井上吉夫の発言 (農林水産委員会)

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○井上吉夫君 前期の法律改正のときに、特定保安林という形で十分機能してない保安林について特別の力を入れていく必要があるということをつけ加えられまして、既に五十三万ヘクタールぐらいの特定保安林が指定をされて急速な整備にかかられている。これも引き続き今期も力を入れてやっていくということでありますが、今、保安林、とりわけ特定保安林という場合は、率直に言えばもうどうにもならないほど人手も足りなければ状況もよくないというところ、そういうところを何とかしなければならないということで特定保安林というのを制度としてつくられたわけでありますから、今日本のこれまで整ってきた山を維持するのも大変な時期に、本当に指定したはいいけれども、それを維持していくということが言うほどうまくいくんだろうか、単なる勧告だけでそういう山が立派に保持できるのであろうかということを懸念するわけであります。
 幸いなことに、自治省が地方財政措置の中で、必要な山林等について県を含めて関係市町村等が公有林として買い取って、そして経営移譲をやっていくという場合は、購入費も財政力に応じてかなり面倒を見るということと、それから、それを維持することについても経費のかなりな部分を財政的に面倒を見るということを林野と国土と自治省一緒になっていろいろ検討された上で去年からこの制度が生まれております。同時にまた県の林業公社なり、いわば幾つかの林業の組織体がこういう場合にそれに対応するというような事業の展開をしております。
 この際、一つ一つその内容を聞こうとは思いませんが、せっかく特定保安林として指定をして、ほったらかしておったらだれも手をつけないというそういう株分については特別の力を入れて、この制度が十分にそのねらいを発揮するようにひとつ頑張っていただきたいと思います。
 保安林のこの整備計画に基づく執行は、一方では治山事業としてその保全のための対策を打つと同時に、もう一つは、その上にどういう山を育てていくかという人の力が、とりわけ山村の林業関係者の力が加わっていかなければ、この制度を立派に維持することはできないと思います。先ほども申し上げましたように、極めて急峻な地形でありながら日本は二千五百万町歩の山が生々と育ちつつある。しかし、今の材価と、そして林業を取り巻く諸般の情勢から見た場合に、果たして今の山がそのまま維持できるだろうか、伐採した後必ず植林してくれるだろうかと、そういうことを懸念する一人であります。
 したがって、そのことを考えますと、この国民生活に重要な役割を担っております保安林を実際に管理している林業者が、現下の林業をめぐる厳しい情勢に対応して大変な苦労をして山を守っている。一この前いただいた林業白書によれば、昭和三十九年ないし四十年のころの造林の利回りは六・三%である。ところが今〇・九%の利回りということが示されております。〇・九%の利回りで、だれに林業に力を入れてくれということを言える人がいるでしょうか。そして、言葉でどんなに言ってもとても林家の意欲を奮い立たせることは無理だと思います。したがってこの際は、可能な限り国民全部の財産だというそういう認識や評価を高めながら、今あります査定係数をできるだけいい姿で確保して、若干でも高い補助率でもって山が維持できる、そういうことにもっともっと力を入れていく必要があるというぐあいに考えるわけであります。
 簡単で結構でございますが、このことに対する私の考え方に対して、とりわけ林野庁長官の決意あるいは認識というものを聞かせていただければありがたいと思います。

発言情報

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発言者: 井上吉夫

speaker_id: 10410

日付: 1994-04-27

院: 参議院

会議名: 農林水産委員会