宇野收の発言 (議院運営委員会国会等移転小委員会)
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○参考人(宇野收君) 今、上野先生から御指摘をいただきました問題で、最初に合意の形成の問題でありますが、これは私ども調査会の方も一年がかりで調査会の中での合意の形成に大分時間を費やして今回の中間報告になったわけであります。
この調査会のメンバーの中には、国会からこれだけのものを言われてもうこれは決まっているんだ、だからいかにやるかということだけやったらいいんだという御意見の方もありました。しかし、そうじゃないだろう、これはもうやっぱり国民の皆さんが理解をする。合意といいましても、これは満場一致というやつはないですね。国会でも満場一致というのはなかなか難しいように伺っております。したがって、大多数の方が理解をしていただいたらまあいいという意味での合意でありますが、それにしてもこういう中間報告を出したから大体皆わかったよというふうにはなかなかいかないわけであります。したがって、私どもとしてはやはり合意の形成に、今まで公聴会を一遍やりましたが、これはまだ一遍だけでありますから、これから数度にわたって各地を回って公聴会もやりたいと思いますが、しかしこれでも十分ではないと思うんです。
ですから、これは先生方にもお願い申し上げたいんですが、やはりマスメディアを使ってこういう問題をぶつけて、そしてそれに対して皆さんの反響を聞きながらまた理解をしてもらうというような、例えばテレビなんかの討論会をやるとか、そういうことが非常に必要ではないかと思いますので、この点は特にこちらからもお願い申し上げたいというふうに思います。
それから、問題点といいますか、もっと的確に言えばデメリットかもしれませんね。そんなことのデメリットがあるのにどうするのかという問題の中で、私どもは率直にやはりこういう問題について今の時点で考えますと、集中することによって非常にメリットがあるわけですね。しかし、また逆に言うと集中することによって非常なデメリットがあるわけで、最も大きなデメリットは災害が起こったときに対応ができないというデメリットだと思いますが、通勤その他、居住環境が悪いというのもデメリットであります。したがって、ここでメリット、デメリットだけの問題を議論するならば、やっぱり分散することによってのデメリットはもうこれは避けられない。しかし、大きな時代の流れを見ると、分散することが次の時代への対応に正しい方向であるという考え方で割り切らないと、メリットばかりあるようなことというのはとてもないんではないかと私は理解をいたしております。
それとの関連で、財政支出を出すときに一体優先順位がそういうところにあるのかねという御質問かと思います。
私も、例えば福祉対策にこれだけ要るよ、あるいはアクセス、道路その他についてこれだけ要るよというのを削って首都圏の建設に持っていくのかねということになりますと、これは今申し上げているデメリット、メリット論と同じでありまして、現在の時代感覚で見たらこれはそこへ回せないということだと思うんです。しかし、少し歴史的な視点を考えて、二十一世紀の日本づくりということを考えると、これはやっておかなければならないという一つの重要度が問題だという理解も私はあるんだろうと思うんです。その辺のところはこれからもう一遍また皆さんと議論をしながらやっていかぬといけない問題で、ただそんなものに金を出せないよというだけでこの問題を流してはいかがかなというふうに思います。
それともう一つは、財政的には今非常に厳しい厳しいと言っておりますが、しかしながら日本の体力は今まだ十分にあるんです。これからもう十年、二十年して本当に老齢化の社会に入ったら体力はないんですね。そうしますと、今やらなかったらもうこれは先になったらできないままになってしまって、その結果日本の国の展望というのは難しいものになるんではないかと私は思います。