中山正暉の発言 (安全保障委員会)
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○中山(正)委員 ありがとうございました。
まさかそんなことはないだろうと私も思っておりましたが、閣議の中でもそういう対応がなされた、そういうことを聞いて、しかし私は、現場の自衛隊がその場に直行しなかったという話は、自衛隊の方々は知事から依頼があったりするまで、それから上からの命令があるまで動かないでおこうと思っておられたのじゃないか。
私は、それで思い起こすことがあるのでございます。五十三年のことでございましたが、週刊ポストで関野英夫という人と栗栖統幕議長が対談をなすった。もし何かあった場合には、まだとからの指令がないときには現場の指揮官の判断で行動をしなければしょうがないという発言があったことが大問題になりました。当時の金丸防衛庁長官が、おまえの顔も見たくないといってあっという間に首を切ってしまわれました。もう五十三年のことですから、随分日にちがたっております。私は、それ以来自衛隊の方々はそういうときの判断が萎縮してしまわれたのじゃないかなと思っているのです。
きょうも上原康助先生が日本経済新聞に有事立法のことを書いておられますが、有事のときに一体どうするのかという有事立法関係について、防衛庁長官はどういうふうにお考えになっておられるのか。
特に、戦前は憲法十四条に戒厳令規定というのがありました。旧憲法の十四条には「天皇ハ戒厳ヲ宣告ス 戒厳ノ要件及効力ハ法律ヲ以テ之ヲ定ム」となっていました。ところが、今の日本国憲法には、全く緊急事態に対応する規定がないのです。世界じゅうの憲法の中で戒厳令規定がないのは日本だけでございます。
今度の場合は地震災害でございますから、地域的な問題でございますので、それに対応するにそういう有事立法の話は別段持ち出す必要はないかもわかりませんが、今度起こるときには、特にお隣の隣国にはノドンとかテポドンとかいうような大変物騒なミサイルが核弾頭を載せて飛ぶかどうか、そんなこともささやかれておるときでございますから、そんなことに対して一体どういうふうにこの有事という問題を考えていらっしゃるのか。
有事にいかなる対応をするか、この有事法制が今は全く欠落しています。これはマッカーサーが日本にいましたから、マッカーサーがおれがいるから大丈夫だよという意味の、アメリカからもらった憲法の中には、米占領軍の軍事力というものを背景にして日本には軍事力を与えない。それから警察はばらばらにする。国家警察というものを全般的にばらばらな組織にする。
そして今度も、大災害に際しての消防の対応がいかなるものであったかが知りたくて、大阪の消防へ私ちょっと行ってきましたが、東京は消防庁が委託をされておりますから、一遍に消防庁がやればすっと指令が全地域に行き渡るのですが、大阪の場合は、三十二の衛星都市に全部電話をかけた。一本五分ずつ、出動してくれと。そうしたら、慌てていたので電話をかけないところがあって、出動しなくて、後で何で連絡しないかといって大変にお目玉を食らったというようなことまであるわけでございます。
ですから、有事に対する対応を防衛庁はどういうふうに考えておられるのか。これは大変議論を呼ぶことでございますが、連立政権であればこそ、私はあえて防衛庁長官並びに防衛庁のお考えというものを伺っておく必要がある。
そういう時代が来たんだ、五五年体制は崩れた、東西の対立もない、しかし、まだ共産主義を政治の主体にして経済は自由という不思議な国もいろいろあるわけでございまして、そういう観点からまだまだ、体制は崩れたけれどもそれぞれの国の国益は何の変化もない、こういうことでございますから、国益によって日本に危機がもたらされることはあるかもわかりません。現に、日本に援助を求めながら北方領土というのはなかなか返ってきませんし、ヨーロッパではヤルタ体制というのは崩れたといいますが、日本ではまだそれもそのままでございます。世界の議論にも何にもなりません。そんな中での有事法制というものに対してどういうふうにお考えか、ちょっと伺っておきたいと思います。