関根則之の発言 (政治改革に関する特別委員会)
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○関根則之君 二つのことをおっしゃったような感じがしますから、順番に申し上げたいと思うんです。
法律は一対二を基本とすると書いてあるんですよ。基本とすると書いてある。そこで押さえちゃえと言ってない。
私は大きく分けて法律は区画をする場合の原則として三つのことを言っていると思いますよ。
一つは、三条の一項の前段の一対二を基本とするということ。その後に書いてあるのが行政区だとか地勢だとか交通だとかそういうことを考慮しなさいと。
地域の実情というものをよく考慮しなさいということが二番目に書いてありますよ。
三番目に、そうは言ったってべた平均じゃありませんよ、人口でただ平均すればいいんだというんじゃありませんよというのが第二項に書いてあるんですよ。いわゆる基礎配分方式。都道府県に一人ずつはまず配分しなさい、小さな県でも一人の権利はまず与えなさいと。だから、鳥取は二人になっているんですよ。島根県は七十八万人しか人口がありませんけれども、三人になっているんですよ。それを法律は認めているんですよ。ただ基本としなさいということだけが書いてあるんじゃないと思いますよ。
これはいろいろ法律の解釈というのはあると思いますから、人によっては四つに分けたり五つに分けたりするかもしれませんが、私は三つに大きく分けられると思う。その三つの要請をそれぞれ法律は認めているんです。
鳥取県というのは一つのまとまりがあるのよ、そこの地域性、地域の人間の集まりというものを大事にしなさいよ、だから一票を与えましょうと。東京だって千二百万ありますけれども、そこには基礎配分は一票しかないんですよ。平等扱いをしているわけですよ。そういうことを法律は認めている。法律の精神というのはそこに出ているわけですよ。だから、単に人口で一対二の中におさめなさいよというそういう人口基準だけが、法律の言う絶対命令じゃないんですよ。三分の一にすぎない、私に言わせれば。
条文は確かに一項と二項としかありませんけれども、言っている内容というのは三つある。一つは一対二だし、二つ目が行政区と地勢と交通、総合的に考慮して合理的に行わなければいけないということだと思いますよ。三番目が、繰り返しますけれども、まさに小さな県だって必ず基礎配分一票もらえますよ、一人もらえますよと。その結果、べた平均でいくはずないじゃないかと、こういうことを言っているんですから。この三つの法律の要請を等しくバランスよくうまく基準に生かし具体の区割りに生かしていかなければおかしい、そういうふうに思います。
だから、こんなものは法律で一対二と言っているんだからそれを破るわけにいかないという議論は議論としてそもそも成り立たないと、私はそんな感じがします。
それから次に、諸外国でもやっているからって、諸外国なんて変なことをやっている外国、幾らでもあるじゃないですか。諸外国でやっているなんというのは例にならない、一つの参考意見にはなるでしょうけれども。
一票の価値というのは、これはどういう性格のものなんですか。一票の価値の限界価値というものをどういうふうに御理解をいただいていますか。
一票の価値を縦軸にとって、横軸に選挙区の人口をとりますと、どんなカーブになりますか。これは総理もよく御理解をいただきたいんですけれども、分数関数なんですよ。最初がぐっと無限大に高くて、ずっと低くなって、最後もまた無限大にいっちゃうんですよ。そういうものでしょう。だから、例えば四人で一つの選挙区をつくっているとした場合に、人口が半分になって二人になると、一人の投票の価値が倍になっちゃうんです。そういう性格を持っているんですよ。二人の価値で投票の価値が倍になっちゃうでしょう。ところが、選挙区の人口がずっとふえていって何万人というふうになりますと、一人や二人減ったってふえたって関係ないんですよ。まあ関係ないと言っちゃおかしいけれども。
例えば、今の審議会で議論をなさっている数値で言いますと、平均値を四十一万二千人でとって、下限を二十七万、上限を五十四万でとりますと、一票の価値の限界価値というものは上限では〇・〇〇〇一八二%しかないんですよ。下限では、人口の小さな選挙区では〇・〇〇〇三六四%の限界価値があるんですよ。当然のことながら二倍の限界価値を持っているわけですよね。そういう性格のものが一票の価値であり、選挙区の人口と一票の価値というものを考える場合にその曲線をいつも頭に置いて物を考えていかなければいけないと私は考えているんですよ。
だから、限界価値は微分したものですから、マイナスのxの二乗分のaですよね。そういう、曲線なんだよということを考えながら、いろいろ選挙区の定数といいますか選挙区の人数の限界というものを考えてもらわなきゃいけないと、そういうふうに私は思っております。
県によって一市町村当たりの人口というのがうんと違うんですよ。時間がありませんから私の方で申し上げますが、もし違っていたら、自治大臣、言ってもらいたいんですが、一市町村当たりの人口の一番小さいのが島根県で一万三千二百人なんです。一番大きいのは神奈川県の二十一万五千人。これは大変な違いでしょう。どれぐらいになるんですか、これは十五倍ぐらいになるんですか。
しかし、神奈川県は川崎だとか横浜だとかそういう大都市があるからちょっと例外じゃないか、というお話もあるかもしれない。埼玉県は政令指定都市がありませんが、それでも六万九千六百人、約七万人ですよ。五倍ちょっと超えますか。そういう市町村の大きさというものが、人口の大きなところと田舎の県といいますか、地方の比較的人口の希薄な県とでは市町村そのものの大きさが違うんですよ。そうでしょう。
だから、人口の大きい都市では三十万とか四十万とかという都市がごろごろしているわけですよ。そういうごろごろしているところで選挙区をつくろうとすると、ある都市、十万の都市があるとします、五十万の都市があってそこに十万の都市がひっついていますと、これを入れるか入れないかで、限界を超しちゃうんですよ。すぐに超しちゃうんですよ。そこのところで、上限の限界というもののつくり方が非常に難しいんです。
小さな県は一つの市町村の人口が小さいから、平均でも今申し上げましたように十五分の一ぐらいの小規模の町村があるから、市町村境界というものをできるだけ守っていこうと、そうした場合に、つけやすいんですよ。そんなに大きな余裕幅をもらわなくてもその作業ができるわけですよ。
ところが、人口の多いところは大きな枠をもらわないとどうしても分割の数が大きく出てきちゃうんですよ。あっちこっちで分割をしなきゃならない。いかにも、平均値をとって、そこから三分の一下の方ヘ幅を認めます、大きい方へ三分の一幅を認めますというのが諸外国でも例があります、常識で考えたってそれが正当じゃないですかと、そういうふうに御理解をいただいてと御説明があったわけですけれども、そんなものじゃないんですよ、選挙区の問題を考える場合には。日本の実情というものをよく考えてください、頭の中で。
大きな都市の周辺地の一市町村当たりの人口の多いところと、地方の県の一市町村当たり人口が一万そこそこのところとでは、選挙区を組むときに市町村の区域をできるだけ割らないようにとこんなに県から要望が出ているでしょう。そういうときに、そういうものを尊重して市町村の区域をできるだけ割らないようにする、共同体的な感覚というものをできるだけ持たせていこうじゃないかという方向で物を考えれば、そこに与えられる余裕幅といいますか枠というのはおのずから違ってこなきゃいけない。そう思いませんか。今、そう思いませんかと総理にそんなことを言ったって多分すぐ答えられないと思うから求めませんけれども、そこのところをじっくり私は考えてもらいたいんですよ。
それが、十三万七千、小さい方へ向かって十三万七千、大きい方へ向かっても十三万七千、同じ数だけ与えているからいいじゃないか、そういう理屈がどこへ行ってもすぐ返ってくる。私の頭がおかしいのか、そういうことを言う人が少し感覚的に違うのか、そこのところは、これはもう今ここで結論は出なくてもいい、じっくり議論をしてもらいたいと思うんです。
下限の二十七万四千人と中心点である四十一万二千人との差は、全国平均の四十一万二千人の側から見れば三三%の差なんですよ。ところが、下限から見ればそれは五〇%の差なんですよ。二十七万から平均の四十一万を見れば五〇%の差がそこにあるということですよ。逆に、上限の五十四万九千人と平均人口の四十一万人との差というのは、これは中心から見れば三三%だ。しかし、上限の方から見れば二五%の差なんですよ。それだけの余裕をもらったにすぎないんですよ。
そういうことをじっくりと考えて、先ほども申し上げましたが、分数曲線なんです。選挙の人数と一票の価値、あるいは日本の人口の分布、地域によっての違いというものを考えた場合に、曲線なんですよ。そこに癖がある。それを十三万七千、三三・一%、四十一万を基準にしてやるという物の考え方は、これは一次式で考えているんですよ。そうでしょう。絶対数で十三万七千、上へも十三万七千、下へも十三万七千というのは、直線で物を考えているということですよ。
私は、選挙に関する物を考える場合には直線で考えてはいけない、やっぱり曲線として物を考えていかなきゃいけないんじゃないか、そういう感じがするんですが、そういうことが本当に審議会の中で御検討をいただいたかどうか、もう一回ちょっと御答弁をいただきたいと思います。