鈴木省吾の発言 (国民生活に関する調査会)

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○会長(鈴木省吾君) 国民生活に関する調査のうち、高齢社会対策基本法案に関する件を議題といたします。
 本件に関しましては、理事会で協議いたしました結果、各会派の総意をもちましてお手元に配付してあります草案がまとまりました。
 まず、草案の趣旨及び主な内容につきまして御説明申し上げます。
 本草案は、「本格的高齢社会への対応」を今期の調査テーマとし、これまで三年間にわたって行ってきました本調査会の活動を踏まえてまとめられたものであります。
 我が国におきましては、国民のたゆまぬ努力により、かつてない経済的繁栄を築き上げるとともに、人類の願望である長寿を享受できる社会を実現しつつあります。今後、長寿をすべての国民が喜びの中で迎え、高齢者が安心して暮らすことのできる社会の形成が望まれております。そのような社会は、すべての国民が安心して暮らすことができる社会でもあります。
 しかしながら、我が国の人口構造の高齢化は極めて急速に進んでおり、遠からず世界に例を見ない水準の高齢社会が到来するものと見込まれておりますが、高齢化の進展の速度に比べて国民の意識や社会のシステムの対応はおくれており、国民の間には高齢化やみずからの高齢期に対する不安が生じております。
 このような事態に対処して、国民一人一人が生涯にわたって真に幸福を享受できる社会を築き上げていくためには、雇用、年金、医療、福祉、教育、社会参加、生活環境等に係るシステムが高齢社会にふさわしいものとなるよう、不断に見直し、適切なものとしていく必要があります。
 このため、あるべき社会の姿を明示するとともに、その方向に沿って、国及び地方公共団体はもとより、企業、地域社会、家庭及び個人が相互に協力しながらそれぞれの役割を積極的に果たし、社会のシステムを再構築していかなければなりません。
 本草案は、このような状況にかんがみ、高齢社会対策に関し基本理念を定めること等によって、高齢社会対策を総合的に推進し、もって経済社会の健全な発展と国民生活の安定向上を図ろうとするものであります。
 次に、本草案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一は、前文についてであります。この草案におきましては、特に前文を設け、法制定の趣旨を明らかにしております。
 第二は、基本理念についてであります。高齢社会対策は、国民が生涯にわたって就業その他の多様な社会的活動に参加する機会が確保される公正で活力ある社会、国民が生涯にわたって社会を構成する重要な一員として尊重され、地域社会が自立と連帯の精神に立脚して形成される社会、国民が生涯にわたって健やかで充実した生活を営むことができる豊かな社会が構築されることを基本理念として、行われなければならないこととしております。
 第三は、国及び地方公共団体の責務等についてであります。国は、高齢社会対策を総合的に策定及び実施する責務を有することとし、また、地方公共団体は、国と協力しつつ、当該地域の社会的、経済的状況に応じた施策を策定及び実施する責務を有することとしております。さらに、国民は、高齢化の進展に伴う経済社会の変化についての理解を深め、相互の連帯を強めるとともに、みずからの高齢期において健やかで充実した生活を営むことができることとなるよう努めることとしております。
 第四は、施策の大綱についてであります。政府は、政府が推進すべき高齢社会対策の指針として、基本的かつ総合的な高齢社会対策の大綱を定めることとしております。
 第五は、国会への年次報告についてであります。政府は、毎年、政府が講じた高齢社会対策の実施の状況及び高齢化の状況を考慮して講じようとする施策等に関して、国会に報告することとしております。
 第六は、基本的施策についてであります。就業及び所得、健康及び福祉、学習及び社会参加、生活環境の四つの分野について、国が講ずべき施策の基本的な方向を定めております。
 第七は、高齢社会対策会議の設置についてであります。総理府に、内閣総理大臣を会長とし、関係行政機関の長のうちから内閣総理大臣が任命する委員から成る高齢社会対策会議を置き、高齢社会対策の大綱の案の作成、必要な関係行政機関相互の調整等を行うこととするなど、高齢社会対策会議に関する規定を定めております。
 以上がこの法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 本車案を高齢社会対策基本法案として本調査会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

発言情報

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発言者: 鈴木省吾

speaker_id: 24523

日付: 1995-06-02

院: 参議院

会議名: 国民生活に関する調査会