黒柳明の発言 (本会議)

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○黒柳明君 黒柳明でございます。
 冒頭、さきの中華航空の事故によって亡くなられた皆様方、また御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、まだ入院加療中の皆様士が一日も早く治癒されますようお祈り申し上げる次第であります。
 あわせて、政府に対しまして安全対策、原因の究明、そして非常に難航するであろう補償問題につきまして万全を期するよう厳重に要望する次第でございます。
 私は、新緑風会の皆さん方のお許しを得まして、公明党・国民会議を代表しまして羽田総理に質問いたします。
 自民党の諸先輩の皆さん方、社会党の皆さん方、与党は圧倒的に少数でございますが、私ども誠心誠意、国会運営、そして政策立案に頑張りますので、どうかひとつ皆さん方の心からの御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。また、御批判も賜りたい、御注意もどんどんしてください。あわせまして、ぜひひとつ御理解と温かい御支援も賜りますようお願い申し上げます。よろしくお願い申し上げます。
 政界再編成の流れは、もうだれ大もとどめることができないような激しいものになっております。きのうの敵はきょうの友、きょうの友はあしたは敵でありまして、目まぐるしい動きがあります。もう与党・野党の対立とか自民・非自民の色分けなんて言っているときではないんじゃないでしょうか。政治の本来の使命であります政策中心に私たちはやらなければならない時代が参ったのかな、こう思っております。私ども微力でございますが、一生懸命ベストの政策をつくりまして皆さん方忙御検討賜りたい、こう思っている次第でございます。
 連立第二期は、是々非々の立場で良識の府参議院としての本来の使命を発揮しなければならないときではないかと私は強く思っている次第でございます。
 総理大臣、お待たせしました。
 八十代目の総理大臣の就任、まことにおめでとうございます。と言いますと、総理が就任する前、私テレビで見ました。羽田総理が、今日本の総理になったっておめでたくも何ともないと、こうおっしゃっていまして、おめでとうなんて言うとおしかりを受けるかもわかりませんが。
 文字どおり、現在内外ともに難問山積のときでございます。どうかひとつ、強いリーダーシップと勇気と決断を持って羽田政治の改革と協調を遂行して国民の要望におこたえいただきたい。美辞麗句は必要ありません。パフォーマンスも必要ありません。国民の中に飛び込んでください。国民とともに語ってください。国民とともに一緒に政治をやってください。そして、国民の琴線に触れる羽田政治を展開していただきたい。重ねてお願いする次第でございます。
 連立内閣の第一期は見事な成果をおさめました。失礼ですが、自民党が三十八年間でき得なかったことを次々と実行に移してまいりました。さぞや、この連立内閣に対して、憲政の神様でああります尾崎咢堂翁も本院の玄関から、連立政権よくやった、善哉、善哉、あっばれ、あっぱれと、賛辞を送っているのではないかと私は確信をする次第でございます。
 しかし反面、国民の皆さん方はこの連立政治のよさというものをどの程度理解していただいているのか、私は疑問に思う次第であります。まだまだ第一期の連立政権を国民の皆さん方は、におい程度でしかわかっていないのかなと。羽田内閣は、ひとつこのにおいではなくて、味でひとつ連立政治のよさを引き出していただきたい。
 幸い、総理はグルメ志向で、時々台所で包丁を握っているということでありますが、どうか、メニューはそろっております、おいしい料理を国民の皆さん方のためにたくさんつくっていただきたい、腕を振るっていただきたい。国民に愛され、国民に好かれる総理になっていただきたい。
 不安定、弱体、短今、羽田内閣に対して厳しい活字が新聞紙上に踊っております。しかし、御案内のように、各マスコミの支持率は五〇%前後という非常に高い支持率を得ております。永田町では少数与党ですが、永田町を一歩出れば多数の国民に支持された連立羽田内閣であるということを自覚されて、堂々と胸を張って政治に取り組んでいただきたい。我ら与党も一致して羽田総理をバックアップすることを決意しております。
 なかんずく、当面の急務は景気対策であり、政治改革に引き続き、税制、行政、国会改革、規制緩和、そして分権問題など改革継続をモットーとする羽田内閣であるべきだと思います。
 以上、期待と要望とちょっぴり苦言を呈しましたが、これらを踏まえまして次に質問をいたします。
 まず第一に、羽田政治の理念と哲学は何か。
 第二に、総理大臣は国政全般に面倒を見ますが、なかんずくこの内閣で断行したい重点項目は何か。
 第三番目は、羽田内閣が長期本格政権となるための総理の構想は何か、お聞かせいただきたい。
 次に、税制改革と所得税減税についてお伺いいたします。
 今後の税制改革論議は、単に税体系の見直し問題にとどまらず、高齢化社会における政府部門のあり方、行財政改革など財政全体を見据えた考察が必要であります。その際、我が国の中長期的な国家ビジョンを国民の前に明らかにすることが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 将来の福祉社会のあり方については、国家ビジョンを作成して、米国のような民間の自助努力によるのか、EC型のある程度の公共サービスによる制度とするのかという政府の方針を示すべきであります。そして、その国家ビジョンにより国民の負担について理解を求め、あるべき税制を提言することが必要となってくるのではないでしょうか。こうした国家ビジョンを達成していくための財源として、税負担と社会保障負担のバランスをどうするか、税制改革の前提として政府の方針を示すべきです。
 また、税制改革関連法案の法制化に取り組む前に、今回の税制改革で実際の税制の体系がどうなるのか幾つかのシミュレーションを行い、社会保障、特に年金の改革プログラムと税制改革案を一体として国民の前に提示すべきではないでしょうか。総理の見解をお伺いいたします。
 また、連立与党は既に高齢化社会に対応する税制改革協議会を発足させて議論を重ねております。六月までに結論を出し、本年中に関連法案を成立させることを確認しております。減税継続を初め高齢化社会に対応する福祉の充実、社会資本整備の財源確保などのためには、この確認はぎりぎりの判断であると思いますが、税制改革の確認事項を総理はどう評価し、実現されようとしているのか、その決意をお伺いいたします。
 さらに、七年度以降の所得税減税については与党内の協議機関において検討した上、年内の国会で関連法案を成立させることとしておりますが、その場合、六年度の減税規模を維持するのか、どの所得層に重点を置いて減税をするのか、六年度と比べ増税となる階層が生じることはないのか、いかがですか、お伺いいたします。
 次に、景気対策と金融政策についてお伺いします。
 新しい連立政権にとって最大の課題は、国民が切望しております不況からの脱却でございます。総理は、景気の現状とその底入れの見通し、また、景気回復の阻害要因となっている長期金利の上昇及び円高の影響についてどのように判断しておられるのか、御見解を承りたい。
 そして、何より大事なことは、景気回復の起爆剤となる今年度予算の速やかな成立であります。
 一日も早い審議入りと予算早期成立へ向けた総理の御決意を承りたい。
 政府は、三月二十九日に取りまとめました対外経済改革要綱の中で、公的規制の抜本的見直しに重点的に取り組むことを約束しましたが、これをどのように具体化するのかお知らせいただきたい。
 対外経済改革要綱に対する米国の評価は非常に厳しいものがあります。米国は数値目標などを再度要求してくると思われますが、今後の日米包括協議、サミット等での対処方針についてもお尋ねいたします。
 消費拡大に向けては内外価格差の是正を着実に実行していくことが大切であります。公取委は、ビール、乗用車等市場寡占度の高い製品ほど円高差益還元は行われていない、円高効果の浸透を妨げる要因となっていると指摘しておりますが、これらの問題について今後の対応策はどうなっておりますでしょうか。
 規制緩和が新しい活力をもたらすという議論の方向性は誤っていないと思いますが、これに伴い一時的には競争力激化や雇用調整による痛みも考えられますが、この問題についてはどう認識されているか、お伺いいたします。
 次に、北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国の核問題についてお伺いいたします。
 北朝鮮はIAEAの追加査察を容認し、きょうにでも査察団一行が北朝鮮入りすると言われております。一方、燃料棒を引き出したとも言われております。現時点におきまして、北朝鮮の核開発問題について政府はどのような把握をしているのか、また、総理はどういう御見解をお持ちなのかお聞かせください。
 ぺリー国防長官は、北朝鮮は既に二個以上の核兵器を保有、さらに年間十個以上製造できる開発計画に着手し、近々核爆弾四個ないし五個分のプルトニウムを抽出すると語っております。一方、金日成主席は、核兵器は持っていない、将来も開発しない。軍事秘密はあり、それはどこの国にも公開しないと、全く相反する議論を立てておりますが、北朝鮮の核開発について総理はどのように判断しておりますか。なかんずく、北朝鮮は既に核爆弾、核弾頭を保有しているのかどうかお尋ねいたします。
 総理は、北朝鮮が心を開き査察を受け入れ、NPTに完全復帰し、朝鮮半島の非核化宣言をすろ行動をしてもらいたいと述べる一方、今、制裁についてどうこう言うときではないとしておりますが、私はこの判断は正しいと思います。北朝鮮がそうした行動をとるよう今後我が国としてはどのような具体的な行動をとっていくつもりなのか、お聞かせください。
 一方では、米国はIAEAによる査察が実現しなければ国連による制裁に踏み切らざるを得なくなると警告し、場合によっては国連の枠外での制裁もあり得ることをほのめかしています。
 そこでまず、連立政権の確認事項によれば、「国連の方針が決定された場合には、これに従う」とありますが、どのような決議であっても日本は無条件で国連の決議に従うことになるのかどうか、いかがでしょう。仮に安保理決議がなされない場合でも、日米安保条約などに基づき、米国、韓国と連携協調した行動をとるのか。その際、具体的に日本はどんな行動をとるのかお伺いしたい。
 全面的な経済制裁となった場合、米国の艦船が行う海上封鎖などに対して、日本が寄港を認め、食料、燃料、水などの補給物資を提供し、気象その他の情報を提供したりすることは現行法の枠内で可能でしょうか。また、制裁実施の場合、日本から北朝鮮への送金規制などをどのように実施するのか。国連が経済制裁を決定し我が国がこれに従う場合、我が国の法制度は必ずしも十分に整備されているとは思えません。具体的にはどのよ上な法律、政令を改正する必要があるのでしょうか、いかがでしょうか。
 次に、日米経済問題についてです。
 二月の日米首脳会談が決裂して以来、日米経済関係は空白状態が続き、いまだ打開のめどが立っておりません。クリントン政権は、経済協議で日本が譲歩しなかったのは官僚のせいだとして、官僚相手にせずという態度でいると伝えられております。こうした米国のかたい態度を和らげ、膠着状態をどう打開していくつもりでしょうか。
 羽田総理は決裂前の最後の交渉者であり、米国側としても問題を最もよく知った政治家だと評届し、強いリーダーシップの発揮を求めております。次官級を米国に派遣するとも伝えられておりますが、交渉再開のめどをどのように考えているでしょうか。
 これまでクリントン政権は、経済交渉の不調は日米全体に影響ないと述べてきましたが、ナポリ・サミットまでに進展がなければ日米関係は重大な局面を迎えると思いますが、いかがでしょうか。
 マラケシュでの羽田総理とカンター通商代表が交渉再開の条件として三点を挙げてま、りましたが、総理は持ち帰って検討すると約束しております。検討の結果はどうだったのでしょうか。客観基準をめぐる日米の隔たりは大きいとも聞いておりますが、今後どのようにこれを埋めていくつもりですか。
 報道によれば、米国は自動車・自動車部品について、数値目標ではなく各メーカーによる自主的な目標を示すよう主張しているようでありますが、どのように対応していくつもりでしょうか。
 総理は、国連の常任理事国入りを強く希望しているようですが、所信表明で言われた「なし得る限りの責任を果たしていく」とはどういうことなのか、具体的にお聞かせください。
 政治改革についてでありますが、現在、衆議院の議員選挙区について画定審議会がその作業を進めております。政治改革を実現するためには、審議会の勧告を尊重して早急に関連法案を国会に提出し、可能な限り今国会で審議し成立させる必至があります。政府としても最大限の努力をしていただきたいが、総理としてどのような方針をお佐ちかお聞かせください。
 最後に、浜四津環境庁長官にお尋ねいたします。
 環境の憲法とも言うべき環境基本法が前国会で実現を見たことを踏まえ、環境保全に関する多横な施策を推進するための環境基本計画の内容について、本年末をめどに中央環境審議会で審議されております。我が国の今後の環境保全についての施策の方向性を示すものであり、持続可能な発展を目指す上でその内容の充実を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 また、オゾン層を破壊するフロンガスの規制については、使用済みフロンの回収、再利用、破壊を進めることが求められております。各自治体では独自に回収、再利用を行っているところもありますが、それらへの支援策も含め、国レベルの回収、再利用、破壊促進への方途をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 黒柳明

speaker_id: 1097

日付: 1994-05-16

院: 参議院

会議名: 本会議