松田岩夫の発言 (予算委員会)
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○松田委員 さあ、そうしてお怒りになるといいますか、そうして言われる割に、では一体今度の訪中によって日中両国でどんなグランドデザインが描かれたのか、何の報道もない、何の報告もない。ぜひ報告をしっかり出していただきたい。
きょうは時間がありませんから、そこまで言われるのであればはっきり、まさに戦後五十年、大事な節目です。私は、総理が訪中されて、まさに日本と中国のためのみならず、アジア・太平洋地域そして世界のために日本と中国はかくかくしかじかのことをするんだ、まさに村山ドクトリンなり新しいそういったグランドデザインが立派に表明されてしかるべきでありますが、残念ながら全然出ていません。(発言する者あり)よく聞いてください。全然出ていません。
自民党の諸君、聞かれたか。村山総理が中国へ行かれて一体何の世界に向けたサインが送られたのか。まあ、そこでグランドデザインは描けなかったといたしましても、しかし個々の問題について、じゃ中国との間でしっかりとしたやりとりができたのか。まさに、日本側の個々の要望や注文をはっきり伝えていただく、あるいは中国のおっしゃることを、はっきり日本の考えを述べていただく、このことがまさに対等互恵、未来志向の外交を築き上げていく第一歩でもあります。
そういう意味で見てみましょう。
さて、北朝鮮の核疑惑問題への対応。ちょっと時間がありませんので、私ざらざらっと言います。後で御返事をいただきますが、北朝鮮への軽水炉供与問題、村山首相が米朝合意の実施に向け中国側の協力を求めたのに対し、李鵬首相は、役割があれば努力したいと述べたにとどまったと。なぜもっと強く中国の協力を求められなかったのか。
さあ、核実験の禁止。核実験の禁止についても要請をした、NPTの無期限延長支持も訴えた、核実験全面禁止条約の締結交渉も強く述べたと、当然のことであります。さあ、それに対してどうだったのだ。NPTに関しては既に決着をいたしました。しかし、そのときの中国の回答はいかにもあいまいであった。また……(発言する者あり)まさにそのとおり。核実験をやめると言っていただいたにもかかわらず、舌の根も乾かないうちに、まさに去る十五日、中国は地下核実験を実施いたしました。まことに遺憾なことでございます。
総理、どう思われるのか、何を一体話してこられたのか、中国に対する経済協力、それでもなお、お続けになっていかれるのか。
さて、中国の国防力……(発言する者あり)いや、一括答弁を求めますので、どうぞごゆっくりお聞きください。軍事情報の透明度を求める声は、日本のみならずアジア各国、アメリカはもちろんであります。この軍事情報の透明度が低い。そのことが周辺諸国にとっての大きな脅威である。軍事費の透明性確保をもっと強く求めるべきだった。また、南沙諸島の問題についても平和的解決への努力を強く訴えるべきであった。軍事費増大についての懸念ももっと強く言うべきであった。
日本の軍国主義、これも話題になった。村山総理が過去の歴史への深い反省を改めて表明したのに対して、中国側は江沢民国家主席が、戦争について日本国内に一部誤った見方をする人がいるが許されないと強調。李鵬首相も、日本国内には確かに軍国主義が存在すると指摘、そして、誤った傾向の抑制を日本に求めた。
しかし、日中戦争の個々の史実や第二次大戦の性格をめぐり日本国内に論争があるからといって、日本の軍国主義復活につながると見るのは余りにも誤りであります。今日の日本の政治、社会構造を見ればそんなことはあり得るわけがない。総理、しっかりそういったことをお話しいただいたのかどうか。
さて、中国の人権問題、我が国のみならず、世界各国の共通の願いです。しかし、総理は、五月三日夜、人民大会堂で開かれた李鵬首相主催の歓迎夕食会であいさつし、中国の人権問題について、それぞれの国情があるが、人権は普遍的な問題なので中国も努力してほしいというような言い方をされたと言われる。しかし、人権問題については、まさに、夕食会でのあいさつなどということではなく、本来の議題としてもっと堂々と言ってほしかった。
国連安保理常任理事国入り問題、この問題について総理が支援を依頼されたそうであります。間違っていたら後で一括直していただければいいです。中国側は、日本の意欲を理解するが、全体の改革や他の国の要望を考慮すべきだと、むしろ反論されたと。一体、なぜもっと強くよく話し合われなかったのか。
さて、まだたくさんありますが、時間の関係もありますけれども、台湾問題への対応。こちらの言うことに対して十分な回答もないのに、向こうからはいろいろ注文をつけられたと。
その一つ、アジア・太平洋経済協力会議首脳会議への台湾要人の出席問題についてこの機会にどんなやりとりがあったのか。結論的に申せば、徐立徳経済建設委員会主任、台湾から出席したいということであればお受けになりますか。御質問であります。(発言する者あり)
さて、多過ぎるということなんで、最後一つにしておきますが、総理は、日中戦争の発祥の地であった盧溝橋、抗日戦争記念館を御訪問された。極めて結構なことだと思います。御案内のように、死亡者数に諸説がございます。昭和十二年の南京事件について中国側が説明した三十万人虐殺説を黙って聞いておられたとのことであります。総理はこれが真実だと思っておられるのか。
以上、せっかく中国に行かれて、グランドデザインについても描くことができず、また同時に、それじゃ個々の問題についていろいろお話し合いができたのかといえば、今の私が申したとおりであるとすれば、まことに何のための訪中であったのか、そういうふうに思います。総理の所見を伺います。