佐藤功の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○佐藤参考人 投票価値の平等という場合に、先ほど申しましたように、その基準とされておりますのは、学説の方でも、一対二を超えれば違憲となるし平等原則に反することになる、こういうことであるわけであります。そしてその場合に、おおむね一対二ということでそこはおのずからある程度までは許容される、こういうことであるわけでございます。
 裁判所、特に最高裁の場合は、一対四・九九から一対四・四〇、それから一対三・九四ということになって、これは大きく言えば一対二に接近しつつあったわけでございますけれども、しかし、一対二というところまでをはっきりしたわけではない。これは不徹底だと思うわけなんですけれども、一方翻って考えますと、最高裁の判決というのは司法審査、違憲審査。そしてその場合に、具体的に、一対四・四〇になっている、それはどうか、一対三・九四になっている、それはどうか、こういう形で問題が出てくるわけですから、最高裁としてはその一対四・四〇や一対三・九四は違憲でないか違憲であるかということを示せば足りるわけなんですね。
 それで、最高裁が一対二でなければならぬということを言いますと、実際的には非常に、いわば現実の定数配分というものとはかけ離れてしまう。そこからまたいろいろの混乱といいますか、も生じてくるし、それに反する定数配分規定で選挙が行われた場合には、それが違憲、無効になるということにもなりかねない。ですからそういうことについては私は、最高裁というのはいわば遠慮してというと悪いですけれども、積極的に一対二でなければならぬということは最高裁としては言えない立場であるのではないかというふうに思うわけでございます。
 ただ、一対二・九二にまでなったということを、これは判決のいわば主文みたいな、主文といいますか、主な部分で言っているわけじゃございませんで、定数是正のなされてきたプロセスを一応回顧したというようなそういうところで、五十年の法改正でございますか、そこで一対二・九二になった、そして、これで一応定数が是正されたと見るべきであるということを言ったわけなんですけれども、これはそういうプロセス、そういう場所で言ったことでございまして、一対二・九二がぎりぎりの一線だということまで言ったわけではないと思います。
 ただ、そう言ったものですから、世間ではほぼ一対三がぎりぎりであるというふうに受けとめられ、そして、現に国会におきましてもその後、昭和六十一年でございましたか、定数是正をなさいました。あのとき、結果として一対二・九九にまでなったのですね。これは最高裁の要請にも合致するのだというふうに受けとめられて、一対二・九九までなさったということであろうかと思います。
 しかし、私は先ほど申しましたように、一対二ということが憲法上の基準でもあるし、平等選挙の原則からいっても基準である、そこまでいくべきである、しかし、それは裁判所がなすべきことではなくて立法部がなさるべきことである、そうなった場合には最高裁もほかの裁判所も、裁判所がこれを違憲だとするはずはないというふうに思っているわけでございます。

発言情報

speech_id: 113104573X00519941101_010

発言者: 佐藤功

speaker_id: 10466

日付: 1994-11-01

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会