柳沢伯夫の発言 (予算委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○柳沢委員 フレームワークという言葉もなかなか難しい言葉なんで、ニュアンスを我々が完璧にとらえられるかというと難しいんですけれども、いずれにしても、私は、先ほど申したように、我々の七月段階での議論を顧みて、それからセクター別の協議をするということを認めた以上、ある程度のことはもうその段階で考えられる。
したがって、もしこれがノーと言うのであれば、九月に細川総理がクリントンさんに、あれを進めましようと言っちゃだめなんですね。その段階でむしろ別のそれこそフレームワークをつくらないと、非常に困難な交渉局面にお互いが入り込んでいってしまう、こんなことはもう当然予想されますね。私はそう思いますよ。ですから、その点でも私は大変不満であります。
それから第二番目に、これはもう先ほど来私がお話ししているとおりでございまして、クリントン大統領のキャンペーンからの彼の主張、それから、その後においてクリントンさんが経済再生だとか、あるいは最後に、経済安全保障とまでは言わなかったんですけれども、まさにアメリカ経済の衰退というものをもう一回復活させようということを彼は自分の政権のメーンテーマに取り上げてやってきておるわけでありまして、そういうことについての、何と申しますか、我が方の備えというようなものについても、私はいささか不満な点が正直言ってあります。
それはどういうことかというと、きのうちょうど保利委員から、アメリカ大使館のPR文書で実に説得的な具体的な数字を挙げての資料をつくっているぞよという御注意がありましたが、私はそのとおりだろうと思うんです。
というのは、アメリカは貿易の交渉をするに当たっても、学者が非常にプラグマティックであるせいだろうと思うんですけれども、どんどん新しい分析をし、調査をし、そしてデータを提供しているんですね。これは必ずしも政府への資料提供ということじゃなくて、公にされているものでありますけれども、非常に進んでおります。
私は専門家じゃありませんから、新聞や雑誌でのぞく程度でございますけれども、それでも、例えば製品輸入のGDP比はどの学者が分析したとか、あるいは産業内貿易の総貿易に対する比率についてどこやらの教授が分析して出しているとか、あるいは、まあこれは言っていいと思うんですが、ローラ・タイソン、今のCEA委員長は、ハイテク産業については産業政策が必要なんだと、これは貿易理論から言っているわけですね。「誰が誰を叩いているのか」という、あの有名な本でありますけれども、そういうことを言っている。
それから、ついでに言うと、為替レートについてだって、為替レートが経常収支に影響するのかしないのかという大論争がどうもあるらしいんだけれども、これについても、ちゃんとした学者が分析をして、経常収支に影響を与えるんだという理論構成をして論陣を張っている。だから、アメリカの政府の主張あるいはアメリカの在京の大使館がどんどん資料として流しているようなものというのは、そういう周到な準備、オールアメリカンのそういうものに基づいて行われているということを我々は知らなきゃならぬと思うんですよ。
そういう意味で、何というか、野党の質問ですから余りしゃべっちゃいけないということなんですが、ついつい私の方のおしゃべりが多くなっちゃうんですが、我が方はどうなんだ。我が方は前川リポート一本やりですよ。前川リポート一本やり。つまり、内需の振興と規制緩和による市場開放ですよ。
しかも、これについては間違っているんだという学界での批判がありますね、前川リポートなんか大間違いなんだと。皆さん御承知のとおり、貯蓄・投資のバランス論からする反論ですよ。そんなことできっこないじゃないかという反論がある。これらについて、政府は論争をするときにちゃんと問題の整理をしてきちっとやっているんだろうかと。アメリカのそういう調査分析とアメリカ政府の主張、それから日本のいろいろな調査分析と日本の政府の主張、こういったものについて私は、役所は世界に冠たるシンクタンクだというようなお褒めの言葉もあるわけですけれども、ちょっとこのところ、そういった意味では力不足、手薄ではないかという感じを否めないのであります。
そういうようなことで、この辺のアメリカ政府の主張の背景にあるものと我が方の対応について、背景の問題ですよ、ちゃんとできていると思いますか。どなたでもお答えいただきたい。