関根則之の発言 (政治改革に関する特別委員会)

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○関根則之君 せっかくお尋ねをしているのにお答えをいただかないということは私としては非常に残念でございますが、参考人の御意見でございますので、それはそれで承っておきます。
 国際社会でこれから尊敬されるような国になっていかなければいけない、こういうお話でございまして、そのこと自身は私も全く同感でございます。ただ、公明公正というお言葉もお使いになりましたけれども、まさにそのとおり公正でなければならないということ、特に私は必要だと思うんですよ。
 今、国民の目にどう映るかということ、そういう観点を非常に強調して物事を判断すべきだと、こういうお話でございます。もちろん民主主義の社会でございますから国民の意を十分酌んで国民の意に沿って政治というのは行われなければならないわけでございますけれども、国民の意思というもの、これを見出すというのは非常に難しいわけですよね。それはいろいろな世論操作もないわけじゃございませんし、マスコミももちろん公正な報道をしていただいているとは思いますが、中にはややともすると、この間ちょっと、テレビ朝日でございましたか、ああいう問題も起こったような形で、必ずしも公正さを保っているのかなということが疑われるようなものもないではないわけです。
 そういう中で私どもは、将来間違いのない、参議院として良識の府としての間違いのない審議というもの、与えられた法案に対してきちんとした議論をしなければいけない、こういうことでやっているんで、マスコミを通じて国民の声というのがわっと上がってくる、人気投票法のようなものをやって世論の支持が高いとか低いとかそういうことを言われる、そういうものにただいたずらに流されてはいけない、それをやってしまっては本当の意味のしっかりした政治家ではないんじゃないかと私は常々みずからを戒めております。おもねることは易しいけれども、本当に将来の日本のためにやっておかなければならないことは何なのか、そういうことに私はいつも自重自戒をしているところでございます。
 そういう議論をしていても仕方がありませんので、芦田参考人にちょっとお尋ねをいたします。
 戸別訪問の問題で、制度としてはいいのではないか、しかし行き過ぎの懸念があるという御指摘。私も行き過ぎを非常に心配しているんですよ。
 これは、この間おもしろい比喩が新聞に出ていまして、私もなるほどと思ったんですけれども、兵庫で狩猟に行った人がお正月の用意のために山に入っていた女性の方を誤って鉄砲で撃っちゃったんですね。そういう事故が起こっているんですが、それに関連して、ある猟師の人が、狩りをしに行ったんでしょうね、山で普通の人に適で会った。そして言うことに、あんた、鉄砲を撃つかもしれないから気をつけてくださいよと言ったんだそうですよ。まことにおかしな話なんですけれども、そうしたら、そのすれ違った土地の人が、あなたこそ鉄砲を持っているんだから気をつけてくださいよ、こう言ったというんですよ。そうしたら鉄砲撃ちの方は、おれたちは許可をもらって狩猟をしているんだ、あなたは許可をもらって歩いているわけじゃないじゃないか、こういう反論をして、その人はびっくりしたというんですね。日本人というのはそういうところがあるんだと思うんですよ。
 今までは禁止されましたよね。今度、法律改正で戸別訪問は許可されたということになりますと、今盛んにこれは宣伝されていますが、そういうことになると、一般の人は法律上の権利として戸別訪問が認められたんだということになる。夕方忙しいときに、子供は泣いてるわ、だんなさんは帰ってくるものだから夕飯の支度をしなきゃいけない、もう忙しい時間に次から次へとんとんとたたかれる。忙しくたってやっぱり出ていかないと怒られるんじゃないか法律違反になるんじゃないかそういうナイーブな感覚というのは日本人にはあるんですよ。それが日本人の一種の特性かもしれませんけれども、そういう風土のあるところで行き過ぎというものを私は非常に心配する。ある候補者が次から次へ戸別訪問をやっているときに、その対抗馬の競争相手はじっとしていられなくなると思うんですよ。
 参議院の審議で指摘されましたけれども、六千五百万人投票しますよね。参議院の選挙でも大体六千万からいたしますよ、一億近い有権者なんですから。その人たちにどうやって戸別訪問をするんだと、こういう問題もあるわけでございます。
 そういうことを十分御理解をいただいた上でお話をいただきたいと思うんですけれども、将来行き過ぎ等があったら自然にこれは直っていくだろう、選挙民の批判を通じて自然に直っていくだろう、私はちょっとこれは態度が甘過ぎるんじゃないかなという感じがしてしょうがないんですよ。金権腐敗の問題だって社会からこれだけ批判を受けておりますけれども、ほっぽらかしておってはなかなか直らないものだから、法律をもってある程度強制的にやっていこうではないかということをやっているわけですよね。
 そういうことで、法律をわざわざ変えて懸念のある法律をつくるということは私は慎まなければいけないんじゃないかな、そんな感じがしてならないわけでございます。御発言の中に見直したらいいというような御発言がありましたけれども、これはどういう意味ですか。今、法律の修正問題もあるわけでございますけれども、その修正の中で修正点の一つとして取り上げたらいいじゃないかそれとも、多少危険はあるけれども実施しておいて後で直したらいいじゃないか、どちらの意味でありますか、ちょっとお教えいただきたいと思います。

発言情報

speech_id: 112814575X01019940111_016

発言者: 関根則之

speaker_id: 3254

日付: 1994-01-11

院: 参議院

会議名: 政治改革に関する特別委員会