涌井紀夫の発言 (法務委員会)
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○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) どうも本当に、こういう多数の文書が偽造されますのをなかなか発見できなかったということは、やはり私どもとしては日ごろの執務の指導監督体制に問題があったということを痛感しておりまして、まことに申しわけなく思っておるわけでございます。
どうしてこれが発見できなかったということでございますと、どうも言いわけがましい話になって恐縮でございますが、やはり第一には、我々裁判所の内部の者としまして、内部の職員が裁判官の印鑑を偽造してこういう書類を偽造するというふうな、そういった事態というのは本当に予想もしておらなかったということが第一だろうと思います。
それと、やはり本件で最も件数の多い仮執行宣言付支払命令と申しますのは、御承知かと思いますが、当事者からの申し立てで裁判官がいわば命令の本体であります支払い命令を発行いたしました後で、債務者の方にその命令書を送るわけですが、債務者の方から二週間以内に異議申し立てがありませんと、いわば自動的にと申しますか、仮執行宣言というものをつけるわけでございます。そこのところの書類でございまして、いわば二週間という時間が経過したかどうかという形式的な審査しかしないものですから、法廷で宣告しますような裁判書ですと、その裁判書の作成の過程で裁判官が何度もそれをチェックするという、そういう過程が作業の中に入ってくるわけでございますが、この仮執行宣言付支払命令の場合ですと、何といいますか、形式的に事務官の方でその書類を当事者の方に送ってしまいますと、その後で裁判官がその書類を目にする機会というのがないシステムになっておりますので、やはりその辺に多数の書類が偽造されたのを発見できなかったという理由があったのではないかと思っております。
それと、やはり、この偽造されました印鑑自体が裁判官の印鑑に非常に似た印鑑が使われておりましたので、後で見ましてもなかなかそれが発見できなかったという、そういう事情もあったというように考えております。