河野洋平の発言 (外務委員会)

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○河野国務大臣 外務大臣就任以来、旧ユーゴの紛争というものに私は関心を持っておりまして、いつかは私も現地へ直接行って、関係者の話を聞きたい、また我々の考え方も申し上げたいと思っておりました。と申しますのは、やはり旧ユーゴスラビアの問題は、単にヨーロッパの一地域の問題ではない。今や国際社会が一様にこの問題に対して懸念をしている。例えば、ASEANの会議に行っても、この問題は非常に大きな話題になっているわけでございます。これは宗教上のつながりということもあるいはあるかと思いますが、世界各国でこの問題については懸念を持っているわけでございまして、我が国もまた人道支援を行ってはまいりましたけれども、責任ある立場の者が現地に行って、我が国の考え方を明確に伝える。それは何といっても現地の責任者、国連から派遣をされている責任者は明石さんでございますから、この明石さんの努力をバックアップするということも兼ねて伺ってきたいと思っていたわけでございます。
 この問題に関心を持てば持つほど、この問題の背景の複雑さというものには本当に驚かされるといいますか、なかなか理解も難しいという、率直にそういう感じがしたわけでございますが、現地へ参りますと、それぞれの国の指導者はそれなりに責任を負うて将来のことは考えておられるというふうに思いますが、最前線はどうかというと、これはまた大変な近親憎悪があったり、非常な憎しみがあったり、敵意というものも相当厳しいというふうに感じたわけでございます。
 もちろんクロアチアの首都ザグレブにおきましては、我々が滞在しておりますときにはまことに平和な、のどかな雰囲気すらあって、市民も町にあふれておりまして、クロアチアの指導者からは日本からの渡航の自粛をもうそろそろ解除してもらいたいというようなことも言われて、我々も実際はそういう感じがしないでもなかったわけでございますが、我々がクロアチアを離れるとすぐにロケット砲が撃ち込まれるとかいう問題も起きまして、まだまだなかなか簡単ではないなという感じがしたわけでございます。
 コンタクトグループと言われるアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、ドイツ、こういった国々が懸命の調停をしているわけでございますが、その調停にもかかわらずなかなかそう簡単に合意ができない。それは信頼関係がまことに崩れてしまって、この信頼関係を積み上げるためにはいろいろな知恵が必要ではないかと思うわけです。
 ただ、私は参ります前に何人かの方に伺いますと、明石さんは大変苦労していると。国連から派遣されてかの地にいるわけで、それぞれの人たちに話をして、一つにまとめようと思えば、甘いこと、おいしいことは言えない立場で、時に非常に厳しく話もしなければならぬということもあって、明石批判も実はかなりあるようだというふうに聞いてまいりましたが、現地に参りましてそれぞれの指導者にお目にかかってみると、私はそれぞれの方々に、明石さんを信頼して、明石さんの調停にはできるだけ協力してもらいたいということを繰り返し申し上げましたが、それぞれの指導者は、まことにそれはそのとおりで、明石さんは非常によくやってくれている、非常にフェアだ、我々は明石さんの努力に協力するつもりだということを一様に言っておられたわけでございまして、やはりコンタクトグループの努力もありますけれども、と同時に、何といってもあそこで責任を負うて行動し、発言をしている明石さんの重みというものも相当なものがある。
 私は、明石さんの考え方というものが、それは一つ一つの事象についてはいろいろの国の評価はありますけれども、方向については明石さんの努力にまつべきではないかという感じもして帰ってきたわけでございます。

発言情報

speech_id: 113203968X01619950510_003

発言者: 河野洋平

speaker_id: 31577

日付: 1995-05-10

院: 衆議院

会議名: 外務委員会