村山富市の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(村山富市君) 小坂議員の質問にお答えを申し上げたいと存じます。
まず、阪神・淡路大震災への対応と私の責任についての御質問でございますが、政府といたしましては、今回の地震発生後、緊急対策本部や現地対策本部を設置するなど、政治のリーダーシップのもとにおいて政府一体となり、地元自治体とも緊密な連絡をとりながら、被災者の救援対策と復旧・復興対策に可能な限りの対応を行ってきたところでございます。また、活力ある関西圏の一日も早い再生を目指して、阪神・淡路復興対策本部や復興委員会を発足させるなど、これまでの前例にとらわれない措置をとってまいっておるところでございます。
ただ、初動期における政府の対応につきましては、いろいろと御批判や御意見のあることは十分承知をいたしております。私も、機会あるごとに、今回の経験に照らし、見直すべきところは率直に見直してまいりたいと申し上げてきたところでございます。
このために、大規模地震発生時の第一次情報収集体制の強化と情報連絡体制の整備に関する当面の措置について本年二月に閣議決定を行ったほか、先般国会の御協力もいただきまして成立した平成七年度補正予算におきましても、地震被害の早期評価システムの開発やヘリコプターからの画像伝送システムの拡充等に要する経費を計上したところでございます。
また、各種災害対策の基本となる防災基本計画につきましては、中央防災会議に専門委員会を設置し、実践的な対応が可能となるよう見直しを行っており、近く成案を取りまとめることといたしておりますし、災害対策全般の見直しにつきましては、現在、学識経験者等により構成される防災問題懇談会において検討が進められておりまして、本年十月をめどに結論を出すことといたしております。政府といたしましては、その結果を踏まえ、施策の充実などについて対応してまいる所存でございます。
もとより、我が国は地震など各種災害に見舞われやすく、国民の生命財産を守ることは国政の基本でございます。私といたしましては、今回の経験に照らし、今後ともみずからが先頭に立ってリーダーシップをとり、連立政権として全力を挙げて災害対策に取り組んでまいる決意であります。そして、このことこそが私に課せられた責任であると考えております。
次に、一年を過ごしてきた村山政権について、私の責任をお尋ねでございますが、この内閣は、昨年六月末に成立して以来、連立与党三党の政策合意を基本として、政治改革を初め、規制緩和、特殊法人の見直し、地方分権の推進などの行政改革、税制改革、年金改革、被爆者援護法、世界貿易機関への参加など、長い間懸案となってきた困難な課題に一つ一つ区切りをつけてきたところでございます。
同時に、本年に入り、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件を初めとした相次ぐ事件の発生、急激な円高の進行など、次々と課題が山積しており、これらに全力で取り組んでいるところでございます。
こうした中で、改めでこれまでの成果を総括し、三党合意がどこまで実現できたかを検証する
必要があるのではないかと考えております。その上で、何が課題として残ったのか、これから新たに取り組むべき重点課題は何かといったことを国民の皆様に具体的にお示しをし、これらを着実に実行していくことが総理としての私に課せられた責任であると考えております。
次に、今般のサハリン北部地震についての御質問でございますが、今回の地震により非常に大きな被害と多くの死傷者が発生しておりまして、五月二十八日には、私よりエリツィン大統領に対しお見舞いのメッセージをお伝え申し上げました。
政府といたしましては、このような状況にかんがみまして、人道的見地から、全体で計十六品目、総額一億二千五百万円相当の支援物資を供与することを決定し、既に三十日、三十一日の二回にわたり、毛布、食料、人工透析器等の支援物資を函館からユジノサハリンスクに輸送し、ロシア側現地関係者に引き渡しをいたしました。
人的支援につきましては、ロシア側より、自国で対応が可能であり、当面必要はないと考えている旨の回答がございましたが、我が国といたしましては、被害状況にかんがみ、必要が生じた際には直ちに対応できる体制を整えておるところでございます。
政府といたしましては、今回の地震の被害につき今後さらに情報収集に努めるとともに、引き続きロシア側とも十分連絡をとりながら、支援物資の供与を実施していく所存でございます。
また、エリツィン大統領の発言につきましては、お尋ねがございましたが、我が国はあくまで人道的見地から誠意を持って支援を行っているのでございまして、北方領土問題との関連は全くございません。もし大統領の発言が事実であるとすれば、まことに残念なことであると思います。
次に、災害対策基本法の見直しについての御質問でございますが、政府におきましては、阪神・淡路大震災を契機といたしまして、防災体制の見直しを検討しておりますが、その一環として、災害対策基本法についても総合的な見直しを検討しておるところでございます。想定される見直し検討項目としては、緊急災害対策本部の組織、機能や情報伝達体制の見直し等がございますが、その多くは防災体制の基本的なあり方にかかわるものであり、防災問題懇談会での議論を踏まえた上、十分な検討が必要であると考えております。
しかしながら、今回は、再び大規模災害が発生した場合に、直ちに人命救助等に影響が生じるおそれがあり、緊急に対応すべきものとして、道路上の放置車両等に関する規定の改正を行うこととしたものでございます。今後は、その他の項目についても、必要な検討を経て適切に対処し、災害対策に万全を期してまいる所存でございます。
次に、一連の自衛隊の不祥事についての御質問でございますが、オウム真理教に絡んだ反社会的事件に現職自衛官が関与していたことは、内閣総理大臣といたしましてもまことに残念で、遺憾なことでございます。私からは、防衛庁長官に対しまして、今後とも引き続き規律厳正なる部隊を保持し、文民統制に基づいた、国民に奉仕し信頼される自衛隊を確立するよう申し伝えたところでございまして、防衛庁長官としての責務を全うしていただきたいと考えております。
次に、いつ起きるかもしれない今後の大地震に対する対処についてのお尋ねでございますが、冒頭申し上げましたように、政府といたしましては、今回の地震発生後、政治のリーダーシップのもと政府一体となって、被災者の救援対策と復旧・復興対策に可能な限りの対応を行ったところでございます。
ただ、今回の経験に照らしまして、見直すべきところは率直に見直すとの観点から、大規模地震発生時の第一次情報収集体制の強化と情報連絡体制の整備に関する当面の措置について閣議決定を行ったほか、平成七年度補正予算においても必要な措置を講じたところでございます。また、各種災害対策の基本となる防災基本計画につきましても、実践的な対応が可能となるよう見直しを行っており、さらに、災害対策全般の見直しにつきましては、防災問題懇談会において検討が進められております。政府といたしましては、今後ともみずからが先頭に立ってリーダーシップをとり、全力を挙げて災害対策に取り組んでまいる所存でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。
以上です。(拍手)
〔国務大臣玉沢徳一郎君登壇〕