寺前巖の発言 (本会議)
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○寺前巖君 私は、日本共産党を代表して質問しますが、まず、去る十七日早朝に発生した兵庫県南部地震により被災された皆さんに、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
今回の地震災害は、日本の近代都市が直下型地震の直撃を歴史上初めて受けたものです。高速道路、新幹線という日本の動脈があっけなく壊れ、家屋の倒壊を初め、電気、水道、電話など都市の社会システム全体が破壊され、本日現在で四千人を超す死者が出ています。そして、現在、三十万人近い被災者が避難生活を余儀なくされているのであります。まさに未曾有の大災害であり、それだけに、従来の発想を捨て、住民と関係者の声に全面的にこたえる緊急対策、抜本策に全力を挙げなければなりません。
私は、災害発生後直ちに現地に入り、状況をつぶさに調査しました。きのうも政府に緊急対策を申し入れたところですが、以下、被災住民の皆さんから切々と訴えられた声に基づいて質問します。
現地では、「もう少し救出が早かったら助かったのに」「遅過ぎる」の痛切な声がありました。まず何よりも人命の救出が最優先の課題です。ところが、現地に入ってみると、「今なお瓦れきの下などには何人埋まっているのか、人数の確認などできません」と現場の消防責任者が言っているところもありました。地域全体を破壊する大型災害だからといって手をこまねいているわけにはいきません。救出のための重機、小型土木機械を民間からも借り上げ、配備するとともに、新たにレスキュー隊を緊急派遣し、一刻も早い救出を行うべきであります。
次に、被災者の救援の問題です。
被災者のもとには、水、食料、毛布などが全面的に行き渡っているとは言えず、丸一日何も口にしていないという方もおられました。援助の絶対数が不足しているのです。しかも、兵庫県の副知事は、私どもに対して「避難住民だけでなく、百万大規模の被災者にふさわしい対策をとってほしい」と強調されていました。被災の規模に見合った大量の確保を緊急に行うべきです。
また、被災者のもとに援助物資を確実に届けるため、陸路はもちろん、ヘリコプターによる空輸、さらには埠頭の優先復旧で海上からの大量輸送を早急に図る必要があります。
寒さが最も厳しい今の時期に、水がなく、ガスもなく、湯も沸かせず、暖房もない体育館で避難生活を強いられているもとで、赤ちゃん、病人、お年寄り、障害者などを初め被災者の健康と衛生は深刻です。したがって、医薬品、医療チームの増強、暖房器具の確保、また、仮設トイレを大量に借り上げ、必要な数を設置することは不可欠です。さらに、ふろの確保も必要です。
同時に、寝たきりのお年寄りや病弱の被災者などには特別の対策をとるべきです。例えば、近府県を含めた空き住宅の優先的活用やホテルの利用もその一つであり、直ちに実現すべきです。また、一刻も早い仮設住宅の建設はもちろんのこと、すぐにでも使用できるコンテナなどの活用を図るなどして、被災者の住宅確保を行うべきです。
最低限の生活物資を購入するにも、当座の資金は欠かせません。被災者の当面の生活資金として、緊急一時金を支給すべきです。地場産業を初め中小業者に対する資金援助も緊急を要します。
以上の緊急対策の一端について、責任ある答弁を求めます。
それにつけても、現地の自治体などの混乱ぶりは想像を絶するものがあります。被災者が救援を求める生の声を行政側がくみ上げ、その場で救援対策を実行するために不眠不休で奮闘する自治体に何でも任せにするのではなく、政府が決めた現地対策本部を直ちに機能させ、広域的かつ迅速な対策を講ずるべきです。具体的な答弁をお聞かせください。
次に、都市機能の安全確保について質問します。
これまで政府が極めて安全だとしていた高速道路が落下したり、橋脚が折れ数百メートルにわたって横倒しになりました。また、山陽新幹線が崩落しました。ポートアイランドでは、大規模な液状化現象が発生している今日、河川・港湾施設も大きな被害を受けています。超高層ビルや大規模な地下街を初め、湾岸地域での大規模な埋め立てと開発が相次いています。今回の地震を教訓に、全国的、全面的な総点検を早急に実施すべきと考えますが、総理、建設大臣及び運輸大臣の明確な答弁を求めます。
人の命は地球よりも重いのです。亡くなられた命は余りにもとうといものです。人の命は金にはかえられません。これにこたえるには、政府予算に占める防災関係予算の一つとってみても、その割合は七〇年代の八%から、ここ数年は五%程度にむしろ減っているような財政政策の根本的転換が強く求められています。
我が国は、世界じゅうの地震と火山の一割が集中している有数の地震国です。今回の災害の教訓を全面的にくみ上げ、従来の震災対策を根本的に見直し、新しい備えを総合的につくるべきです。
このことを指摘して、私の質問を終わります。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
〔内閣総理大臣村山富市君登壇〕