上田章の発言 (政治改革に関する調査特別委員会)

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○上田参考人 私がお話を申し上げました中で、小選挙区制と比例代表制とで投票価値の平等の許容限度というものが違ってくるんじゃないかというようなことを申し上げました。
 これは、比例代表制というものを考えてみますと、全国を一つとする比例代表であれば、選挙区というものが一つでございますから、一対一であるというのは間違いないわけですね、全然問題にならないわけです。今度のようにブロック制の場合を考えてみますと、AブロックとBブロックとの間では格差が出てくるというような場合が考えられます。しかし、こういう制度は、現在のところ一対一・〇七でございますか、それぐらいの比率でしか格差が出ておらない。
 そもそもこういう問題を考えます場合に、初めに投票価値の平等がある、それを大前提にいたしまして、そしてどういう選挙制度を考えるか、すなわち比例代表制をとるか、それとも小選挙区制をとるかというようなことが判断されるわけではないと思うのです。といいますのは、比例代表制をとるか、それとも小選挙区制をとるかということは、比例代表制の長所、特性、小選挙区制の長所、特性というようなものからどういう制度を取り上げるかということが判断されるわけであります。そういう前提の上に立って、その前提の中で投票価値の平等はいかがあるべきかということを考えるべきだということになるわけでございます。
 そうした場合には、今申し上げましたように比例代表制という制度の方からは、おのずから投票価値の平等というものについては非常に厳しい結果が出てくるはずである。しかし、小選挙区制という方になりますと、選挙区の数、それから当選者の数、そういうものを総合勘案するといろいろのケースが出てきて、一対二を超えるとか超えないとかいう問題が当然起こってくる。そういう意味合いにおいて、両制度においては投票価値の平等の問題について許容限度の範囲が違ってくる。これはやむを得ないのではないか。
 ただし、小選挙区の場合におきましても、私は決して一対二を超えていいというようなことを言っているわけではございません。その点は佐藤先生と同様に、一対二というものをおおむね基準として考えないといけないという考え方は同じでございますが、先ほどから言っております審議会設置法、これは国会で御審議をなされ、法律となったものでございます。この三条は、やはり先ほどから言っておりますように、「基本」とするということが書いてあるわけでございますね。この「基本」とするというのはどのように理解すべきであるか。すなわち、先ほどから問題になりますように、一対二を少しでも超えればこれはだめだということになりますと、「基本」とするという意味合いがどういうことになるんだろうかというような問題が起こってきます。したがいましてこの問題は、私は、選挙区画定審議会設置法三条におきまして、「基本」とするというところである程度もう勝負がついたんじゃないかというような感じ
を持っております。
 したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、小選挙区の場合には一対二に限りなく近づけて、それ以上にはなるべくしないようにするという努力を審議会におきましてもしないといけませんぞ、その努力をされるというそういう立法過程というもの、それから、今現にこの法案を御審議なさっておる国会で今のように非常に慎重に御審議をなさっておるというようなこういう立法過程を考えてみますれば、まさか最高裁判所も直ちに違憲とは言わないであろうというのが私の考え方でございます。

発言情報

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発言者: 上田章

speaker_id: 2626

日付: 1994-11-01

院: 衆議院

会議名: 政治改革に関する調査特別委員会