則定衛の発言 (予算委員会)
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○則定政府委員 引き続きまして、捜査処理の具体的内容等について御説明いたします。
第一は、本件の捜査処理の概況についてであります。
東京地方検察庁において捜査処理を行ったいわゆるゼネコン汚職事件については、金丸信前衆議院議員に対する所得税法違反事件の捜査の過程で、大手総合建設会社から地方公共団体首長らに対する多額の資金の流れが存在することが判明し、これらについて贈収賄罪の嫌疑が濃厚となったことから、東京地検は、平成五年六月二十九日、本格的な捜査に着手し、以後刑事事件として取り上げるべきものについて順次立件して捜査を尽くした結果、同年七月十九日から本年四月一日までの間に、関係者合計三十名をいずれも東京地方裁判所に公判請求いたしました。
公判請求した三十名のうち、収賄側被告人は、中村喜四郎衆議院議員及び竹内藤男前茨城県知事ら地方公共団体の首長を含む合計八名、贈賄側被告人は、鹿島建設株式会社清山信二元代表取締役副社長ら合計二十二名で、関係した大手総合建設会社は、鹿島建設株式会社、株式会社間組、清水建設株式会社、西松建設株式会社、三井建設株式会社、大成建設株式会社、株式会社大林組及び飛島建設株式会社の合計八社に及んでおります。
なお、一連の捜査の過程で逮捕した者の総数は三十四名で、このうち七名は不起訴処分となっています。
また、公判請求した事件のわいろ金額の合計は、二億七千九百万円に上っております。
本件は、関係者多数の複雑な事案であったため、強制捜査に着手してから捜査をおおむね終了するまでに約三百日間の長期間を要しておりますが、東京地検では、全国の地方検察庁から、検察官二十五名、検察事務官二十七名の応援を求めるなどして捜査態勢を整え、これら応援者を含め、検察官七十八名、検察事務官八十五名を本件捜査に専従させました。この間、取り調べ対象者の数は、延べ約九千二百名、捜索箇所は約二百三十カ所、押収証拠品は約二万四千点に上りました。
第二は、具体的な捜査処理の状況についてであります。
まず、二県一市一町にわたる地方公共団体の首長が関係した事件の捜査処理について御説明いたします。
その一は、石井亨前仙台市長に係るいわゆる仙
台ルートであります。
東京地検は、平成五年六月二十九日、収賄側として石井前市長ほか二名を、贈賄側として間組本田茂元代表取締役会長ほか五名を逮捕し、関係箇所の捜索・差し押さえ、関係者の取り調べなどの捜査を遂げ、同年七月十九日、石井前市長ほか一名を収賄罪で、間組本田元会長、間組加賀美彰元代表取締役、清水建設上野晃司元代表取締役副社長、西松建設吉川泰代表取締役副社長及び三井建設成島昭元代表取締役副社長の五名を贈賄罪で、それぞれ東京地裁に公判請求しました。さらに、石井前市長が、鹿島建設鈴木和己元東北支店次長、大林組萩原惟昭元代表取締役副社長、大成建設橋本喬元代表取締役副社長らからも収賄していた事実が次々に判明したため、順次これらの関係者を逮捕するなどして捜査を遂げた上、同年十一月七日から本年二月七日までの間に、それぞれの事実について、関係者とともに石井前市長を東京地裁に公判請求いたしました。
公訴事実の要旨は、石井前市長は、単独で、または他の者と共謀の上、平成四年四月十六日ごろから同年十一月二十五日ごろまでの間、前後四回にわたり、仙台市発注の仙台国際文化交流会館の新築、道路整備等の公共工事に関して、指名競争入札の入札参加者に指名されるなど有利な取り計らいを受けたことに対する謝礼等の趣旨のもとに、間組本田元会長ほか四名から現金一億円、鹿島建設鈴木元東北支店次長らから現金一千万円、大林組萩原元副社長らから現金一千万円、大成建設橋本元副社長らから現金二千万円、合計一億四千万円のわいろを収受し、本田元会長らはそれぞれこれらのわいろを供与したというものであります。
その二は、大山真弘前茨城県猿島郡三和町長に係るいわゆる三和ルートであります。
三和ルートにつきましては、東京地検は、平成五年七月十九日、大山前町長ほか四名を逮捕するなどして捜査を遂げた結果、大山前町長がほか一名と共謀の上、間組大津留孝元東関東支店長らから、三和町が発注を予定しているスポーツセンターの新築工事につき指名競争入札の入札参加者に指名するとともに、その工事の発注予定価格を教示されたい旨の請託を受け、平成三年八月一日ごろ、大津留元支店長らから、現金一千四百万円のわいろを収受した事実により、平成五年八月九日、大山前町長ほか一名を受託収賄罪で、大津留元支店長ほか一名を贈賄罪で、それぞれ東京地裁に公判請求しました。
なお、三和ルートにつきましては、本年二月十五日、東京地裁において、大山前町長を初め全被告人に対し、いずれも有罪の判決が言い渡され、確定しています。
その三は、竹内藤男前茨城県知事に係るいわゆる茨城ルートであります。
東京地検は、平成五年七月二十三日、竹内前知事を逮捕して、関係箇所の捜索・差し押さえ、関係者の取り調べなどの捜査を遂げ、同年八月十二日、竹内前知事を収賄罪で、間組本田元会長ほか一名を贈賄罪で、それぞれ東京地裁に公判請求し、さらに、竹内前知事が、飛島建設植良祐政元取締役名誉会長、清水建設吉野照蔵元代表取締役会長、鹿島建設清山元副社長らからも収賄していた事実が次々に判明したため、順次これらの関係者を逮捕するなどして捜査を遂げた上、同年十月十一日から同年十二月六日までの間に、それぞれの事実について、関係者とともに竹内前知事を東京地裁に公判請求しました。
公訴事実の要旨は、竹内前知事は、平成二年二月二十八日ごろから平成四年十二月二十二日ごろまでの間、前後七回にわたり、茨城県発注のダム建設、植物園温室の新築等の公共工事に関して、指名競争入札の入札参加者に指名されるなど有利な取り計らいを受けたことに対する謝礼等の趣旨のもとに、間組本田元会長らから現金合計五千五百万円、飛島建設植良元名誉会長らから現金一千万円、清水建設吉野元会長らから現金一千万円、鹿島建設清山元副社長らから現金二千万円、合計九千五百万円のわいろを収受し、本田元会長らはそれぞれこれらのわいろを供与したというものであります。
その四は、本間俊太郎前宮城県知事に係るいわゆる宮城ルートであります。
東京地検は、平成五年九月二十七日、本間前知事ほか三名を逮捕し、関係箇所の捜索・差し押さえ、関係者の取り調べなどの捜査を遂げ、本間前知事がほか一名と共謀の上、平成五年一月下旬ごろ、大成建設橋本元副社長らから、宮城県発注の県立癌センター病院本館建築等の公共工事に関して、指名競争入札の入札参加者に指名されるなど有利な取り計らいを受けたことに対する謝礼等の趣旨のもとに、現金二千万円のわいろを収受した事実により、同年十月十八日、本間前知事ほか一名を収賄罪で、大成建設橋本元副社長ほか二名を贈賄罪で、それぞれ東京地裁に公判請求いたしました。
以上が地方公共団体の首長が関係した汚職事件の捜査処理の状況であります。
次に、中央政界関係について御説明いたします。
東京地検は、以上申し上げました大手総合建設会社及び地方公共団体の首長に係る贈収賄事件の捜査の過程で、鹿島建設清山元副社長が、いわゆる埼玉土曜会の告発問題に関し、中村喜四郎衆議院議員に対して現金一千万円を供与した事実を把握し、これが斡旋贈収賄罪に当たる嫌疑が濃厚となったことから、まず、本年三月八日、鹿島建設清山元副社長を再逮捕いたしました。中村議員につきましても、検察当局において、国会議員の地位の重要性や憲法に定められた不逮捕特権の趣旨を十分に尊重し、在宅で捜査を続ける可能性についても慎重に模索いたしましたが、中村議員が出頭を拒否するなどの状況にあり、真相解明の必要上、同日、逮捕状請求を行い、同月十一日、衆議院において、中村議員の逮捕についての許諾の議決がなされましたことから、同日、中村議員をあっせん収賄の事実により逮捕いたしました。そして、関係箇所の捜索・差し押さえ、関係者の取り調べ等の捜査を行った結果、同月二十九日、鹿島建設清山元副社長を斡旋贈賄罪で、本年四月一日、中村議員を斡旋収賄罪で東京地裁に公判請求いたしました。
公訴事実の要旨は、中村議員は、平成三年七月上旬ころから平成四年一月中旬ころまでの間、前後数回にわたり、鹿島建設清山元副社長から、公正取引委員会における埼玉土曜会の会員による独占禁止法違反事件の調査状況及び告発の見通し等に関する情報を入手した上で、告発等に関する職務を独立して適正に執行すべき職責を有する公正取引委員会委員長らに対し、告発すべきものと思料される場合であっても告発しないように働きかけてもらいたい旨のあっせん方の請託を受けてこれを承諾し、その報酬として、平成四年一月中旬ころ、東京都内において、現金一千万円のわいろを収受し、清山元副社長は、そのわいろを供与したというものであります。
最後に、以上申し上げました事実以外の事実に関する捜査結果について付言いたします。
鹿島建設から元国会議員に対し政治団体を経由して、いわゆる迂回献金が行われていたとの報道がなされた件については、贈収賄罪のほか、政治資金規正法違反等の成否についても鋭意捜査を尽くしましたが、何らかの犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足りるものを認めることはできませんでした。
また、三井建設の元役員が、同社から国会議員への献金のために現金を預かり保管中、これを着服、横領したとの事実が判明いたしましたが、これにつきましては、既に被害の全額が弁償されていること、被害会社もあえて処罰を求めていないことなどの諸事情を考慮して、不起訴処分に付しております。
このほか、東京地検では、本件に関してなされた種々の報道等をも視野に入れつつ、慎重に捜査を続けてまいりましたが、既に公判請求した事実以外には犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足りるものは認められませんでした。
以上が東京地検によるゼネコン汚職事件の捜査処理に関する報告であります。
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