橋本龍太郎の発言 (予算委員会)
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○橋本国務大臣 私からお答えをするのが適切かどうかわかりませんけれども、確かに、与党三党からちょうだいをいたしました御意見の中に、政治的なメッセージを非常に強調され、対策の前文の中に経常収支黒字の半減という表現を盛り込んでおられたこと、私もよく承知をいたしております。ただこれは、円高対策としての決意を示すための数値目標ということは、私は必ずしも適切なものだとは考えておりません。
なぜならば、私自身が大蔵大臣をいたしておりましたとき、ちょうど湾岸危機の起こりました九〇年、この年は、GDP比で一・一でありましたか二でありましたか、ちょっと正確な数字を忘れましたが、非常に黒字幅が減少したことがございます。ただし、その年は石油価格が猛烈な勢いで高騰いたしまして、一時期三十ドルに達するという状況でありました。そして九一年、これは湾岸戦争が現実のものとなり、我が国は中東の和平回復のための資金拠出をいたした年でありますけれども、その拠出をいたしたにかかわらず、石油価格がある程度下落をいたしました結果、たしかGDP比二・二か三ぐらいまで、黒字幅はまた拡大したはずであります。
そのように、実は非常に不確定な要素のある経常収支というものが世界各国の自由な経済活動の結果として出てくるものでありますだけに、今日のように世界的に経済活動が繰り広げられております環境の中では、市場原理のもとでその結果を担保することは非常に難しい。さらに、あえてその結果を担保しようといたしますと、これはむしろ管理貿易を行わなければならないことになりますし、これは我が国としてとるべき道ではないと思っております。
また、これは現在、今回の中でも、五年間で行うと考えておりました規制緩和の方針を、この経済情勢に合わせて三年間に前倒しをしていく、そのための必要な予算、人員まで補正予算で御配慮を願う、財政当局にもお願いをしておるような状況でありまして、これはその規制緩和の方針と逆さになってしまうというようなこともございます。むしろ我々は積極的に、経常収支の削減に向けましては、政府の為替市場等に対して発するメッセージ、その中で大事なことは、この内外不均衡の是正のために具体的に実際こうして取り組んでいこうという内容と、それを実行する決意であると思っております。
そのためにも、内需振興のため、財政当局には今補正予算編成に御苦労いただいているわけでありますが、これとあわせまして輸入の促進、あるいは経済構造改革の推進を一層強力に展開していくための施策、こうしたものを着実に実行していくことが必要である、そのように判断をいたしております。