河野洋平の発言 (外務委員会)
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○河野国務大臣 旧ユーゴスラビア地域の紛争は、先ほど申し上げたように非常に複雑で、なかなか糸をほぐすきっかけをつかむということが難しい状況にあるわけですが、その中にあって、国連あるいはコンタクトグループ、あるいはその他にも、かってのアメリカのバンス長官などがいろいろな調停案をつくったり、大変な努力をしておられるわけです。我が国は我が国として、先ほど小杉議員おっしゃるように、これまでこの地域に全く領土的野心があったわけでもない、宗教的な絡みもない、経済的にも大きなやりとりがあるわけではない、そういう歴史的経過を持った我が国が、全く人道的な見地に立って支援を行うということが、かの地では大変信頼をされ、期待もされているということは全くそのとおりだと思うんです。
私は行きますときに、したがって、全く白紙で、先入観がなくて、どの地域がいわばいい人たちでどの地域が悪い人たちでなんという先入観を持たないで、もうみんなに会ったらいいんじゃないかすべての人の話を聞くことが大事ではないかという気持ちもございました。
ただ、そうはいっても、コンタクトグループを初めとする人たちの調停というものは、いろいろ問題はあるけれども、その努力がずっとここまで続いてきて、この問題がこうなれば次はこうなるという組み立てが一つずつできてきている、そういう中に日本が全く白紙の状況ですと言って行って、みんなに会っていろいろな話をしたことが悪いメッセージを伝えることになる、結局、そうしようと思っていたんだけれども、いや、そうでもなさそうだなというので、考えが変わってしまうということでもいけないということもあって、私はやはり、G7の際にもたびたび、G7に出席するコンタクトグループの人たちは、我々の努力を支持してくれ、こう言って、G7の中でコンタクトグループに入っていない日本とかカナダとかイタリーとかこういった国は、いろいろ検討した結果、コンタクトグループのやっている作業を支持しましょう、こう言ってきた経緯もありますから、我々はコンタクトグループの作業というものにマイナスになるようなことは今はすべきでないということを考えたりしたわけでございます。
クロアチアの話を政府委員から御答弁申し上げましたけれども、クロアチアに対する国際社会の評価というものはどういうことかというと、これは議員も十分御承知のとおり、国際社会のほとんどの国は既にクロアチアを承認しておりますし、これまた御承知のとおり、クロアチアは国連にも加盟をして国連の一員としての自覚も持っておられる。私、参りまして、大統領、首相、外務大臣、それぞれお目にかかっていますが、それぞれの方々はそれぞれの立場で大いに責任を痛感をしておられて、平和的な解決のための努力をするとおっしゃっておられるわけです。
このクロアチアの首都ザグレブに国連の明石さんたちは居を構えて、本部を置いて、そこでやっている。それはクロアチアからも大いに支援も受けているわけでございまして、これはやはり、確かにクライナ地方との間の関係というものについては、我々十分注意をして、我々もクロアチアの政府の方々に、武力でというか力で問題を解決しようということはすべきでない、ぜひ国連の考え方というものとも十分協力をして問題を解決して、少し時間がかかっても、融合政策といいますか、融和政策をとっていってほしいということを申し上げて、基本的にそういうことを了承しておられるわけで、私はこれから先もできるだけそういう方向に進んでもらうべく我が国としてできるだけのことをするということがいいんだと思います。
さて、その新ユーゴの方ですが、問題は、議員が行って調査をしてこられた経済制裁ですが、このいただいた調査報告書の中にも、御一緒されたんでしょうか、暉峻さんですね、つい数日前のテレビを見ていると、この暉峻さんが大変お世話をされたらしくて、兵庫県の地震で被災された子供たちがベオグラードへ招かれて行っていますよね。ベオグラードへ行ってホームステイなんかして、非常に元気よくやっているという姿がテレビに出て、大変乱はうれしくそのテレビを見ましたけれども、そのテレビを見る限りにおいては、ベオグラードの可もなかなか活気もあって、にぎやかだなと見たわけです。
ただ、しかし、経済制裁はやはりもう長期間にわたっていますから、いろいろ問題が起こっている。それは、ただ単に新ユーゴだけじゃなくて、その周辺の新ユーゴとの貿易をしようと思っている国々にも問題はあるわけで、この経済制裁そのものには、それは相当な影響があるだろうというふうに思います。
ただ、問題は、だから経済制裁をやめろというのではなくて、経済制裁をされるにはされるだけの理由があったんじゃないか。だから、その理由を取り除くという努力をしなければならないんだろうと思うんですね。
コンタクトグループの中でもいろいろ議論があって、まだ一つに議論がまとまらないようですけれども、新ユーゴがこういうことをやれば経済制裁についてはこうしよう、いろいろなアイデアがあるようですが、あるいは停止するとか価するとかということの提案もしているわけですから、それについてはひとつ新ユーゴの責任者も積極的に応じてもらいたいものだと思うんです。
それはそう難しいことではなくて、新ユーゴとボスニア・ヘルツェゴビナとの間の国境線、この国境線は国際的にもう認められているわけで、しかもその国境線には国境監視ミッションというのがいて、それはもうお互いに認めている。我が国はその国境監視ミッションにさらに支援をして、国境監視ミッションを強化するといいますか存続するといいますかそういうことをやりますよということは私は新ユーゴの外務大臣にも申し上げて、それは結構です、やってくださいと外務大臣もおっしゃっておられるわけです。それはもう国境線をある意味では認めているわけだから、それなら国境線を認めるということを明確にされたらどうですかつまり、国境線を認めるということはボスニア・ヘルツェゴビナを国家承認をする、しかもそれは相互承認ですね。ボスニア・ヘルツェゴビナを承認すると同時にボスニア・ヘルツェゴビナに新ユーゴの国家承認もさせる。例えばそういったようなアイデアが出れば、そういうことに前向きに取り組んで、そうしようと。それじゃそれによって経済制裁をどうするかという次の話に進んでいくということがむしろ重要なのであって、今の状況の中でただ経済制裁をやめろというだけでは、どうも全体の問題を解決することにはならない。
小杉議員がおっしゃるように、弱者が大変かわいそうな立場に立っている、それを救わなきゃならぬ、それはよくわかります。その方法というものも考えなきゃいけない。そのために物資を届けようとすると、物資を届けるためには国連軍の存在をどういうふうにするかというようなことも出てくるわけで、これもいかぬ、物資も末端まで届けろということじゃなかなかできないわけですから、その辺のところを十分話し合ってもらいたいということをこの前申し上げてきました。
私は、ぜひこれはそういった提案に新ユーゴが応じて、こうした経済制裁なんという、やはり少し正常でない形というものは直していくことが、早く直すことがいいことだと私は思います。ただ、その直すための前提をぜひ新ユーゴにやってもらいたい、こういうふうに思っております。