羽田孜の発言 (本会議)
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○国務大臣(羽田孜君) 首班指名後社会党が政権離脱した、そして政治的基盤が全然違ってきて、内閣短命説が出ておるというお話でございました。
新内閣が少数与党政権として発足せざるを得なかったのは、まさにまことに残念な経過によるものであろうというふうに私は考えます。しかしながら、国民の大きな期待と支持を受けて前内閣が掲げました改革の旗は、このたびの新内閣におきましてもしっかりと受け継いでいかなければいけないと思っております。
我が国の政治、行政、経済、社会の改革は、新内閣に課せられた歴史的な責務であろうというふうに考えまして、政権維持というよりこの国の置かれた現状というものを踏まえながら誠心誠意を尽くすならば、各党の御理解も得られようというふうに私は信じております。
また、どんな政権維持構想を持つのか、二重構造の問題、御指摘がありました。私としては、前内閣から受け継いだ歴史的使命を果たしていくとの思いから、改めて内閣総理大臣という政府の最高責任者としての重責をかみしめまして、難局に取り組んでまいらなければいけないと考えます。
その際、可能な限りの機会をとらえまして、国民の皆様あるいは与野党の方々と誠心誠意を尽くして率直に語り合い、議論を尽くして、開かれた中での政策決定を旨として、広く国民的合意を得ていくといういわゆる生きた政治、本物の政治を実行していくことが大事だろうというふうに思っております。こうした努力を懸命に行い、我が国の進むべき方向を見定めていくということこそ、直面する難局を乗り切る方途というふうに私は考えております。
また、前総理の退陣の仕方について、あるいは前総理の疑惑の解明についてというお話でありますけれども、私は、政治家たるものは、権力の地位にあると否とにかかわりませず、常に国民に対してみずから襟を正していくということでなければならないというふうに考えます。前総理の疑惑問題の解明につきましては、前総理は御自分のことについて、みずからの知る範囲において語ろうということで懸命に語ってまいったわけでございまして、このたびの決断というものは潔い身の処し方であったというふうに私は理解をいたします。
また、円高による景気低迷に対する対策いかんということでありますけれども、我が国経済を本格的な回復軌道に乗せて今後の新たな発展の基礎を築くためには、時代の要請に合わなくなった制度や慣行の改革を含めた各種施策を強力に遂行していくことが不可欠であるというふうに考えます。また、対外不均衡に適切に対処し調和ある対外経済関係の形成を促進していくことも喫緊の課題であり、具体的な対策の実行が急務であろうというふうに考えております。
為替の急激な上下というものは当然景気に影響を与えるものでありまして、これは単に日本の経済というだけではなくて、アメリカを初め国際的な経済にも大きな影響を与えるものであります。その意味で、関係の立場にある者同士が十分に連絡を取り合っていくことが大事で、何といってもその国の経済の基礎であるファンダメンタルズというものが反映される為替にしていかなければいけないというふうに考えておりまして、私どもはその意味でも為替相場の変動につきましては十分注意していきたいというふうに思っております。
それと同時に、引き続き内需を中心とした持続的成長、これを可能たらしめるために、規制緩和を初めとして国内経済改革の方針、これを着実に進めていくことが重要であろうというふうに考えます。
また、経済無策の責任ということでおしかりをいただいたわけでありますけれども、さきに対処した総合経済対策の措置というものは、今日わずかでも明るい兆しというものが見られておるというふうに考えておりまして、これは無策ということは当たらないというふうに思っております。
いずれにいたしましても、我々は厳しい経済情勢の変化、これに細心の注意を払いつつ、累次にわたる景気対策を通じまして、景気低迷に可能な限りの対応というものをしていきたいと思っております。
なお、今後とも我が国経済を本格的な回復軌道に乗せ、将来の発展の芽をはぐくんでいくためには、現内閣といたしましては、先ほど申し上げましたように、引き続き内需を中心とした持続的成長というものの確保に努める必要があろうと思っております。
いずれにいたしましても、昨年の春からの急激な円高、そして冷夏によりまして農産物が不作であったこと、あるいは夏物商品あるいは夏物市場というものが非常に低迷したということが、残念ですけれども今までの足を引っ張ってしまったということであります。しかし我々は、そういう経験を踏まえながら適切に対応していきたいというふうに思っております。
また、予算審議の促進のネックとなる問題の排除に積極的に協力するつもりはあるかということでありますけれども、平成六年度予算については、これを引き継ぎ責任を持ってその実施に当たる考えでありますし、現下の厳しい経済情勢等にかんがみまして、私といたしましても、この六年度予算の円滑な審議と一日も早い成立を切にお願いする次第であります。
この予算審議の進め方につきましては、政府の立場といたしましては、もうこれは懸命に皆様にお願いを申し上げていくというこの一語に尽きるところでございまして、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。
なお、いかなる方法で国民の理解を得つつ税制改革の要綱をまとめるのかということでありますけれども、先ほど来何回か申し上げましたように、活力ある豊かな高齢化社会というもの、これは間違いなく到来しておるわけでございます。こういう中にあって、個人所得課税の軽減と消費課税の充実を柱とする税制改革を年内に実現することは、喫緊に取り組まなければならない重要な課題であろうというふうに考えておりまして、そういう中でも、前回、国会で全会一致で議決が行われたというふうに私も理解をいたしております。
我々といたしましては、税制改革の具体案づくりに向けまして、国民の皆様の意見というものにいろんな形で耳を傾けまして、それと同時に税制調査会で審議を進めていただきながら、また各党派の確認事項、これに沿いまして与党の協議会におきましても引き続き御審議を進めていただくと同時に、野党の皆様とも検討を進めていただく機会というものをいただきたいというふうに考えております。
いずれにしましても、六月にはこの成案をつくりませんと年内には間に合わないということでありますので、皆様の御協力を心からお願い申し上げる次第であります。
また、安易な増税を図ることは問題であるという御指摘はもうそのとおりであります。しかし、高齢化社会というものがやってくるというときに、福祉政策等の積極的な展開をしなければいけない。また、減税措置に対する財源確保の観点というものを含めまして、個人所得税の軽減と消費課税の充実というものを柱に均衡のとれた税体系をつくるために、六月中には成案を得なければならないというふうに考えております。
なお、今後とも行財政改革を強力に推進し、財政の効率化に向けた努力を続けることは申し上げるまでもございません。ただ、臨調・行革審の答申を受けまして、私どもは自由民主党の時代から苦しい対応をする中で改革の努力というものを行ってきたところでございます。行政改革による歳出の削減というものは、先ほども申し上げましたように、量的に多大なものというものは期待することはできない、また、直ちにその効果をあらわすことはできないというのが現実であるということも、ぜひとも御理解をいただきたいと存ずる次第であります。
また、税制改革がまとまらないと公約違反で進退問題に発展するのじゃないのかということでありますけれども、政府は、税制改革の実現に大きな責任を有していることは、これはもう当然のことであるというふうに自覚をいたしております。税制改革については、先ほどから申し上げておりますように、国会でも前回もう大変な御議論をいただいておりまして、そういう御議論を踏まえまして、その速やかな実現は今や一つの国民的な課題になっておるというふうに考えております。
政府としましては、このような税制改革の具体化に向けまして連立与党並びに野党の皆様方のいろんな意味での御協力というものを賜りますように、これもあわせてお願いを申し上げたいと存じます。
財政再建の目標ということでありますけれども、我が国の財政というのは、もう御案内のとおり、六年度末の公債残高につきましてはおよそ二百兆円を超えるものというふうに見込まれております。これに係る国債費が歳出の約二割を占めておるということで、非常に硬直した財政になっておることはもう皆様御案内のとおりであるわけでございます。
このため、引き続き健全な財政運営を確保し、公債残高というものが累増しないような体質をつくり上げていくという財政運営の基本的方向、これを堅持していくことが重要でありまして、今後とも歳出の優先順位の厳しい選択を行うなど徹底した洗い直しを行うとともに、税外収入等歳入面におきましてもあらゆる努力を傾注しまして、財政改革を強力に推進していかなければならない命題であるというふうに考えております。
なお、御指摘の隠れ借金ということでありましたけれども、いわゆる特例的な歳出の削減措置等につきましては、これまでも返済や見合い財源の確保などその処理に努めてきたところでありまして、今後におきましてもそれぞれの制度、施策というものをめぐる状況やこれまでの考え方、国の財政事情等を踏まえつつ適切に対応していかなければ、もう御案内のとおり、硬直化をさらに進めるものになるということを注意しなければならないと私も確信をいたします。
また、規制緩和の推進方針ということでありますけれども、規制緩和は、我が国経済社会の透明性を高めることと、国際的にもやはり調和のとれたものにするとともに、市場原理というものを生かして自由で創意にあふれた経済社会を築き上げていく上でぜひとも取り組むべきこれも喫緊の課題であろうというふうに理解をいたします。
政府といたしましては、中期行革大綱におきまして規制緩和の推進を第一歩の柱として、基本的な方針とともに相当数の具体的な措置を決定したところでございます。また、さらに三月には、住宅ですとか土地、情報・通信、輸入促進・市場アクセス改善・流通、金融・証券・保険の各分野における検討の基本的方向を示しましたし、新たな規制緩和方策につきまして、その成果をやはりこれも六月末を目途に取りまとめることになっております。
もとより、規制緩和の推進に当たりましては、これはなかなかお役所任せということではならないことは私も十分承知しておりまして、政治のリーダーシップは欠かせないものでありまして、私ども内閣を挙げてその積極的な推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。これはもう院の皆様方の御協力もぜひとも賜らなければならない課題であろうというふうに考えますので、よろしくお願い申し上げます。
なお、省庁、特殊法人の統廃合の問題でありますけれども、行政改革は簡素にして効率的な行政を目指して不断に進めていくべき国政運営上の重要課題であることはもう当然であります。
これまでも、臨調・行革審の答申に沿いまして、各省庁の定員の削減、国有林野、郵政等の現業の合理化ですとかあるいは三公社の民営化、その他の特殊法人の整理合理化などの改革を推進してまいったところであります。
特殊法人については、やはり行革審の答申を受けながら本年二月の閣議決定に基づきまして、各省庁において、おおむね二年間を目途にいたしまして、所管の特殊法人などにつきまして順次、事業の社会経済的必要性等の観点からその事業内容等を見直し、必要な措置を講ずることといたしております。こうした方針に沿いまして、私ども検討を進めてまいりたいと思っております。
また、省庁の再編成につきましては、やはり社会経済状況というものが大変大きく変化をしておるわけでございまして、そういうものを踏まえ規制緩和あるいは地方分権を推進しながら、基本的にとれは中長期的な観点から検討していかなければならない課題であろうというふうに考えております。
国民の皆さんあるいは企業の皆さんも一生懸命これはリストラしていることでありまして、まさに国自身も時代の大きな変化に適合したものにしていかなければならないわけでありまして、どうかこの院におきまして十分なひとつ御議論を賜りますことを心からこれもあわせてお願い申し上げたいと思います。
地方分権推進の基本方針につきましては、私は、何よりもそれぞれの地方特有の歴史ですとか文化あるいは風土を生かした特色を持った魅力のある地域づくりを進め、それが国土の均衡ある発展につながるような基盤を整備していくことが必要であろうというふうに考えております。私は、地方分権推進のためには地方の自主性そして自立性の強化を図ることが必要と認識をしております。
昨年十月の臨時行政改革推進審議会からの最終答申、これを踏まえまして閣議決定を行いました「今後における行政改革の推進方策について」の中で、政府の重要課題の一つとして地方分権の推進を図ることとしたところでございます。
この閣議決定に基づきまして、住民に身近な問題というのは身近な地方公共団体が担っていくことを基本としておりまして、御指摘の財源の問題を含めまして権限の委譲あるいは地方税財源の充実等、二十一世紀に向けた時代にふさわしい地方自治を確立するために、私といたしましても具体的な成果を上げるべく強い決意でこれに臨んでいきたいということを申し上げます。
なお、ラウンドの合意後の農業再建のための施策ということでありますけれども、ラウンド協定の実施に伴います影響を最小限に食いとめると同時に、我が国農業の将来展望、これを切り開くことが重要であり、二十一世紀に向けた農業構造の早期実現を図ることは、我が国農業の発展の上で、また食糧政策の上でも何よりも肝要というふうに考えておるところであります。
ブレンド米ですとかあるいは外国米、こういったことについての実は御指摘がありました。消費者重視ということでどういうことが行われたということでありますけれども、御案内のとおり、昨年の七五%という不作のもとで国民に食糧を安定供給しなければならないという中でとられた措置でありまして、これは万やむなき措置であったというふうに御理解をいただきたいと考えております。
しかし、いずれにいたしましても、このラウンドの協定の実施に伴います国内対策というもの、それから昨年の不作というものを経験したことを踏まえまして、私どもといたしましては農政審の答申等も十分参考にしながら、これから緊急農業農村対策本部におきまして検討の上、万全を期してまいりたいというふうに考えております。
この問題につきましては、五年度の第三次補正予算におきましても、緊急に農業の体質強化を進めるため国際化対応緊急農業対策を盛り込むとともに、六年度の予算におきましても新政策の推進に格段の厚みを増すよう工夫を凝らしたところでございまして、備蓄問題等もあわせまして、私どもといたしましても、農業政策、農村政策、そして食糧政策という観点からこの問題に真剣に取り組んでいくことを申し上げさせていただきます。
なお、大臣、政務次官の内閣の構成面で参議院の軽視が見られるという御指摘があったわけでありますけれども、国民的な歴史的課題としての改革の推進に当たりましては、私自身、今後とも衆議院、参議院を問わず、また与野党というものも問わず、皆様の御意見に十分に耳を傾けていかなければならないこと、これを私の基本的な政治を進める上での考え方としなければいけないと思っております。
このため、我が国の議会の二院制を支える参議院におかれましても、実りある政策論議が行われますよう格別の御協力をお願いし、我が国の向かうべき進路につきまして、まさに長期的な視野から御示唆を賜りますことをこの機会にお願い申し上げたいと存じます。
なお、このたびの内閣の構成、政務次官の任命に当たりましては、識見ともにすぐれた皆様方に最も適した職務を遂行していただくよう十分に考慮したわけでございまして、参議院を軽視するということは全然考えておらないということを理解いただきたいというふうに思います。
また、少数与党政権、これは立ち往生じて無策を続けるのは許されないということでありますけれども、当面する難局にあって、政治改革ですとか経済改革、行政改革はもう今や与党野党を問わず、国家国民を挙げて取り組むべき歴史的な課題であろうというふうに考えます。これは回り道をすることは許されない問題であるというふうに考えます。このため、今後とも諸々の政策につきましては各党の御理解を得ながら進めてまいりますので、この国のあすのためにぜひとも御協力をお願い申し上げたいというふうにお願いを申し上げる次第であります。
残余の質問につきましては、関係大臣の方から御答弁することになっております。(拍手)
〔国務大臣熊谷弘君登壇、拍手〕