青島幸男の発言 (公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会)

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○青島幸男君 ただいま共産党の橋本さんがおっしゃられたことは、私は一々同感でございまして、おっしゃられるとおりの疑問はこれからもずっと残るでありましょうし、また、終わりを決めてしまったという、その日取りの決定につきましても、大変な疑念と不満を私は隠し切れずにおります。
 振り返って考えてみますと、皆様方、それぞれここで顔を合わされて、衆議院側は衆議院側で許されるぎりぎりの範囲というところで法案をお示しになり、自民党側は自民党側でまたぎりぎりと思われるところをお示しになって、双方で、時には声を荒げることさえあるような熱心な論議が交わされておりました。
 にもかかわらず、そのことをまるでほうり出して、勝手に、しかも密室で細川さんと河野さんが決められてしまったということに対しては、ここにいる皆さんもかなりそのむなしさと憤りを感じておられるはずでございますが、私も、全く許しがたい、これは民主主義に対する暴挙だというふうに認識をしておりまして、日がまだ決まっていないということもありまして、これは徹底的に反対をしていかなければならぬと決意を新たにしたところでございますけれども、あえて少し時間をいただいて私見を申させていただいてよろしゅうございますか。
 もし、この法案がそのまま、今のこの協議案のとおりに可決されて法律になってしまったときのことを考え合わせますと、私はもう不安でたまりません。
 と申しますのは、小選挙区制になりますと、今度は、候補の方はそこで公認を取りつけなければなりません。例えば、自民党の例で申し上げましょうか。自民党の例で申し上げますと、一つの政党の中ですから、思想、信条あるいは政策について論じ合ったり確かめ合ったりすることよりも、どういう経緯で公認をとるかという地盤、看板と地縁、血縁といったようなものに執着せざるを得ない格好になりますでしょうし、そうなりますと、一部権力者、それを決定する方々の意向は異常に大きなものになってまいりますし、一つはそういうところに筋道を立てて、派閥もありましょう、血縁もありましょう、いろいろの手だてを講じて公認をもらうということにまず第一番に大きな力を費やさなければなりません。
 そのほか、それをあるいは保証するであろう比例代表制のメンバーの上位に載せてもらわなければなりませんので、そのためにまたどれだけの労苦が費やされるか。衆議院の皆さん方、御経験がないので気軽にお考えのようかもしれませんけれども、参議院の比例区ができまして、名簿の順位を決める段になりましたときには、それこそ党員を何十万人も集めるの、党費をどうやって工面しろのというようなことで、大きな負担を課せられているという事実もあるわけです。
 ですから、そういうことを考え合わせますと、まず公認を取りつけなければならぬ。それから、それの保証として比例区の名簿順位を上げてもらうように交渉しなければならぬ。しかも、新たに決まった小選挙区の中でどういう配分に決まるかわかりませんし、新たな選挙区の中でそれは全く不利な戦いをしなければならないかもしれません。そこで新たな戦いをしなければならなくなれば、それは、地縁、血縁、金がかかるのどうのこうのということよりも、当選の翌日から次の選挙について右往左往しなければならぬということになりかねないということを考え合わせますと、これはとても負担を強いることになると思いますね。
 それは、自民党のように伝統があり、ある程度数があり、決まった知名度も持った政党ならまだよろしゅうございますが、今度それと対決をしなければならないわけでありますから、皆様方は連立てきっとお戦いになるでしょう。それぞれの政党の看板をおろして、あるいは一本になるかどうか知りませんけれども、そうなりますと、その枠の中で今度はどういう格好で公認を取りつけるか、あるいは名簿の順位にどう加えてもらえるかということと、新たな戦い方をして、その小選挙区の中でトップ当選しなければならないわけですから、それはまた新たな大変な労苦を強いられることになるでありましょうし、その公認とか名簿の順位を決める決定機関は党の上層部、あるいはその一握りの人間ということに恐らくなるでしょう。
 そうなりますと、ふだんから党に盾突くとか新しい意見を述べ立てるという方々は、なるべくなら排除するという格好に自動的に向かわれるでしょうし、ですから、公認されて名簿に載って出てくる方々は、ユニークな考え方をお持ちになった、ユニークな情熱と意欲を持っている方ではなくて、ですから、ユニークな侍が排除されて、日和見で、権力にべたべたくっつくというような格好のイエスマンのみが上位にランクされ、公認を取りつけるということになりますと、ますます政治家は小さくなっていきますし、それで公費なんかを受けて大きくなった政党がますます肥大化すれば、そして独善的な一握りの方々がこれを支配するようになったら、それこそ大変なファッショに結びつくに違いない。
 そういうことから考え合わせますと、とてもこのままこの協議案を認めて皆さん方が心底これでいいんだと思っていらっしゃるとは夢にも私は思いません。
 前回にも私は反対の理由を申し上げましたので、これ以上くどくど申し上げることはありませんが、そういう不安を隠し切れず持っておりますので、機会あるたびに反対の意見を表明してまいりたいと思いますが、廃案にどうしても結びつけるように、これから残された機会は幾ばくもないでしょうけれども、その機会をとらえて私は邁進してまいるつもりでございまして、ここは議論の場ではございませんから反論を承ろうとは思いませんが、私の所信の一端を述べさせていただきました。
 ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 青島幸男

speaker_id: 8200

日付: 1994-01-29

院: 両院

会議名: 公職選挙法の一部を改正する法律案外三件両院協議会