宇野收の発言 (議院運営委員会国会等移転小委員会)

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○参考人(宇野收君) 今橋本先生から御指摘のとおり、この集中がなぜ起こったかという問題についてはこれは大変大事な議論だと思います。私どもとしては相当数この議論は詰めたつもりでおります。
 一言で言うなれば、やっぱり歴史的に見て日本国が近代国家になる過程で、欧米にいかに追いついて近代国家を早くつくるかというもうせっぱ詰まった状態の中で、一番いいシステムというのは中央集権制で官僚国家にするということであったと思います。これが成功したんだと思います。成功し過ぎた結果、戦争になってアメリカに負けました。負けましたときにアメリカは地方自治と自治権を言っておりましたけれども、占領軍として日本の統治をするのにはやっぱりどうも中央集権にしている方がいいという思いがあったんだと思いますから、一見地方自治体があるがごときでありますが、実態は依然として中央集権官僚体制が続いたということだと思うんです。それに加えてやはり世界が情報化社会に入りまして、情報というのは一点に集中することによって効果が出るということもまた大きな背景にあって、東京の一極集中というのはもうとどまることなく進んでおるというのが実情だと思います。
 ただ、その反面で幾つかの問題点があることはもう先生御指摘のとおりでありますが、とりわけやっぱり大きいのは、災害が起こったときにこれを管理する力が東京にはないという問題だと思います。もう一つは、やはり残念ながら徳川時代にあったような日本の文化が非常に各藩別に重層的にあって、各地方に個性があった時代でなくなっちゃって、すべて東京の風に倣うという大変薄っぺらな文化国家というものになってしまうということも、また目に見えない大きな弊害だったと思いますので、これをどう変えるかという問題だという認識で議論はしたわけでございます。
 しかし、これは簡単にいかない問題なんですね。したがって、今度遷都をしたからそれが解決するというふうには思っておりません。遷都も必要でございますが、同時に本当の意味でここで地方分権をやらなければいけないという問題だと思います。同時にまた、今中央集権国家ができる過程で政財官の癒着という問題を持っていることも先刻御承知でありますが、このもとを言えば集権をしているから権限がある、権限があるから癒着が起こるということでありますから、やっぱり規制の緩和をしなきゃいかぬ。
 したがって、規制の緩和と地方の分権と同時にやはり首都が移らなきゃいかぬというのは何かというと、もう時代が変わったと。変わったときに再び中央集権のようなことをやることをやめるような方法をしなきゃいかぬということでありますから、政治と経済を分けて政治機能は別のところへ持っていくという考え方で進めてきたということでございます。これをもって万能薬ということにならないかもしれません。しかし、この試みをやらなければ大きな解決はないんではないかというふうに思うわけでございます。

発言情報

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発言者: 宇野收

speaker_id: 9084

日付: 1994-06-21

院: 参議院

会議名: 議院運営委員会国会等移転小委員会