松尾浩也の発言 (法務委員会)

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○松尾参考人 今の問題は、なかなか難しい点であると思います。
 平易化に徹するということになりますと、内容の実質的な修正は全く行わないということにすべきであったろうかとも思うのでざいますけれども、他方において、先ほど日弁連の渡辺参考人がお話しになりましたとおり、相当多くの事項について緊急の改正を求めるという意見も強いわけでございまして、その中のいわば最も急速を要するであろうと思われるものとして 尊属及び聾唖者の規定というものが選ばれたことになります。
 その理由といたしまして、最高裁判所の考え方は先ほど委員の御指摘のとおりでございますけれども、しかしながら最高裁の判例ももうかなり時間がたっております。尊属傷害致死につきましては、昭和五十年前後にまた判例がございますけれども、それぞれ反対意見をも伴っている判例でございまして、最高裁の考え方も動いている点もあるのではないか。そして、国際的に見ますと、平等への志向というものは、年々強まりこそすれ弱まってはいないというようなことを総合的に判断いたしまして、これは立法府としてはもう削除すべき時期であろう。先ほど申しました「改正刑法草案」も、これは四つの尊属加重規定を全部削除するという形でまとめていたのでございます。
 注意すべき点は、それが委員御指摘のように親子の関係を軽視するとか家族的なものを否定するという趣旨では全くございませんで、いわば法律の世界と道徳の世界というものは別個のものである。かつて最高裁判事のお一人の言われた有名な言葉に、親子の情というふうな道徳は法律の手の届かない高いところにあるものだという御指摘がありますが、そういうような考え方がだんだんと世の中でも常識になっていくのではなかろうかと思う次第でございます。
 それにしても、難しい問題だという御指摘は、十分に理解いたします。

発言情報

speech_id: 113205206X00519950328_022

発言者: 松尾浩也

speaker_id: 30409

日付: 1995-03-28

院: 衆議院

会議名: 法務委員会