唐沢俊二郎の発言 (予算委員会)
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○唐沢委員 私は、自由民主党・自由連合を代表いたしまして、緊急円高・経済対策につきまして質問をいたします。
質問に先立ちまして、昨日の横浜の異臭事件で被害にお遭いになりました皆様に心からお見舞いを申し上げ、一日も早い御快癒をお祈りを申し上げます。また同時に、万全の警戒をされているところでこういう事件が起きたわけでございますが、二度とこういうことが起きませんように、できるだけ警戒態勢を厳重にしていただきたい。なかなか難しいことだと思いますが、お願いを申し上げておきます。
ところで、私は、今度の対策の中身に入る前に、この緊急対策が決定されたその前の政府の対応につきまして、苦情を申し上げる次第であります。
円はずっと上昇してまいりました。三月から急激に上昇して、非常に深刻な事態を迎えたわけであります。そのときの政府、どういうことを言われるか、政府の見解を注目しておったのですが、これは経済のファンダメンタルズを反映したものではない、非常に異常だ、各国と協調して対応する、また、適時適切な措置をとる等々でありました。
三月三十一日、ドイツが公定歩合を引き下げました。それまではマルクやスイス・フランと同じような歩調で円高になっておりましたが、それからは円の独歩高となったわけであります。
そのころになりますと、大蔵大臣、通産大臣、労働大臣も、相当踏み込んだ発言をされるようになりました。大蔵大臣は当面の財政金融運営について、また通産大臣は中小企業緊急円高対策について、労働大臣からも今後の雇用対策についての見解の発表がありました。また、各省では、補正予算に盛り込む円高対策を検討しておられるということが報ぜられたのでございますが、各省ばらばらで、政府としてまとまってどういう対策を出されるかということはわからなかった。国民は不安な日々を送ったのでございます。
今回の円高は、生産拠点を外国に移している、また、市況の回復している大企業、これは案外冷静でありました。しかし、価格競争力のない輸出産業、また安い輸入品に取ってかわられる中小企業、下請企業は、円高の影響をもろに受けてしまったのでございます。
そこで私は一つ例を挙げさせていただきます。
電機の部品メーカーで、平成四年五月期には百三十億円の売り上げがあった。だんだん減って、ことしの七月の見込みは五十億円ぐらいになってしまう。そして、親会社が次々と生産拠点を東南アジアに移しているのでまた受注が激減して、百四十人おった従業員さん、今までは何とか解雇もしないできたのですが、いよいよ解雇に踏み切らざるを得ないというような事例。これは一例でありますが、ほかにもあると思うのです。村山さん、何をやっているんですかと悲痛な叫びも起こりました。
四月九日、これは投票日でございますが、我が党では、思い余った加藤政調会長が急速、経済の担当者を集めて会議を開いて、今週中に何とか対策を出さなければならないなということで決めました。翌十日の月曜日には、三党の政策調整会議でも、また政府におかれましても、十四日の金曜日までに対策を発表しようということを御決定をされたわけであります。そして、やはり総理の一言で十四日に発表するぞということになった。私は無理じゃないかと思ったのですが、十四日に対策ができてそれが決定された、こういうことであります。
今回の円高の対応がおくれたのには、私はそれなりの理由があると思うのですね。というのは、その主たる理由が投機、スペキュレーションにあったということであります。行き過ぎた投機は必ず反転する、それが我々の今までの常識であった。やはり総理も、そのうちまた下がるのじゃないかというお気持ちも、落ちつくのじゃないかというようなお気持ちもあったのじゃないかと思うのですが、やはり投機というものはばかにしてはいけない、軽視してはいけない。投機にもそれだけの原因があるし、また背景もあるわけですね。
一時八十円十五銭まで上がりました。また最近上がったそうでございますが、七十円台に一時入ったというような話も聞いておりますが、そこまで上がったという実績があると、そこまではいつでも高値振れするという一つの圧迫要因になるのですね。災害と投機は忘れたときにやってくる。ぜひ今度は投機についても断固たる姿勢をお示しをいただきたいと思うのでございます。
そこで、国民が一番知りたいのは、一体円はこれからどうなるんだろうかということで、私なんかにも大分そういう御質問があるのです。なかなか難しいことだと思いますが、ぜひ大蔵大臣、最高の責任者である大蔵大臣から見通しを承りたい。だが、最初に総理から対策ができるまでの政府の円高対応についての御意見を伺い、また円の見通しについて大蔵大臣から伺いたいと思います。