前田勲男の発言 (法務委員会)

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○前田国務大臣 刑法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明いたします。
 現行刑法は、明治四十年に制定された法律でありますが、今日までに十回余の一部改正がなされましたものの、法文は当初のままの片仮名まじりの漢文調の古い文体である上、難解な用字用語が少なくありません。そのため、かねてから、一般国民が法文を読んで内容を十分に理解することが困難であるとの指摘があったところであります。加えて、第百二十回国会で成立いたしました罰金の額等の引上げのための刑法等の一部を改正する法律の審議に際しましても、刑罰法令の現代用語化について政府は努力すべきである旨附帯決議で求められたところであります。
 このようなことから、国民の日常生活に深いかかわりを持つ法律である刑法の表記を平易化し、国民にわかりやすくすることは、早急に取り組むべき課題となっているものと認められるのであります。
 この法律案は、以上のような事情を考慮いたしまして、刑法の表記を現代用語化して、平易化し、あわせて刑罰の適正化を図るために必要な改正を行うこととしております。
 改正の要点は、次の三点であります。
 その一は、刑法の表記を平易化することであります。
 刑法の表記の平易化が緊急の課題となっており、なるべく早期に実現する必要があることにかんがみ、内容の変更を伴う改正は行わないとの基本方針のもとに、現行刑法の条文を、次に述べます二点を除き、可能な限り忠実に現代用語化して平易化することとしております。
 その二は、尊属加重規定の削除であります。
 尊属殺人に係る刑法第二百条につきましては、昭和四十八年四月四日、最高裁判所において違憲の判断がなされているところでありますので、今回の改正に当たり違憲状態を解消する必要がありますが、事案の実態や違憲判決後約二十二年にわたり通常殺人の規定が適用され、被害者が尊属である事情を踏まえ、事案に即して科刑が行われてきている実情にかんがみ、これを削除することとし、これとの均衡等を考慮し、尊属傷害致死、尊属遺棄及び尊属逮捕監禁についても、あわせて削除して通常の傷害致死等の規定によることとしております。
 その三は、聾唖者の行為に関する規定の削除であります。
 現行刑法第四十条は、聾唖者の行為については、これを罰せず、または刑を減軽することとしておりますが、この規定は、聴力及び発語能力を欠くために精神的な発育がおくれることが多いと考えられていたことから設けられたものでありますところ、現行刑法制定後の聾唖教育の進歩拡充等の事情にかんがみますと、今日においては、責任能力に関する一般規定を適用すれば足り、同条を存置しておく理由はなくなったと考えられますことから、これを削除することとしております。
 以上のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

発言情報

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発言者: 前田勲男

speaker_id: 8872

日付: 1995-03-28

院: 衆議院

会議名: 法務委員会