さらにまた、青森、岩手などを中心といたしましたお米の大凶作がございました。これも、私は現地に参りまして農家の方々をお回りしましていろいろお会いいたしました。その中で、化学肥料や農薬を使わないいわゆる自然農法の田んぼが、あぜ一つ違って、大変そういうふうな中でもいい成果を上げていたということは非常に強い印象を受けたわけでございますが、それはそれとして、もう全国的に大変な被害を受けておられる。東北の方々はよく出稼ぎに行かれる方が多いわけでございますけれども、ことしは出稼ぎに行く先がない、あるいは仮にあっても大変条件が悪い、労働条件がきつい上に給与が悪い、そういうふうなことで本当に血みどろの生活との闘いをなさっておられるということでございます。
そういうふうな農家の方々に、さらにガット・ウルグアイ・ラウンドの問題に絡みましてお米の輸入の道が開かれた。果たして自分たちはどういうふうにして今からの農業をやっていけばいいんだろうかと大変不安を抱いておられます。それと同時に、政府の施策に対する怒りというふうなものも私どもは感じてまいりました。
加えて、申し上げるまでもございませんが、日本全土を覆う大不況でございます。景気は物すごく悪うございます。失業者はどんどんふえております。破産の企業もふえている。報道によりますと、国税局の中で中小企業の社長さんが自殺なさったというふうなところまで進んでいるわけでございます。ボーナスは下がり、そして政府が予算の編成を先送りしたというふうなことで一日のうちに株が六百数十円も下がるというふうな状態を招いているわけでございます。
いろいろ経済企画庁から数字をお示しになりますが、全体として日本の景気の先行きに明るさが見受けられません。私ども政治家は、まさにこのようなときこそ、お一人お一人の国民の幸せを願い、家庭の円満を願い、幸福を願い、そして国家社会のために一生懸命努力するというのが政治家の本来の姿であると思うのでございます。
そこで、総理にお伺いしたいんですけれども、まさにそのような状態でございますが、政府が何ができるか。いろいろおっしゃっております。二十四日の日に政治改革法案の年内成立の見通しが立たなくなったということでおわび会見がございました。その中で経済対策の問題についてもお触れになっておられますけれども、私ども拝見いたしまして具体的にひしひしと感ずるものがあの中にはございませんのやはり、今政府がなすべきことは、何といっても一日も早くそういうふうな不況に対する対策を立てることだ、これが大きな流れではなかろうかと思うんです。
細川さん細川さんということで、総理になられた。何かやっていただけるだろう、もう古い今までの体制は嫌だ、何とか細川さんに期待したい、それが国民の声であったと思うのでございます。しかし、細川さんは私たちのことをわかってくれているんだろうか、私たちのこの血のにじむような苦しみということがおわかりなんだろうか。政府は果たして何をやってくれているんだろうか。早く予算をつくってほしい、一日も早くやってほしい、これが願いではなかろうかと私は思うのでございます。
反面、うがった見方をする人かおります。その人の話を伺いますと、細川さんは本当は予算を一日も早くつくりたいのだろう、しかし八頭立ての馬車ではなかなかまとまらない、税制一つにしてもそうです、果たして所得税減税をやるのかやらないのか、やるとすればどれぐらいの規模でいつやるのかそれが見えてこない。
あるいは、赤字国債の発行はしない、こういうふうにおっしゃっていた。ところが、赤字国債の発行はしないという言葉の前に、垂れ流し的赤字国債の発行はやらないという言葉が入ってきた。要するに、子孫に借金を残すような赤字国債の発行はやらないということだろう。じゃ、そうでない赤字国債は発行するのかしないのかそれもいつやるのかどうか。
あるいは消費税の問題も出ております。消費税上げるんだろうか上げないんだろうか。これも政府内で大変な対立がある。だからそういうふうなことで予算を組もうにも予算が組めない。だから外向けに格好いい政治改革、政治改革、政治改革という言葉を続けて時間稼ぎしているんじゃないかそういうふうな意見すらあるわけでございます。
私はやはり、日本の将来を展望し、高い立場から国家国民のためにいかにあるべきかということが政府の果たさなければならない最大の責務だと思います。
そういうふうな意味では、私ども、政治改革法案、これはもう大変大切な法案で一日も早く成立させたいという気持ちでございます。しかし、それと同時に、今申し上げました喫緊の問題について総理がどのような決断を示されるのか。あしたからでも結構です。いかがでございましょうか、総理の御見解を承りたいと思います。