佐藤剛男の発言 (決算委員会第三分科会)
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○佐藤(剛)分科員 まず最初に、私の敬愛いたしております木幡政務次官、福島で、選挙区は別でございますけれども、このたび御就任されまして、心よりお祝い申し上げます。しかも農政通であって、非常に心強い限りでございます。
私は、小沢一郎先生の言われている、政府委員というのは余りしゃべるな、国会議員が答弁をするんだという思想というのはそれなりに納得いたしますので、政務次官は農業関係非常に詳しいですから、できるだけ政務次官にお答えしていただきたいわけです。余り御迷惑をおかけしませんから、もしあれでしたら、政府委員の方、お帰りになって結構でございます。
今、会計検査院のお話、何もことしの話じゃないのですけれども、実は私はここで、こういう決算の問題でとことんまでやってみたい問題があるのですが、その問題はきょうは時間の関係もありますのでやりませんが、農林省のところでひとつ検討してもらいたい。
これは政務次官も御存じだと思いますけれども、吾妻のパイロット、それから水原のパイロット、田沢(岩代川)等のパイロット、いわゆるパイロット事業だといって、農林省が一種の公共事業みたいなものですばらしいものをつくっているわけでありますが、あの一つの吾妻パイロット事業なんというのは、何十億の金をかけて、道路はきちんとできていて、電話まで入っていて、上には亀岡高夫先生の碑があって、「吾妻が燃ゆ」なんて書いてあるけれども、今は何も燃えていない。全く何年間も放置され、あるべき木をみんな切っちゃって、風の抜け穴みたいになっちゃって、それで野菜のパイロット事業を始めようとしていたわけですが、失敗した。その問題が市と県、それから農林省、もう役人がしょっちゅうかわるから、責任がはっきりしないから、元来、会計検査院に、使用方法、目的を変えましようと言えば話が済むはずなんだけれども、やってない。
園芸局長おったって、話が違うから、政務次官にこの問題については、幾つもありますよ、全国のパイロット事業を全部総点検したいと僕は思っていますけれども、ひとつその問題をよく検討しておいてください。農林委員会でもやるし、予算委員会でもやるかもしれません。そのあらゆる実態がどうなっておるか、成功した例があるのかないのか。私は成功した例というのはほとんど聞かない。ほとんど聞かないですよ。キャベツの何ぐらいだろうと思います。どのぐらいの金を使って、どういう状況にあるのかを調べてください。福島県だけだって、私の選挙区だけだってこのぐらいのものがあるんだから。会計検査院もおられることですから、会計検査院もそういうところによく目をつけて、きちんとやって、月給もらっているんだから、ちゃんとそれをやってもらいた一い。
それはそれとして、きょうお話し申し上げるのは、一つはリンゴの問題、それから時間があれば農振法の問題をやります。この農振法の問題というのもパイロットにも関係いたします。
それで、一つはリンゴですが、リンゴの世界的な最適生産地というのは、これは気候が影響するのです。米とか野菜とか酪農とかというんじゃなくて、あらゆるところでできるわけじゃない。これは決まっている。政務次官、御存じだと思いますが、どういう場所かといいますと、空気がある時期乾燥していなければいけない。それから、その周辺に川がなければいけない。山がなければいけない。
例えば、一つの例がアメリカのワシントン州。ワシントン州といっても、ワシントンがあるところじゃなしですよ 太平洋側 ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、そこのところにあるワシントン州の首府に、政務次官は行かれたかどうかあれですけれども、タコマというところがある。山に、セントヘレンズ山といって富士山みたいな、ばあっと大きいものがある。
かつてNHKの番組で、三田佳子が扮する青森出身の女医さんがいましたね。その人がワシントン州に留学するのですよ。留学しまして、徹夜でリンゴの農家の息子を助けるのです。そうしますと、よく先生やってくれたなと言って、その農家のリンゴをつくっているおやじさんがあの美人の三田佳子さんにお礼を言うわけです。先生、リンゴを食わんしょ、福島弁で言うとそういう話だ。
そういうことをやりまして、そうしてそのときのNHKのテレビでだあっとやると、青森、福島に似ているリンゴ園がわあっと出てきます。ここがワシントン州という、まあワシントン、オレゴンというのですが、ワシントン州というのが世界のリンゴの首府と言われる。御存じですか。これはキャピタル・オブ・ザ・アップル・オブ・ザ・ワールド、世界のリンゴの首府と言われる。これはどういうことかというと、カスケード山脈というのがある。そして、そこにコロンビア、コロラド川が流れている。この川が流れていて、カスケード山脈があって、太平洋からの湿度をカスケード山脈がびょうぶのように抑えるのです、四月とか六月の間。そうすると乾燥するのです。乾燥している地域、そうしますと一種の砂漠みたいな現象になる かえってそれがリンゴにはいいのですよ。それを井戸をつくってポンピングする。
ですから今、福島でいいますと野田だとか、福島のところはリンゴがあれですけれども、ポンピングの形を農林省が補助金を出してやっているというのはそういう思想なんです。ヨーロッパのリンゴなんて大したことないんです。ドイツなんかちょっと出してはいるけれども、こんな小さなあれで、競争力というのは私はそんなにないと思うし、ヨーロッパのものが日本に入ってくるなんという話はないのです。世界の中で最適地で、日本のリンゴの技術者、リンゴの品種改良をする人がどこに行ったかというと、ワシントン州にみんな行くんですよ。本日御出席の技術者、おられると思いますが、その人たちはみんなそうだと思うのです。行かれていると思う。
そのように、世界のリンゴの首府というところ、ニュージーランドのリンゴなんて大したことないんです。それが今度輸入解禁になります、こういう話です。農林省は、既にリンゴは自由化しています、外に向かってこう言うわけです。自由化ということはどういう意味かと僕は聞きたいんだけれども、自由化じゃないんですよ。検疫の関係で、国際的に堂々と検疫ができない限りは入れなくていいということになっているわけだから。
日本のリンゴをつくっている産地は、これもまたアメリカと同じように決まっているのです。鹿児島でリンゴなんてつくらない、四国でリンゴなんてつくらない、沖縄でリンゴなんてつくらない。リンゴができるところというのは、例えば青森、それから福島で言えば、阿武隈川があって、阿武隈山脈があって、あの阿武隈山脈があと三十メートル高かったらもっとよかった、こう言われるのです。そうすると、政務次官のところの浜通り、私は中通り、あそこの阿武隈山脈が三十メートル、もう少し高いと太平洋から来る湿度を抑え込むわけですよ。そうするとちょうどいい湿度になる、そのかわり浜通りの先生のところは雨が降るかもしれないけれども。気候現象というのはそういうものなんです。だから適地があるのです。長野にはちゃんと信濃川があり、あるいは桃でいいますと、岡山にあり、それから秋田にあり、山一がみんなあってでき上がっているわけです。
ですから、農業委員全部が農業問題に関心があるといったって、リンゴの問題についておれのところは知らないという人たちがたくさんいるわけですよ。関心を持っているというのは恐らく青森と、福島と言ったって穂積先生のところはリンゴのは余りないからね、農業のあれだといったって。これは場所が決まっているんだから。だからそのことで、私の家なんていうのはリンゴ園だったのですから、今は家が建ってしまったが。昔は養蚕、今や果樹に変わってしまった。それで大半がふじだの何だのということで、品種では「ふじ」が大体五割近くなっていますよ。しかし、昔はデリシャスだった。しかし、これは簡単にできるのですよ、接ぎ木をすると。
ですから私が言いたいことは、農林省は少し甘い。リンゴが甘ければいいというものじゃない、政策が甘いのだ。少し酸っぱいくらいの感じでやらないと、特定産地に集中豪雨的な被害を浴びるということを私は申し上げたい。
ニュージーランドがやりましたとか、リンゴは自由化していますよなんて、そんなことを言ってはだめですよ。自由化というのは、いつでも自由に入ってくることを言うんだから。四十六年に自由化しましたなんと言ったって、入ってこない。一時は入ってきたかもしれないけれども、一つどこか、韓国かなんかから入ってきたかもしれないけれども、もう検疫の問題で入れてないわけだ。
しかし、今度検疫のシステムができ上がった、本当にできたのかどうかわからないけれども、日米間でできた、じゃ入れましょう、ここから自由化が始まるわけですよ。自由化初年。それに対して対策がない、宣伝もしてない、説明にも行ってない、福島にも行ってない。そうでしょう、局長。局長みずから出かけていって話をしなければだめだ。政務次官みずから行って、政務次官のところなんだから、浜通りに行く前に福島に寄ってみんな集めて、リンゴの果樹園の人たちを集めて、みんな心配するわけだから。
それに、リンゴだけじゃなくて、今度の話というのは虫の話だから、エイズみたいな話なんだから、簡単に言えば。私はああいう虫の話とかというのは余り、世界に貿易を流通させるのがいいこととは思わないのですよ。私は国際派ですよ、ガットの議長までやっていた男だから。そうなんだけれども、日本という島国の中において、変な虫が入ってきたり、必ずどこかで漏れるんだから、それが繁殖するんだ。
そういう一つの自由化による、価格競争力、価格の問題もさることながら、何せ面積もすごいんだから。ワシントン、オレゴンで日本の大体五倍あるんだから。一つの地域ですよ、州だけで。日本は青森、長野、秋田、岩手、福島を合わせたって、ちょこちょこやっている特定産地しか先ほど言った気候条件みたいなのはないのだけれども、すばらしい最適地にあるわけでして、品種の勉強をやってきた、なにしてきたことを考えると、一つは競争力、自由化初年なんだから、自由化元年なんだから、それに対しては米と同じような考え方を導入してきちんとやらなければいけない。それは、局長、きのうの自民党の部会で甘いことを言っていたでしょう。そういう部分を私はおかしいと言っているわけです。局長がみずから出かけていって、ちゃんと外国の状況を眺めればわかります。
それからもう一つは検疫の問題なんだけれども、この問題はリンゴだけじゃないのです。御承知のようにナシに影響する。コドリンガにしたって火傷病にしたって、ほかの果物があるわけですよ。福島の例でいいますと、リンゴの横にナシがなっているのです。モモがあるわけです。リンゴ、ナシ、モモというのは大体一緒にしているのです。ナシというのは、御承知のように水はけがよくないとできないのです。だから昔は、石みたいなものがあって、肥沃ではないところにできるのです。しかし、今や福島自身はナシの産地ですよ。世界のどこか知らないけれども、少しへんちょこりんな虫がリンゴと一緒にくっついてきて、これは羽が生えていて飛んでいくのだから。そうでしょう。果物のエイズみたいなものだ。
そういう点についてまず政務次官にお聞きするけれども、御認識、それから対策をどうするか、各論に入る前にお聞きしたい。