滝上宗次郎の発言 (国民生活に関する調査会)
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○参考人(滝上宗次郎君) 費用負担の問題につきましては、これは政治というものがどこで行われているかということが大きな影響を与えると思います。
特に、福祉サービスにつきましては市町村におろしていく。私もデンマークの議会を見せてもらったんですけれども、もう本当に五千人とか一万人の市町村がかんかんがくがくの議論をやっているわけです。我々の持っている財源はこれだけなんだ、それを保育園に使うのか老人に使うのか、そこで大変な議論が行われて配分が決まるわけです。そういうような決まり方、住民が地方税を支払って、そして住民の代表が地方税の使い方を決めていく、こういった仕組みがしっかりしているのだったらば受益者負担の問題というのは二の次になるのではないかと思います。
それから、二つ目は何かと申しますと、北欧とかスウェーデンのシステムが極めて福祉におきましてはうまくいっている背景には、国の人口の少なさというものがあると思います。デンマークで五百四、五十万、それからスウェーデンあたりにおきましても一千万、これは日本では都道府県並みです。埼玉県の人口が六百四、五十万ですからほとんど同じ。そういったところで国民のコンセンサスを得るということは、難しいとは思いますけれども、日本に比べれば極めて易しいと思います。
日本にはいろんな人たちがいるわけで、そうしますとこれは地方分権を進める必要もありますけれども、いろんな考え方の人たちが日本にはいて、そして日本は福祉だけが日本人の目標ではありません、住宅はもっといい方がいいとか学校がもっといい方がいいとか車がどうだとか、そういうふうにしますとやはりそこに受益者負担のあり方というんですか、当然入ってくるのではないかと思います。
ただ、受益者負担をどのレベルで決めるのかというのはやはりいろんな現場の試行錯誤が必要ではないかと思います。といいますのは、例えば医療について申し上げますと、受益者負担がほとんどないといたしますと、そうするとみんなが医療に簡単にかかれるわけですね。そうしますとどうなるかというと、病気の早い段階で医療にかかれますから、結局、早期発見早期治療で医療費のトータルは少ないということも考えられるわけです。日本の医療費が極めて少ないという理由の一つの中には、病院へのアクセスが簡単である、これが言えると思います。それから、受益者負担を大きくいたしますと重くなってからかかる、重くなってからかかるから余計入院期間も長くなる。ですから、こういった問題は一朝一夕に決まらないのかな、あるいはこれからまだまだ長期的な時間がありますからいろんなところで実験をすべきではないのかな、そんなふうに思います。
それから、私どもの有料老人ホームについて言えば、これはもう受益者負担一〇〇%なんですね、その話し合いの中で行われております。これは極めてうまくいっています。しかし、私の老人ホームに住んでいる人たちははっきり言えばお金持ちの方々だけですから、受益者負担一〇〇%の中で話し合いがスムーズにいっているという特殊な例であると思います。